SSブログ

お釈迦様と猫 [インド巡礼]


みなさん、こんにちは。

インドへ行って2日目くらいに気づきました。
猫の姿を一匹も見かけないことに。
牛や羊や犬はよく見かけるのに。 なぜなんだろう?

・・・・と思って、帰ってきたら、ねりね様からのコメントで
「インドのお寺で猫がどう扱われているか見てきてください」
と、あったので、ああ同じことを考えている方がいたんだと、
なんだか嬉しくなりました。私もインドの猫に興味があったから。


で、インドに着いて3日目くらいに某住職さんがバスの中で・・・
「インドに来てから、猫を見かけた人は誰かいますか?」と、
皆さんに
聞かれたのですが、不思議なことに全員がNO。

お寺でも、街中でも誰一人、猫を見ていないのです。

で、その住職さんの話・・
涅槃図(お釈迦様が亡くなるときの様子を描いた図)には、いろんな
動物たちが描かれているのに、猫だけは描かれていないそうです。

02_syorinji_1280.jpg

その理由は・・

  1. 木の枝に吊るされた薬を、お釈迦様のためにネズミが取ろう
    とした。そのネズミを猫が食べたので諸人の顰蹙を買った。

  2. お釈迦様の危篤を最初に知ったのは牛だった。
    牛は、ネズミを誘い、頭にネズミを乗っけて駆けつけた。
    途中で猫が昼寝をしていたが、ネズミは猫が嫌いだったので
    声をかけなかった。そのせいで猫はお釈迦さまに叱られた。
    以来、猫はネズミを憎むようになった。

    (また、クシナガラに着いた途端、ネズミは牛の頭から飛び降りて
    クシナガラに着いた順番はネズミが一番、牛が二番ということに
    なって、この順番が 子丑寅・・という十二支の順番になった)

  3. インドの人は猫が嫌いらしい。その理由は鳴き声が赤子に似て
    いるから。(う~ん、これは初めて聞きました)
・・ということですが、その住職さんも真相はわからないそうです。

「いや、数少ないけど日本の涅槃図に猫が描かれているのは
ありますよ」
と、別の住職さんがおっしゃっていました。

どうも、猫が嫌われているというのは根拠のない俗説(主に江戸時代に
多くの釈迦伝説が作られた)・・・と考えていいようです。どう考えても、
お釈迦様が猫を差別することは考えられないし、現地の牛や犬や猿の
様子を見ても、猫が特に嫌われている・・とは到底思えません。

