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人間は物乞いできるほど自由だ。 [インド巡礼]


みなさん、こんにちは。

無事に帰って来れました。
一時は騒然としたシーンに巻き込まれて、危ないこともあった
けどこれについては後で書きます。

で、まだ、頭の中は未整理状態なので、インドでの体験をどう
お話ししたらいいのか混沌としています。

というのは、したり顔でわかったようなことを書いても無意味
だと思うし・・・とても多くの宿題をいただいた気分です。

私は別に住職でもないし仏教にも特に強い関心があったわけ
でもない。 それなのになぜインドへ? というと、インドで自分
が変わるのかしら?・・という漠然とした思いというか期待が
あったからです。

まあ、これはインドに行く方のほとんどがそうだと思いますが。

今回の旅は、お釈迦様が歩いて布教した道のりを、ただ黙々と
後追いしては、そのときどき現地で報恩供養する特殊な旅でした。 
全工程、約900キロの過酷といえば過酷な道のりでした。

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毎日、モーニングコールで午前3時~5時にたたき起こされて
早朝のまだ薄暗い6時頃にはバスで出発。 

で、5~6時間は砂埃の中をひたすら激しく揺れるバスで前進するだけ。
毎日がその繰り返し。 だって、お釈迦様が40何年?かかって布教した
地を、わずか一週間で巡礼しようと言うんですから。正確にはブッダガヤ
とか何箇所かは省かざるを得なかったらしいです。

昼食は、時間の都合でホテルの作ってくれたランチボックスを道路脇
に車を止めてては慌てて食べるだけ。オシッコも道路脇の草むらに
駆け込んではするだけ。 女性の方は大変だったと思います。

で、今回の旅で、泣きそうになったシーンをまず書きます。
うまく書けるかしら・・・ぶつぶつ・・。

ある村のお店の前で、お昼を食べようということになりました。
添乗員の方、曰く。
「ここは車の中でランチボックスをいただきましょう。なぜかというと
外のお店の中に入ってテーブルでいただいてもいいのですが、
そうすると、たちまち物乞いの人がたくさん集まってきて何か起こる
かもしれないからです。それでも外で食べたい方は自由です」


で、数人のお坊さんは、それでもお店の中に入って行きましたが
私は勇気がなかったのでバスの中で食べることにしました。

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で、集まって来ました。 物乞いの少年少女達が・・・。

私はバスの中でランチボックスを食べ始めました。
そして、ふと窓の外を見ると、そこに少女が立っていました。

赤ちゃんを抱いたその少女と眼が会いました。
ああ、・・・もうダメです。

わかっているつもりでした。 
物乞いの子たちに食べ物を与えるのが決して彼等彼女達の
将来にとっていいことではないことは・・・。
でも、瞬間、泣きそうになりました。

食べ物をあげる行為は所詮、自己満足であり私のエゴです。
でも、私は少女達を一瞬でも笑顔にしたかった・・その一瞬の
笑顔が見たかった。 これも私の勝手な願望です。エゴです。

でも、その時はそれでもいいと思った。
もう我慢できない。

で、慌てて、すみせん、私は降りて食べます・・
と、ランチボックスを持ってバスを降りました。 
たちまち子どもたちの手がランチボックスに・・・
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笑ってくれました。 私にとっては天使の笑顔です。
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ありがとう。 私のランチボックスを受け取ってくれて。
(ほんとは強引に奪われた感じですが・笑)

えーっ?次はマネーが欲しいって?
それはダメ。 
じゃあ、その胸のボールペンでもいいって?
わかった、ボールペンは2個あるから1個あげるよ。

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じゃあ写真を撮ってもいい?
OKだって、ありがと。
242 - コピー.jpg

この光景を、お店の食堂の数人の調理人はなぜか暖かく見守って
くれていたようです。
(ああ、少なくとも私の行為を好意的に見てくれているみたい・・
ほっとしました。でもね、私はなんか自分がいやらしく思えました)

