SSブログ

ある奥様の神秘体験と闇 [インド巡礼]


みなさん、こんにちは。

これは私自身が感じたことではないので、うまく書けませんが
今回、一緒に行かれたご夫婦の奥様が妙なことを言っていま
した。

それは、祇園精舎で夜の供養(灯明供養)をしたときのこと。
真っ暗な中での供養のためのローソクだけが唯一の明り。 
ほんとに漆黒の闇・・という感じです。 

404.jpg
 
394.jpg

日本なら、どんなに暗くても街頭の灯りとか、遠くのコンビニの
灯りとか、なにがしらの灯りがあって、もう「闇」を探すことも
無理な気がしますがインドには、まだそこここに「闇」の空間
が残っている・・そんな印象を強くもちました。

409.jpg
(白い衣装の人たちはスリランカからの巡礼団です。
 
スリランカには最も純粋な形で仏教が伝わっている
 ・・と、聞きました。熱心な仏教徒が多いそうです。)


406.jpg

考えてみれば「闇」を駆逐することに私たちは一生懸命だった
ような気もします。 それって、いいことでだけでもないような気
がします。

脱線しますが、「墓場の鬼太郎」の初期の漫画にはその「闇」
感じが色濃くありましたが、鬼太郎が有名になるにつれて
無くなって、というか、鬼太郎もありふれたスーパーーヒーロー
になり下がり、唯一、ネズミ男の狡さだけは健在で・・すっかり
脱色されてつまらなくなった・・と個人的には思っています。

漆黒の闇だからこそ、そこからいろんなユニークな妖怪や神が
生まれてきたのかも。 LEDの明りからは妖怪や神は生まれて
こないでしょうね。 この最新の科学技術による光もまた妖怪や
目に見えない諸々の神を駆逐する役割を果たしたのかもしれないな。

396.jpg
(闇の中で上弦の月だけがハッキリと光って、そのとき鳥が
 バサバサと梢の間を飛ぶ音が妙に印象的でした)


・・と、すっかり脱線してしまいました。

で、くだんの奥様の言うことには・・漆黒の闇の中にいたとき
妙な経験をしたとおっしゃるのです。 
「天地もなく」(方向感覚が完全になくなったということ?)
自分が「宙に浮いているような感覚」に陥った。

で、そのとき
「何か大きな力に優しく包み込まれているような
感じ」
がした、・・とおっしゃるのです。 

この「大きな力に包まれている感じ」とは? 単なるモワモワ
とした気分や錯覚ではなくてリアルにそれを「感じ」られたよう
なのです。 本人も不思議がっていました。

419.jpg

397.jpg

400.jpg

そういえば、あるお坊さんが「この地にはお釈迦様の力が
まだ残っています」
・・という意味のようなことを言っていました。
確かに、ここには紀元前の闇がまだ残っている・・・とは感じ
ましたが、それ以上は私は何も感じませんでした。

ある本で「気の」先生が、「気は実在の力」であり、その空間に
「残る」もの・・と書いていた言葉を思い出しました。

すると、この奥様は、紀元前の闇の中で、
お釈迦様の気を
感じたのかしら?

417.jpg

423.jpg

で、私はといえば、なあ~んにも感じませんでした(笑)

ただ、あまりに真っ暗で「物の怪」でも潜んでいそうで怖いなあ・・
くらいでした。 それに昼間に来たときは、お猿さんもいっぱい
いましたから・・そのときだって暗闇にお猿さんもいたはずです。

う~ん、子どもの頃の墓場までの「肝試し」みたいな怖さでしょうか。
肝試しなんて・・おー、すっかりレベルが落ちてしまった。
まあ私は不信心者ですから大目にみてね(笑)

この漆黒の闇・・ここからいろんな妖怪・あまたの神様が出現
したように個人的には思います。 神の由来は「闇」を母胎とした
人間の想像力の産物・・なんて言ったら、不信心な発言かも。 
でも、「闇」はとてもとても大事な気がします。

408.jpg

407.jpg

闇を畏れるということは自然を畏れる・・ことでもあり、人間が
如何に小さな存在であるかを思い出させ、同時に限りなく自由な
存在になりうるかもしれないことを予感させてくれる・・・
とかなんとか、殊勝な気分にさせてくれるからです。

稀に停電になってローソクの光で過ごした時間って案外、充実
していません? 
LEDの灯りもいいけど、時にはローソクの灯りの時間も絶対、
必要だと思うのです。 みなさんはどう思われますか?
・・・ぶつぶつ。

・・ほんとは、私はその奥様の神秘体験が羨ましかった・・ぶつぶつ。

ということで終わります。
最後まで駄文にお付き合いいただいて心から感謝します。
どうか皆様にいいことがありますように。 合掌。


ジョーク
パリの古美術商が掘り出し物はないかと田舎まわりをしていた。
彼は地方の古物商だけでなく、卵を買うという口実で農家にも
立ち寄り、横目で古い家具・調度品などを物色した。


