木の腐れ=腐朽について ③ [腐朽菌]
皆さん、こんにちは。
えーと前回の続きを書きます。
といっても正直言って、どういう順序でどういうことを書けばいいのか少し
迷っています。 前回もだいぶ後半が脱線しっぱなしになりましたので・・・。
お伝えしたいのはシロアリ以上に腐朽って怖いですよ、ということなのですが・・・。
で、当たり前ですが腐朽って木に起こりますよね。 だから腐朽菌のことと木のこと
の両方を説明しないとピンとこないですよね。
で、木の性質については案外身近すぎて逆に知らないことが多いのではないかなあ
と思いました。
あっ!また脱線しそうなので今日は①木の性質と②腐朽菌のふたつに絞って
ほんとに必要最小限ですが皆さんに知って欲しいことだけ書いて見ます。
で、早速ですが、初回の内容についてマルコメXさまから頂いた質問に応える
カタチで始めますね。質問の概要はこういうことだと思います。
「木は水分量が多ければ多いほど腐りやすい。 それなのに何故どっぷりと
水に漬ける水中貯木って腐らないの?」
それは腐れの条件のひとつ「酸素が木から押し出されるから・・・」
といっても、いまいちピンとこないと思います。
で、下の図を見てくださいね。
これは木の細胞に水分が染みこむ順序の説明です。
左から順に1・2・3・4・5とします。
- の図は「乾燥状態」です。
- は「水分が細胞壁に染み込んだ状態」
- は「水分が完全に細胞壁に染み込んだ状態」
- は「水分が細胞の空隙(内腔)にまで侵入した状態」
- は「水分が細胞壁と空隙(内腔)にまでに完全に染み込んだ状態」
で、この4の状態のときだけ腐朽が起こります。
なぜって、細胞の空隙(内腔)に空気があるので腐朽菌が繁殖できるからですね。
1・2・3・5の状態では腐れは発生しません。
2・3の状態のときの水分を「結合水」と呼びます。
4の細胞の空隙(内腔)にまで侵入した水を「自由水」と呼びます。
この自由水が木の腐れを起こします。 結合水だけでは腐れは起きません。
で、5の状態が「水中貯木」の状態になります。
5の状態をもっと詳しく図解すると・・・
・・・・こんな感じになります。
ちょっとつまらないですよね。 まあこんな感じで内部から分解が始まる
程度にご理解くださいね。
すっかり教科書的な説明になってしまってやっぱりつまらないですよね。
あ~あ筆力のないのがうらめしい。
ちなみに2と3の状態の水分は「気体」です。
この段階では床下でも壁内でも腐れは起きません。 4の状態の水分は「液体」です。
つまり、私達の暮らしでは「結露」などになります。
結露が木材を芯から腐らせる元凶といえます。
多少の湿気はあってもOKですが、液体の水分=自由水=具体的には結露・・・・
には木材を元から破壊するチカラ(腐朽)があるというふうにお考えくださいね。
結露を甘くみてはいけないということかしら。
おそらく今日は相当に退屈な内容になってしまったと思いますのでこの辺で。
最後まで読んでいただいた皆さん、ご苦労さまでした。 面白くなくてごめんなさい。
腐朽菌については次回にさせてくださいね。
(もっとつまらなくなるかも?)
それでは、ごきげんよう。
☆今ちょうどインテリアコーディネーターの学校で、
木の気乾状態(約15%)だとか、繊維飽和状態(約30%)
とかを習っているところです。
復習にもなり、ありがたいです!
by ijimari (2008-06-26 06:35)
昔、檜のお風呂が直ぐに腐ってきて子いぁっmしなkぅては成らなかった記憶があります。
温泉旅館の檜の浴槽はお湯に浸かりっぱなしなので持つけれども、家庭用は中途半端に乾かすからいけないのでは?と、思い当たりました。
by たいせい (2008-06-26 08:42)
ijimari 様
つまらん内容にまっさきにコメントとnice! をいただけるなんて!
持つべきものはなんとやらです。ありがとうございます!
インテリアコーディネーターの学校でもこういうこと教わるんですか?