個人的にはたぶん、北インドは猫の生息には不向きな要因(天候など)
があるのでは?と推測しています。 ネットで調べたら海岸地方には
ふつうにいるようですから。

というわけで、猫の写真を撮りたかったけど、北インドでは一度も遭遇
しなかったので、代わりに牛と羊と犬と猿で我慢してくださいね。

283.jpg

街中にはいたるところに牛がいました。
人間と完全に共存というか同化している雰囲気です。

285.jpg

しかし、インドの人はゴミを掃除しようという気持ちはまったく
ないようです。いたるところゴミだらけ・・。 これは感心しません。

現地ガイド(インド人)の話では、インド人の平均寿命はなんと
57歳だそうです。すっごい短いですね。 衛生環境が悪いせい
だと思います。

286.jpg

聞いてはいたけど、白昼堂々と野良牛が闊歩しているのにはびっくり
しました。

282.jpg

羊もふつうに歩いています。誰も気にしません。
773.jpg

道路脇には、このように牛がごろごろいました。
823.jpg

お猿さんは近づくとちょっと警戒する雰囲気が・・・。
903.jpg

下の写真の犬は死んでいるのではありません。
お昼寝しているだけ。
783.jpg

これもそう。白昼堂々と人ごみの中でもお昼寝です。
1491.jpg

まあ、なんと熟睡しています。
1490.jpg

インドで見かけた牛や犬は、みんな実にほのぼのとした
雰囲気で、吠えている犬などは皆無でした。動物たちに
とっては天国かも。 

・・・ということで終わります。1000枚くらい写真を撮って
きたので、興味深いモノを順次紹介しますね。

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか、みなさんにいいことがありますように。合掌。


ジョーク
動物園のトラの檻の前で親子が二人で見物。 
若い父親は坊やに向かってトラの獰猛さと恐ろしさを説明していた。 
まだスレていない坊やはマジメに聞く。


とはいえ坊やにも心配事が胸を過ぎった;
「お父ちゃん、もしトラが檻から出て、お父ちゃんを食べちゃったら・・・」


息子から質問が発せられるなんて理想的な親子の会話、その先を聞こう;
「ほいきた、それで?」


坊やのトドメ;
「ボクはどのバスでおうちに帰ればいいの?」




nice!(41)  コメント(20)  トラックバック(0) 

nice! 41

コメント 20

わ~い、お茶

おはようございます。猫は確かインドの法典「マヌ法典」に干支の歳としてあり、「怠惰」とか「卑怯」とかの性格を持った人である、規定されていますので多分このせいもあるのかなと思っています。サルは「マハーバーラタ」で魔王シータにさらわれた姫を助けたのが猿の姿の神ハヌマーン神でした。そのため以前インドの区役所に猿が大群で押し寄せ占拠した時は神の使いだから麻酔銃等が使えず追い払うのに大変苦労したとの記事が新聞に載っていました。
by わ~い、お茶 (2012-03-04 11:35) 

楽しく生きよう

他の国からすると日本に対して不思議がるものたくさんあるのでしょうが、私からするとインドって不思議な国です。
お釈迦様に対する考えも日本はインドよりも遠いわけで、解釈が違ってきていることがあるかもしれない。

by 楽しく生きよう (2012-03-04 13:50) 

hisa

確かにインドでは猫を飼う習慣はあまりありませんが、港町に行けばたくさんいますよ。
猫は農耕や狩りや門番などに役立たないので、猫を大切にするのは、エジプトのように神聖視している人たち、ネズミを退治したい人たち、愛玩動物を飼う余裕がある人たち等に限られちゃうんです。
それと、牛を神聖なものとしているのはヒンドゥー教ですから、仏教の涅槃図とは関係ありませんね。

by hisa (2012-03-04 16:25) 

sugar

以前、私の会社にインドの方が実習に来たことが
ありましたが、非常に頭の良い人だったと記憶しています

歓迎会を居酒屋でやったのですが、運ばれてきた
料理について食材を全部聞いてから食べてましたね

日本の常識と世界の常識は違うという事なんだと
思います
by sugar (2012-03-04 22:37) 

yanasan

多数の動物が街中に居るのですね。 ところでインドにもシロアリはいるのでしょうか?
by yanasan (2012-03-04 22:37) 

ねりね

『最初の一匹』が到来していないのか、
『最後の一匹』が死んで絶えたのか。
謎が深まります。ま、どーでもいーですね(笑)
レポートありがとうございます、ひとつ物を知りました。
犬の無防備さも凄い、いじめるひとがいないのだろうなあ。
(動くと腹がへるから寝てるのかも)

猫のこととは関係ないけど、インドばなしで興味がわいたこと。
「グッド・ヘアー」という映画。
いまのアメリカ黒人女性の髪はなぜストレートなのか?
予告編
http://www.youtube.com/watch?v=CApcDoWZFho
映画の解説(ラジオで映画評論家 町山智浩が話していたもの)
http://podcast.tbsradio.jp/kirakira/files/20100219_machiyama.mp3
暇があったら聴いてみてください。
インドのお寺と黒いストレートヘアの関係が・・・オカネだ麻薬だ。
by ねりね (2012-03-05 01:37) 

toyo

わ~い、お茶様

丁寧な説明をほんとうにありがとうございます。
「マヌ法典」とは・・学生時代にかすかにそんなのがあったなあ~くらいの知識しかない私には恥ずかしい限りです。慌てて調べてみようと思います。マヌ法典の影響力ってかなり広範囲に染み渡っているみたいですから、きっとそのせいもあるのかもしれませんね。ほんとうに私にとっては貴重な情報です。心からお礼申し上げます。どうか、わ~い、お茶様にもいいことがありますように。ありがとうございました。
by toyo (2012-03-05 09:18) 

