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悪徳業者に感謝する人々 [悪質商法]


皆さん、こんにちは。 

シロアリの話はどうも気分がのらないので、今日も別の話でお茶を
濁させてください。 最近濁してばっかりですが・・・。

最近の新聞で、神奈川県警の現職幹部が「新世界」という霊感商法
事件に積極的に関わっていたという報道がされていました。 
今日の新聞では「だました気持ちない」とサロンの女社長が反論して
いるそうですが・・・。 

私はこういう人種が大嫌いです。 
ただそれはそれとして経営母体の会社に売上金の7割も上納する
システムだったこと、および具体的な集客方法が各地のサロンで
行われる「癒し」と「物品販売」だったことを考えると、私が脱会させ
ようとしたおばあちゃん(寂しい人が多すぎるのブログです)が入って
いた団体とよく似たシステムだと思います。 

ありていに言えば私は「人に欲があるかぎり」こういう怪しい団体は
根絶できないと思っています。 
昔「豊田商事」という会社が「金の証書」だけ売りつける悪徳商法で
大事件を起こしたことを御存知の方も多いと思います。 
殺人事件まで起こして結局、深層は闇の中で終わりましたが。

で、以前その豊田商事のセールスマニュアルが載っていた本を読ん
だことがありますがこれが凄い! 凄いというのはまさに究極の
セースルマニュアルだと思ったからです。 正直これは使えると思い
ました。 多くのセールスマンの方ならそう思うと思います。 
そして、このマニュアル自体が「悪徳マニュアル」ではないのです。 
見方を変えればとても優れたセールス教本です。 

こういう書き方をすると誤解されそうですが・・・
つまり、そのマニュアルの内容と同じことを大手有名メーカーの営業
でも本質的には同じことをやっています。 ただ有名メーカーは「商品」
という裏づけるモノがありますが悪質業者にはそれがありません。 
だから余計「頭を使う」のですね。 
 
正直な業者は「努力さえすればいつか報われる」と思い「頭」を使い
ません。 これは怠慢です。 正直な業者ほどもっと頭を使って悪徳
業者に勝つべきなのですが・・・といっても私も頭が悪いので・・・。

「売るためのセールストーク・技術」と実際の「商品」とは相関
関係はありません。
 多くの商品は「買って、使って」みなければ
それが本当に価格に見合うものかどうかは誰にもわからないからです。

なぜ豊田商事は金という商品がないのに「金の証書」=紙くず、だけを
売ることに成功したのでしょう? 
それは「売るためのセールストーク・技術」がバツグンだったから
ですね。 よくセールス本に「商品を売る前に自分を売れ」と書かれて
います。 これは普遍の真理です。 営業経験のある方なら当たり前の
ことでしょう。 そして豊田商事の営業マンはこれを徹底してやりました。

具体的には・・一人暮らしのおじいちゃんおばあちゃんをターゲットに
したらそこに通いつめ「掃除・洗濯・料理・話し相手」になるわけです。 
とくにこの「話し相手」になるのはグッと効果があります。 
そして徐々に確実に「信頼関係」を築きます。 この間は「商品」の
話はいっせつしません。 すれば「売り込み」と思われるからですね。 
とにかく「親身」になって面倒をみます。 

そして数ヶ月したらこう切り出します。

  • 「おばあちゃん、僕もう明日からおばあちゃんの家に来れないんだ」

    当然おばあちゃんはすっかり「情が移って」いますから寂しがります。
  • 「どうして?」と聞きます。 

    すると営業マンはこう言います。
  • 「実は会社の上司から、商品を売らないでサボってばかりでけしからんと
    怒られちゃったんだ」
  • 「じゃあどうすればいいの?」

  • 「もしおばあちゃんがうちの商品を買ってくれれば、僕これからも来れるよ・・」
  • 「じゃあ私が買ってあげるよ」

・・・・ということになります。 
もう完全に「飛んで火に入る夏の虫」ですね。 
それでジワジワとおばあちゃん・おじいちゃんの全財産を搾り取る
わけです。

当時「豊田商事被害者の会」が結成されました。 
私が驚愕したのは騙されたおじいちゃん、おばあちゃんの少なからず
の人が「被害者の会」に参加しなかった事実でした。 
全財産を騙し取られたにも関わらず「私は訴えない」という人もいた
のです。 
 
