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ベタ基礎の功罪? [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

私は、家の寿命を縮める最大の原因は、シロアリよりも腐朽だと
思っています。
以前、日本の住宅が先進5カ国ではもっとも価格が
高いのに寿命はもっとも短い、と書きました。
腐朽という点から見た場合、日本の高温多湿という気候風土も家屋
の寿命を短くしている大きな原因だと思います。

アメリカ西海岸のほうは、かなり暑い日でもジョギングして汗をかくこと
はないそうですね。汗が直接気体になって皮膚から蒸発するからという
ことです。
つまり、気温が高くても、湿度が低くて空気が乾燥しているので、
ベタベタすることがないと聞きました。

このような気候風土なら腐朽もおこりにくいし、それがアメリカの104年
という住宅寿命を可能にしている一因かもしれません。
高温多湿の日本とは条件がまったく違うわけですね。

前に大工さんから聞いた話ですが、いろんなハウスメーカーが集まって
いる住宅展示場というのがありますね。そこであるメーカーが展示用
住宅を建替えしたときの話です。多分5~6年経った住宅らしいのですが、
見た目はなんともないのに、解体したとき、外壁の裏側がカビで真っ黒に
なっていた、と驚いていました。

「今の家はビニールハウスと同じだからなぁ」という大工さんは多いですね。
つまりビニールハウス=高気密ということです。ペットボトルハウスなんて
いう人もいます。これも前に書きましたが、昔気質の大工さんは、とにかく
「家は呼吸させろ!」と呼吸の重要性を強調します。
土壁は呼吸するからいいといいます。

呼吸する壁といえば、シラス(火山灰)や炭、珪藻土を原料にした新しい
壁材も開発されています。(蛇足ですが、私のお客様がリフォームする際に、
部屋が黴臭いというので、珪藻土の壁材がいいらしいですよと提案したこと
があります。結果は大成功でした。ガラっと部屋の空気が変わったと大喜び
でした。)

  •  珪藻土とはプランクトンの死骸が堆積した土のことです。
     七輪が珪藻土でつくられています。ものすごい吸水力があります。

前置きが長くなってしまいましたが、昨日の腐朽対策として、まず「ベタ基礎」
から考えてみます。最近は地震対策の面からもベタ基礎のつくりが増えて
います。瑕疵保障制度が制定されたからでもあると思います。
私個人としては、ベタ基礎はなんとなく嫌いです。常識的にはいいことだと思い
ますが、いいことばかりではない面もあることを知っておいてください。
まずベタ基礎のメリットとしては・・・

  1. 耐震性能が上がるから地震に安心できる。
  2. 床下に土がないからシロアリ・その他の虫が発生しにくい。
  3. 床下に土がないから湿気・カビも排除できる。

こう並べるといいことだらけに思えますね。たしかにそういう面はあり
ますが、これらは皆、条件付で、と私はいいたいのです。
どういうことかというと・・

まず1については、在来工法の大工さんは、在来工法が地震に弱い
という認識は誤りだといいます。昔の家は地震のチカラを吸収するように
つくられていた、といいます。
たとえば漬物石のような楕円形の束石はそのための工夫だったと。
それと万が一、家が傾いたり歪んだ場合は、在来工法ならなんとか
なっても、ベタ基礎のつくりは手の着けようがないといいます。

2については、たしかに床下が土よりもコンクリートのほうがシロアリが
登ってくる確率は下がります。しかし、再三、このブログで申し上げて
いますが「コンクリートの下」は「シロアリの天国」です。
絶対に、コンクリートに、ひび割れや亀裂の将来起きないような丁寧な
施工をしないと、逆効果になってしまいます。それに「水抜き穴」は絶対
必要ですが、ここからシロアリが侵入したケースもあります。

3については、私は最も大きな疑問があります。
率直にいえば、床下から土を排除した住宅に住むことは、とても人間として
不自然な気がするのです。
人間は土からもエネルギーをもらって生きていると思うのです。
こういう考え方はヘンでしょうか?

{静岡大学のマウスの実験で、コンクリートと鉄と木製の箱でマウスの
子どもを飼育したら生存率がコンクリート7%、鉄41%、木製85%という
結果だそうです。またコンクリートと鉄で育ったマウスはストレスで明らかな
異常行動をしめして、親のほうも攻撃性が増したり、ちょっと考えられない
異常行動をしたそうです。}

また、コンクリートの弊害として、コンクリートから出る放射性物質「ラドン」
の問題があります。ラドンは強力な発ガン物質です。
日本の住宅は、世界でもラドン濃度が高いというデーターを読んだことが
あります。
それから「過乾燥」の問題もあります。具体的には、乾燥しすぎて材木が
ひび割れる、といったような。

なんかコンクリートの悪口ばかり言っているようですが、昔、私の床下
点検した家で、強烈に印象に残っている家があります。
その家は、当時としては珍しくベタ基礎でした。おまけに、ベタ基礎の上に
防湿シートをびっしりと見事に張っていました。地下からの湿気は完璧に
押さえ込んでいました。
しかし、完璧すぎて私が動くたびに煙のような細かいゴミが立って、咳き
こんでしまいました。強烈な「過乾燥」状態です。
たしかにシロアリの心配はなさそうでしたが、住んでいる人の健康はどう
なんだろう?と思った記憶があります。

前に、私は住宅は「高断熱・高気密」でなく、「高断熱・中気密」がいいと
書きましたが、その理由は、過度の乾燥は人間にも住宅にもマイナスだと
思うからです。
「腐朽が住宅の最大の敵である、」ということと矛盾するじゃないか、と
言われそうですが「過度の不自然な対策」は、必ずなんらかの弊害をもたらす、
気がするのです。

以上の要点をまとめると、ベタ基礎の際は

  • なによりも「施工の正確さ」と、
  • ベタ基礎といえども「通気性」は充分とらないと、弊害がおきやすい
    ということでしょうか。

ちょっとおかしく思われるかもしれませんが、私は物事を判断するとき、
けっこう「理屈ぬきで、それは自然か?不自然か?」を判断基準にする
ときがあります。「直感」といってもいいかもしれません。

今日は、だいぶ私の「独断と偏見」が混じった文になってしまったようです。
皆さんはどうお考えでしょうか?
今日はつまらなかったと思いますので、メモしておいたジョークを少し・・・・


先日、僕の友達とファミコンしていると通りかかった母が、
「お前たちはいいねぇ、毎日がエブリディで」と言った。
母はいったい何が言いたかったのだろぅ・・・。

家族そろって夕食をとっている時、
何かの拍子に怒った父が、
「誰のおかげでメシが食えると思っているんだ」と言おうとして、
「誰のためにメシを食ってんだ!」 と怒鳴った。

私と姉は「自分のためだよ」と答えた。

夫婦ゲンカの時、父が母に
「バカモノ!」と言うのを間違って、
「バケモノ!」と怒鳴ってしまった。

ケンカは更にエスカレートした。



それでは皆さん、ごきげんよう。

 

 


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