だったらijimari 様用にもっと難しくすりゃあ良かったかしら?
ちなみに気乾状態って図では2の状態。繊維飽和状態が3ですね。
勉強家のijimari 様ならもうとっくに御存知ですね。
nice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2008-06-26 08:42)
たいせい 様
中途半端に乾かすからいけないのでは・・・
そうですよね。でもちょっとふつうでは理解しがたい現象ですよね。
nice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2008-06-26 08:46)
一真様
一真様からみればおそらく初歩的な内容だと思います。
いつもnice! ありがとうございます。
by toyo (2008-06-26 08:48)
常に流水のある場所に設置された木製の河川構造物が腐らない理由がやっとわかりました。
ありがとうございます。
by こう (2008-06-26 12:25)
こう 様
こちらこそありがとうございます。
たどたどしく、おまけに説明の順序もいまいちでわかりにくかったのではないかと思います。ああ良かった、という気分です。
ほんとに読んでいただいてありがとうございます。
nice! &コメントお礼申し上げます。
by toyo (2008-06-26 12:41)
仰るとおり、「空気と水」「腐朽菌」は木にとって大敵ですが、もう一つあると思います。それは「カビ」
木材に生えるカビには、シロアリを呼び寄せる働きがあります。
本当に文章にするって難しいですよね。
難しいと言いながらも、よく書いていらっしゃると思います。
腐朽菌に続いてカビも登場する予定だったでしょうか?
先走っちゃいました?
by アキラ (2008-06-26 15:35)
アキラ 様
実は鞭毛菌類や接合菌類、不完全菌類、子のう菌類など、具体的には軟腐朽菌、木材変色菌、表面汚染菌なども言及しようと思いましたが・・・どんどん話が大きくなってしまいそうなので困ってしまいました。
で、今回は担子菌類に絞って、カビは除外することにしました。
というか、書き加えることよりも削ることのほうが難しいと実感しています。
それでなんだか、しどろもどろの内容になっているのに気づかれたと思います。
で、もし出来ましたらカビのほうはアキラ様担当ということで如何でしょう?
アキラ様のほうが私より説得力ある説明ができそうですから。一度お考えいただけませんか?
いつもnice! ありがとうございます。
by toyo (2008-06-26 19:01)
なるほど!理解できました。次回も楽しみにしています
by yanasan (2008-06-26 20:57)
恥ずかしながら、知りませんでした・・・
勉強になります。
僕からの提案としてはアキラさん、toyoさんでの
コラボ記事を希望します!
何よりも勉強になりそうな予感がしますよ!
by plusgate (2008-06-27 00:08)
yanasan 様
そう言っていただけると、なんとか通じたかしら?
と思ってうれしいです。読んでいただいてありがとうございます。
次回の腐朽菌も(なるべくわかりやすく書きますので)是非ご一読くださいね。nice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2008-06-27 08:46)
plusgate 様
ありがとうございます。
私には過分な褒め言葉でなんかくすぐったい気持ちです。
読んでいただいてほんとに嬉しいです。
nice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2008-06-27 08:53)
一気読みしようと、連載が終わるのを待ってましたが、腐朽菌の説明が続くんですね、ワキワク!
ここまでのご解説を、なんとなく理解したつもりでの解釈ですが、腐朽菌というのは水にドップリつかると溺れ死ぬ。けど、空気があって水も飲める場所なら機嫌よく生きるという、菌の癖に環境にうるさい奴なんでしょうか。
まあ、次回!
追伸:あのー。「マルタケX」って、わたしのことでしょうか?
マルコメX
by マルコメX (2008-06-28 11:34)
マルコメX 様
あーっ!
ごめんなさい。マルタケになってましたね。
す、すいません。すぐ直します。
>腐朽菌というのは水にドップリつかると溺れ死ぬ。けど、空気があって水も飲める場所なら機嫌よく生きるという、菌の癖に環境にうるさい奴なんでしょうか。
うまい!
そのとおりです。私もそういうふうに簡潔に書きたかったんですが、あー、
マルコメ様のセンスには脱帽です。あー、くやしい!というか、もー、nice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2008-06-28 23:04)