床下換気扇は有効か? [床下換気扇]
皆さん、こんにちは。
今日は「シロアリ屋の3点セット」のひとつである「床下換気扇」について
書いてみます。
「シロアリ消毒したとき、湿気があるから床下換気扇も強くすすめられたけど、
どうしたらいいでしょうか?」
・・・と聞かれることがあります。 そんなとき、私は・・・
「費用に余裕があったらお付けになればいいでしょう。 ただし、その効果には
あまり期待しないでください」・・・と答えます。
というのは、床下換気扇が登場した当初、私は期待していました。
建築基準法で、土台周りを基礎で囲む工法は、耐震性のためにはいいこと
かもしれませんが、昔の吹き抜けの床下と比べると圧倒的に通気がわるいからです。
そのためシロアリや他の昆虫が住みやすくなりました。
(ついでにいえば、私の経験では、基礎の「換気口」だけでは通気は充分に
得られないのです。 また最近の「基礎パッキン」を土台と基礎の間に噛ませる
「基礎パッキン工法」も、たいした換気能力はありません。)
だから、床下換気扇で「強制換気」することは、いいことだと思いました。
そして、最初に換気扇を付けさせてもらったお客様に、40日後に再訪して床下を
見せてもらったことがあります。 40日後とは換気扇のカタログに40日後に効果が
確認できる、と書いてあったからです。
私としては、さぞ床下が乾いているだろうと想像していました。
しかし、予想に反した結果でした。 たしかに換気扇を設置した周辺の土壌は、
表面が少し乾き始めています。 でも、ちょっと奥へいくと黴は相変わらずの状態です。
それでメーカーに聞きました。
(注・この場合の黴とは、木材腐朽菌のことです。)
- 「あの~、黴は取れていないようですが」
メーカーの返事は・・・
- 「黴は、換気扇を設置する前に、全部取ってください」・・・でした。
それなら換気扇を設置する意味がないじゃないか、と思いました。
それに黴を取るといっても、タワシで取るわけにもいかないし、結局、
毒性の強力な防腐剤を吹き付けるのが手っ取り早い方法です。
実際に「換気扇+防腐工事」とセットで、工事しているシロアリ屋さんも
いるようです。
その後、大体、設置後5~6年後に「異音」がする。 「漏電」しているらしい・・等の
連絡をいただくことが増えてきました。 そのたびに、お邪魔しては床下に潜って
みて感じたことは、確かに「黴」の臭いは軽減しているが、黴そのものが減って
いるようにはどうしても思えませんでした。
つまり、「費用対効果」で考えると、どうも、お客様のためには、あんまりなって
いないな、と思うようになりました。 大体、消毒のほかに床下換気扇も設置すると、
予算が倍額になります。 シロアリ屋にとってはオイシイ仕事です。
だから「必要があろうと、なかろうと」換気扇を売り込みます。
商売、商売、というわけです。
でも、基本的には、「床下の空気を入れ替える」わけですから悪いわけでもない
と思います。
それで、私は換気扇の効果を聞かれたとき、冒頭の答え方をしています。
ちなみに、私自身は以上の理由で、床下換気扇をおすすめする気はありません。
換気扇メーカーの皆さん、悪く思わないでね。
もし、もっと有効な換気扇の付け方があったら教えてください。
それでは皆さん、ごきげんよう。
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