toyo

楽しく生きよう 様

>お釈迦様に対する考えも日本はインドよりも遠いわけで、解釈が違ってきていることがあるかもしれない。

そのとおりだと思います。仏教は中国、韓国を経由して日本に来たみたいですから本家の教えがそのまま伝わっていることはないんでしょうね。なんでも・・正確に調べたわけではないですが・・
スリランカ(昔のセイロン島)にはお釈迦様が直接、布教したらしいのでもっとも純粋な仏教が伝わっているらしい・・とかいう話を聞きました。今回の巡礼でもスリランカと韓国の巡礼団と度々遭遇しました。きっと、彼等のほうが仏教の真髄を理解しているのかもしれないなあ~と思いました。まだまだ、私はなんにも知らないので恥ずかしいです。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、楽しく生きよう様にいいことがありますように。

by toyo (2012-03-05 09:26) 

toyo

hisa 様

>猫は農耕や狩りや門番などに役立たないので、猫を大切にするのは、エジプトのように神聖視している人たち、ネズミを退治したい人たち、愛玩動物を飼う余裕がある人たち等に限られちゃうんです。

そうだったんですか!
ほんとうにありがとうございます。疑問が氷解しました。

インドではネズミはその繁殖力から豊かさの象徴みたいに好意的に思われている・・ような意味のことを聞きましたが、ほんとに世界には多様な価値観があるんだなあ~と思いました。
また、インドはヒンドゥー教国で、仏教国ではないのをつい忘れて
ヒンドゥー教の寺院まで仏教の寺院と思って写真に撮ってしまいました(笑)自分の無学さが恥ずかしいです。
猫の問題についてはさっそく住職さんに教えてきます。
喜ぶと思います。ほんとうに心からお礼申し上げます。
そして、こんな拙い記事にお付き合いいただいて感謝しています。どうかhisa 様にいいことがありますように。

by toyo (2012-03-05 09:40) 

toyo

sugar 様

ほんとですね。私も今回の現地ガイドさんの話し方を聞いて、頭がいいなあ~と思いました。日本に来たことがないのに日本語がお上手なんですよね。しかも仏教のかなりのことまでたどたどしいけど、ポイントを突いた説明をしてくださるのでビックリしました。また、したたかな商売人の面もしっかり持ち合わせているのでほんとうに感心しました。

>日本の常識と世界の常識は違うという事なんだと思います

これもほんとにホントですね。
私が今回、一番学んだことといえば、まさにそれです。
頭ではわかっていても実際に異国の人や文化に触れるとヒリヒリするような感覚でそれを実感します。理解し合うってほんとうに難しい・・と今さらながら思います。

いつもコメントをありがとうございます。
どうかsugar 様にいいことがありますように。
ありがとうございました。
by toyo (2012-03-05 09:49) 

toyo

yanasan 様

実は、私も今回は隠れたテーマで「インドのシロアリ事情」を知りたかったのですが残念ながら収穫はゼロでした。そもそも木造建築が皆無なんですよね。シロアリもいるはずですがついに発見できませんでした。残念です。これは記事にしようと思っています。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
yanasan 様にもいいことがありますように。
by toyo (2012-03-05 09:53) 

toyo

ねりね様

>犬の無防備さも凄い、いじめるひとがいないのだろうなあ。
(動くと腹がへるから寝てるのかも)

正解だと思います。いじめる人がいないのもそうでしょうが、
たぶん、腹が減るから寝てばかりなんでしょうね。太っている犬は見かけなかったし、汚いので病気持ちがいるかもしれないので触らないように、とガイドさんが言っていました。