なぜ訴えないのかというと・・・
「私のところに通って一緒にご飯を食べたり、肩を揉んでくれたり、
親身になって話を聞いてくれたあの営業マンが悪いのではない。 
あの子は上司の命令で仕方なくそうしたのだから・・・あの子は
ホントは優しい子だったから」・・・というわけです。 

どうですか、これが「売るためのセールストーク・技術」の見事な
結果です。 もう究極のセールス法です。 そして本質的にこれと
同じことが大手有名メーカーの営業でも行われています。 
「売るためのセールストーク・技術」と実際の「商品」とは相関関係は
ありません・・・という意味がおわかりでしょうか?

この「売るためのセールストーク・技術」を「癒し・セラピー・ヒーリング」 
に置き換えたのが新世界のやり方です。 これだって実際に「効果の
あった人」にとってはきっと詐欺でないと言い張るでしょうね。 
私は騙されたんじゃない、感謝してる、と。 

すると悪徳の線引きって一体どこにあるんでしょう?

実は、私と私のお客様の関係もこれに非常に近いです。 
というか、お客様のほうから私の本業以外の問い合わせや相談が
とても多いのです。 
膝腰が痛いんだけど・・・猫がいなくなったんだけど・・・親戚にガンの
子がいるんだけど・・・子どもがアトピーで・・・いい大工さんを教えて
・・・緑青って毒なの?・・・大事な薬缶に穴が開いて修復したいんだけど
・・・もうもう千差万別です。 
その都度私は「情報」を探してはお届けしています。 ほとんど無償です。 

なぜこんな「儲からないこと」をやっているんだろう?と思うこともしばしば
です。 ちゃんとお金を取ってよねとお客様からよく言われます。 
でも私は「本業以外」で私のすることに金額をつけられないのです。 
すごい抵抗があります。 
 
これは本質的に私には「金儲けは悪」という気持ちが抜けないから
だと思います。 だから先日のNHKの孔子と子貢の儲けの話なんか
に興味がいくのだろうと思っていますが・・・。 
欲があるのに金儲けに走れない・・・・。 もう自分が嫌になる・・・。 
グチです。 もう。 

いやー見苦しい。 またグジャグジャな終わり方になりそう。 
私はただカッコつけてるだけなのかなあ? きっとそうだ。 

とにかくこのように「悪徳業者に感謝している人」が多いのも事実です。 
私にはどうしようもない。 2~3年前にも社長が某有名演歌歌手の
タニマチで有名な会社が隣町で数ヶ月催眠商法をやっていました。 
そこで一千万円くらい買い物をしたおじいちゃんがいたそうです。 
さすがにその親族が止めさせようとしたら、おじいちゃんは怒って
こう言ったそうです。

  • 「実の子どものお前達なんかより、○○さん(その催眠商法の
    営業マン)のほうがよっぽど親身になってくれる。 それに俺の
    金を俺が使って何が悪い!」


・・・ああ、もう言うことなしです。 その営業マンは凄腕です。 
きっと別の業種に就いても成績をあげるでしょうね。 
もったいない!と思います。 その技術をもっといいことに使えばいいの
にね。 皆さん、どう思いますか?

ということで皆さん、ごきげんよう。 (不快にさせたらごめんなさい。)


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南雲しのぶ

日本人は「義理人情」に弱いですから。
まして「付き合い」を大切にするのでどうしてもこうなってしまうのでしょう。
それよりなにより、報道される被害金額が恐ろしい額じゃないですか。
一人「1千万円」とか簡単に出せるなんて。
by 南雲しのぶ (2007-12-25 08:21) 

toyo

たしかに大企業以外は経営難だといわれるのも事実だと思いますが、意外なことにおじいちゃん、おばあちゃんの持っているお金って、まだまだ相当なものです。今はそのお金を狙って悪徳リフォーム屋が跋扈している現状だと思います。おじいちゃん、おばあちゃんパワーってすごいですよ。逆に言えばこのおじいちゃん、おばあちゃんの世代が消えるとパラサイトもできなくなるのでホントの悲惨な社会になるような気がしてなりません。
コメントありがとうございました。
by toyo (2007-12-25 08:51) 

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