でもね、でもね、私はこうしなかったら、きっと間違いなく後で悔やむ
ことになる・・とも思いました。 その時は瞬間的にそう思いました。

まっ、いいか、私のエゴでもね、少女達を一瞬でも笑顔にすることは
できたのだから・・・

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で、彼女たちは私に感謝しているかといえば、実はなあ~んにも感謝
なんかしてくれないのです。 見事にクール(笑)
次の瞬間には私のことなんか完璧に忘れていることでしょう。

彼女達は直接モノをあげる私には感謝をしないんです
私は天地の何か?の代理人にしかすぎないからです。

これは面白い・・この「感謝をしない」ということの意味を後でお坊さん
に教えてもらいました。車の中でも、ホテルに帰ってからも誰かれ構わ
ず住職さんに疑問をぶっつけました。でも、迷惑がらずに実に丁寧に
教えていただきました 。よく理解はできなかったけど(笑)

今回の全国から参加した住職さんはとても真摯な方ばかりでした。 
私の素朴な質問にどなたも真剣に応えてくれます。私にとってはまたと
ない恵まれた機会でした。その内容は長くなるので別の機会に・・。

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とにかく物乞いの少年少女達は、まったく「物乞いできるほどに自由」
なんだと私は思いました。 

これはすごくすごく素敵なことに思えました。
彼等は、自分たちが貧しいとはこれっぽっちも思っていません

う~ん、自分を卑下なんかまったくしないで、悪びれずにストレートに
物乞いできるってことは素敵なこと・・だと思いません?

なあ~んだ、たいしたことないじゃん、
あんたはただ、したたかな子どもたちにいいようにされただけじゃん、
その赤ちゃんだって彼女達にとっては「演出」なんだよ・
・って、
思われるかしら? おそらく裸足も赤ちゃんも「演出」でしょう。
背後に親の指図もあるでしょう。

でも、そんなこと、どーでもいいんです。どーでも。

ヘンなこと書いてるかしら?(笑)
ひとつ教わった気分です。 私のほうが感謝しないと・・。
未消化のまま書いちゃったので、わけがわからなかったかも。
実は、私にもほんとはわかっていないんです(笑)

最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、みなさんにいいことがありますように。合掌。


ジョーク
ピノキオが16才になったところでゲペットは父親としての
責任を感じる;
「女の子に興味をおぼえる年頃だし、セックスのイロハを
 手ほどきせねばならんのう。」


会話の場を設けた父親は、女性というもの、その扱い方に関する
解説を息子に施こした。


熱心に耳を傾けたピノキオは親の見解が正しいかどうか試して
みたくなる。


頃合を見計らって息子にサグリをいれるゲペット;
「女の子たちとはうまく行っているかい?」


ピノキオ;「上々ですよ。でも、自分は気持ちいいんだけど、
 どの娘もトゲトゲしているって言うね。」


父親のアドバイス;
「おやマア。サンドペーパーでスベスベにしておかなければあかんぞ。」


しばらくして、結果が気になるゲペット;
「女の子たちとはうまく行っているかい?」


ピノキオ;
「サンドペーパーを使い始めたら、女の子なんか要らないでしょう?!?」



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わ~い、お茶

こんにちは、そういえばお布施(布施)と言うのはする方は「してやった」と言う気持ちを持たない事と受ける側も「もっと欲しい」との貪る気持ちで受けてはならない、と仏教では説いています。貰う(受ける)側が貪ろうと演出だろうとクールだろうと目が合った瞬間車を出て行ったと言う事ですが、私は凄いと思うと同時にとても尊い事だと思いました。(年上の方に
上から物を言ってしまい申し訳ありません。)
by わ~い、お茶 (2012-03-02 17:32) 

楽しく生きよう

考えさせられました。今すぐに感想を言える状態ではありません。
少し考えてみます。
by 楽しく生きよう (2012-03-02 18:57) 