ところで、「グッド・ヘアー」という映画、教えていただいてありがとうございます。なるほどねえ、インドのお寺も関わっていたんですねえ。というか、黒人女性はなぜアフロヘアに劣等感をもつのかなあ~?と思いました。芸能界のスターの影響かしら?それとも潜在的に差別意識が残っているのかなあ~?
かと思えば、それで億万長者なんてのもいるんですねえ。しかも同じ黒人なのに。まあ、それが世の中なんでしょうねえ。

インドで困ったのは物乞いの人の多さです。どこに行っても地から湧いてくるように接近してくるんですよね。最初は相手をしていたけど、しまいにはこっちが疲れました。片手片足がないおばあちゃんなどに物乞いされると困ってしまう。まあ、これも世の中なんでしょうが。私がものを知らなかった・・というだけのことだと思っています。世界レベルでは日本人ももっとずるくならないと・・なんて・・悟りとは正反対のことなど考えてしまいました(笑)

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、ねりね様にもいいことがありますように。

by toyo (2012-03-05 11:46) 

ぼんぼちぼちぼち

インドリポート 興味深く拝読しやした。
ノラ牛にノラ羊・・・さすが混沌の国でやすw(◎o◎)w
by ぼんぼちぼちぼち (2012-03-05 17:35) 

福智山

土産話を有難うございました。

知人でインドのことを少しかじった人が、インドって
理解不能な社会だ、と言ってました。
(複雑だということを極端に言ったのでしょう。)

今回のお話は、まったく知らないことばかりでした。

インドの人から見たら、日本もずいぶん
変わった国とみえるのでしょうね。
by 福智山 (2012-03-05 20:47) 

オシエル

10年近くに前に、インド人と一緒に仕事をしたことがあります。
当時このことを知っていたら、聞いてみたかったです。

by オシエル (2012-03-05 20:55) 

suzuran

私も五月ぐらいにインドに行こうと思っていますが、
インドには知り合いが全くいない上に、独り歩きは
ちょっと不安な雰囲気なので、行き先を変えようかと
考えています。
by suzuran (2012-03-06 22:59) 

toyo

ぼんぼちぼちぼち 様

おっしゃるように混沌の国ですよね。
私も駆け足で北インドを見てきただけなので、ほんとは何も分かってはいないのだと思っています。なんか、日本の昔のくらしと
似ている面もあるような気がしますが・・。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、ぼんぼちぼちぼち 様にもいいことがありますように。
by toyo (2012-03-07 08:25) 

toyo

福智山様

同感です。ほんとにわからない事だらけです。
州ごとに言語も違うようですから尚更わかりにくいのかも
知れないですね。でも、なんで惹かれてしまうのかしら?
と思っています。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、福智山様にもいいことがありますように。
by toyo (2012-03-07 08:28) 

toyo

オシエル 様

コメントありがとうございます。
わからないことだらけのインドですが、でもみなさん、感じの良い人ばかりでした。機会があったら直接、いろんなことを聞いてみたいです。もっとも言語も多様なので難しいでしょうね。
やっぱり英語なんでしょうかね?
お付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、オシエル 様にもいいことがありますように。
by toyo (2012-03-07 08:33) 

toyo

suzuran 様

参考までに・・・
現地ガイドさんの話では、インドの気候は・・
酷暑期(4~5月)
雨期(6~10月)
乾期(11~3月)・・だそうです。
4~5月は40℃以上のモーレツな暑さになるそうですから
キツいかもしれないです。
11月~3月が20℃台で一番、過ごしやすいので今回、
日程を組んだそうです。それでも蚊がいました。
また、サングラスも必要なほど眩しい時もありました。

ニューデリーはそんなに危険じゃないと思いますが、
オールドデリーのほうはスラム化しているので素人は
立ち入らないほうが無難・・とガイドさんが言っていました。

興味深い国ではあるんですが言葉がまったく通じないので
困りました。噂では麻薬なんかも出まわっているらしいし
・・隣国からの人さらい・・臓器も狙われるかもしれないと
いう話も聞きました。私も、また行くことがあっても現地ガイド
さんを確保すると思います。以上、参考にしてくださいね。

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
suzuran 様にもいいことがありますように。

by toyo (2012-03-07 08:55) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。