とる子

インドには行った事がありませんが、やはり物乞いされるのはツライな....。トルコでも普通に電車や人通りの多い場所で小さい子供を抱えていたり、無くなった右腕の切断面を見せてお金をせがまれたりします。ヨーロッパにも沢山いますよね、物乞いが仕事の人達。
トルコではというか、一部のイスラム教徒の中には、金持ちに徳を積ませてやってるんだから、金をよこせ。といって働かない人達がいるのは困ったものです。
by とる子 (2012-03-03 09:19) 

心如

 物を所有するってなんでしょうか? 物に持ち主がいると考えるのは人間の勝手な思い込みかも知れません。私が持っている物を、私の物だと思っているのは、私の勝手な思い込みだとしたら…
 そういう勝手な思い込みに縛られていない人は、それだけ自由なのかも知れませんね。
by 心如 (2012-03-03 12:18) 

toyo

わ~い、お茶 様

とんでもないです。
私はただ「情に流されただけ」で、たいしたことは何もしていません。もし、もう一度、行くことになったら、飴玉かなにかを沢山持って行って配ったほうがいいかなあ~なんて思っています。
そのほうが無難な気がしています。いずれにせよ、彼等はすごくたくましいと思っています。
駄文に真剣にお付き合いいただいて恐縮しています。
どうか、わ~い、お茶 様にいいことがありますように。
ありがとうございました。
by toyo (2012-03-05 08:53) 

toyo

楽しく生きよう 様

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
私自身がよくわからないことをわからないままに書いたので
深読みしないでくださいね(笑)
ほんとに未だに整理がつかないことだらけなんです。
どうか、楽しく生きよう様にもいいことがありますように。
ありがとうございます。
by toyo (2012-03-05 08:56) 

toyo

とる子 様

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
なるほど・・と思いました。
私は物乞いされた経験は初めてだったので、とても戸惑いましたが、冷静に考えると、とる子様のおっしゃるとおりだと思います。
物乞いが仕事・・というのは辛いでしょうが、物乞いされる方も
辛いですよね。こっちも金持ちじゃあないんだし。
物乞いに応じることは決して彼等のためにはならないですよね。
とはいっても・・ほんとに世界には多様な人がいるんだなあ~と思いました。もう絶望的に多様な人達が・・・。
私にとってはとても参考になるコメントでした。どうやら私がナイーブ過ぎた気がしています(笑)
ほんとうにありがとうございました。
どうか、とる子様にいいことがありますように。

by toyo (2012-03-05 09:04) 

toyo

心如 様

深いコメントをありがとうございます。
>そういう勝手な思い込みに縛られていない人は、それだけ自由なのかも知れませんね。
たしかにおっしゃるとおりだと思います。そういう見方をすると、とても自分が不自由な人間に思えます。いや、自分が不自由だからこそ彼らが眩しく見えるのかもしれません。所有欲が執着の始まりなのかもなのかもしれません。かといって、今の日本で所有しなければ生きてゆけそうもないし・・いや、生きて行けるのかしら?とかいろいろ考えさせられてしまいます。
いつも意味深いコメントをありがとうございます。
どうか、心如様にもいいことがありますように。
by toyo (2012-03-05 09:12) 

なまけもの

日本の子どもたちは同じこと、できないだろうなぁって思います・・・
ひねくれてないですよね。
日本人なら卑下したり、劣等感を抱いたり、ひねくれてそうです・・・

by なまけもの (2012-03-06 18:45) 

toyo

なまけもの様

私もまったく同じ事を考えました。
子どもたちだけでなく、大人の私がもし物乞いをせざるを得ない状況に投げ込まれたら、きっと、ものすごく恥ずかしく、屈辱的などうしようもない思いに囚われて、相当いじけた人間になっちゃうだろうなあ~と思いました。
だから、その屈託の無い明るさにすごくビックリさせられました。まあ、背景には長いカースト制があるのかも知れませんが、どうなんでしょうねえ。ほんとのことはわからないですが。

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、なまけもの様にもいいことがありますように。
by toyo (2012-03-06 23:33) 

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