ある日、ある農家で彼は大変なものを見つけた。中世の茶碗で
ある。めったにないもので、彼は思わず息をのんだ。
どうやら猫のミルク茶碗に使っているらしかった。


彼はぐっと落ち着こうとしながら、何気ないふりをして男に
言った。

「かわいい猫ですね。息子への土産にしたいんだが、売って
 くれませんかね?」

「いいですよ」と、男は言った。

古美術商は金を払って猫を抱くと、さっそくきりだした。

「ところで、あの古い茶碗も一緒にいただけませんか?
 猫ちゃんも慣れているのがいいでしょうから……」

「いや、そいつはダメだ。あの茶碗のおかげで、わしは先日から
 もう12匹も猫を売ったんだからね」



nice!(38)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

nice! 38

コメント 10

わ~い、お茶

こんにちは。闇と言うと「心の闇」とか「闇献金」とか悪いイメージばかりですが、実はそういったイメージではありません。仏教で夜と言うのは大黒天の支配
する時間で静寂に包まれて休むときでもありますし、
キリスト教でも道教でも闇より神は生まれたと言う事なので正に闇こそは万物の根源になるのですが、周りが何も闇の中では見えない為に何かを隠すには丁度良い、と言う事になって多分そこから悪いイメージが出来たのだろうと思います。私は何でもかんでも闇(影)を排除すべきではないと思っています。闇はよく神秘的と言われるように人が入ってはならない神仏の領域なのだと思います。そういった意味ではイスラム教のブルカが黒いのは理に適っていると思います。
by わ~い、お茶 (2012-03-11 12:20) 

toyo

わ~い、お茶 様

またまた貴重なことを教えていただいて感謝、感謝です。
ほんとうにお礼申し上げます。

>仏教で夜と言うのは大黒天の支配する時間で静寂に包まれて休むときでもありますし、
>キリスト教でも道教でも闇より神は生まれたと言う事なので正に闇こそは万物の根源になるのですが、
>闇はよく神秘的と言われるように人が入ってはならない神仏の領域なのだと思います。

知識はなくてもストレートに素直にどれも納得します。
また勉強になりました。もしかして、わ~い、お茶 様は高名な
宗教関係の方かしら?なんて想像しています。

また「イスラム教のブルカが黒いのは理に適っていると・・」についても新発見でした。何人かそのような女性を見かけましたが、
とっても鮮やかな?黒いブルカで印象的でした。

脱線しますが、すごい美人が多い国だなあ~とも思いました。
つけまつげとかマスカラをしなくても美人が多いですね。
あー、俗っぽくなってごめんなさい(笑)

どうか、わ~い、お茶 様にいいことがありますように。
ありがとうございます。
by toyo (2012-03-11 13:43) 

ねりね

今日のジョークは落語『猫の皿』と同じですね。
落語も外国のジョーク集あらのぱくり(とは言わないだろうけど)が普通にあるとか。
このジョークはフランスでも日本でも猫が人間と一緒に暮らしているから成り立つ話しですね。

古今亭志ん生のマクラで、『漆黒』を「暗闇にヘタをつけたような茄子」というのがあって、色の良い茄子を見るたびに思い出して嬉しくなります。うまいこと言うよなあ、と。

ろうそくの明かり無しでも『漆黒の闇』を感じられるものなのでしょうかね?
眼の見えないひとは常に漆黒を感じているのだろうか?

と、またもくだらないチラシ裏を記してしまいました。
by ねりね (2012-03-12 00:50) 

toyo

ねりね様

いつも気の利いた洒落たコメントをありがとうございます。

私は無学なのでネットで見つけたジョークをテキトーに
選んでコピーしてるだけですが「猫の皿」も「「暗闇にヘタを
つけたような茄子」・・というのも知りませんでした。
勉強になります。というか、自分の無学文盲が恥ずかしい
です。

>ろうそくの明かり無しでも『漆黒の闇』を感じられるもの
なのでしょうかね?
眼の見えないひとは常に漆黒を感じているのだろうか?

たぶん、無理な気がします。いや、どうなんだろう?
ほんとに足元も見えないような真っ黒な闇・・はもうないのかも
知れないですね。なんとなくそう思います。
でも、子供の頃はいっぱいあったような気もしませんか?

中世のヨーロッパを舞台にした童話などの「森」もそういう
感じだったのかなあ~と勝手に想像してしまいます。
「森」、「闇」、「異世界への入り口」・・とかなんとか、
まあ、どーでもいいといえばどーでもいいことですが(笑)

いつも駄文に関わらずお付き合いいただいて感謝しています。どうか、ねりね様にいいことがありますように。

by toyo (2012-03-12 09:42) 

なまけもの

不思議体験ですね。
私は鈍感なんで同じところに立ったとしてもその奥様のような感覚は体験できないだろうなぁ・・・
by なまけもの (2012-03-12 09:50) 

ねりね

ドイツのシュバルツバルト(黒い"暗黒の"森という意味らしい)は、原生林を燃料に使うために切り倒したあとに植林で作ったものだそうで、熱帯雨林とちがって昆虫などの生き物が少なく、森に入っても虫の鳴き声が聞こえないのだとか。(熱帯とは気候がちがうからじゃないかという気もするけど)

ヘンゼルとグレーテルが口減らしのために捨てられたのが『暗黒の森』なのかどうかはしらないけど、あの話しは大人が捨てた子どもが、きっと暗黒の森でお菓子の家を見つけて幸せに暮らしているのだ、これでよかったのだという大人の詭弁を感じます。
賽の河原で、子どもが親の供養のために石を積むというのも、口減らしのために子どもを死なせたことを怖がっている大人の詭弁なのじゃないかなあ。
グスコーブドリの伝記では、最初のところで飢饉のために両親が森へ出て行くことで口減らしをするわけだけど、これも同じことに思えます。(子どもだけが森に残されたって結果は同じだ)

森・闇・異世界への入り口・貧困、そんな連想でチラシ裏をキメてみました。

NHK夜9時のニュース、番組の最後に明るく照らし出された渋谷駅前のスクランブル交差点が映りますが、あのあたりは六本木や原宿と並んで『心の闇』を抱えたひとが歩いてますよ~
あたしもその一人。(笑)

テレビで夜の街が明るく映るようになったのは、街を照らす明かりが増えたことよりも、カメラの性能を上げることで『暗かったところ』も映し出すようになったからじゃないかなあ。
闇を照らしたのか闇を映し出しのか、結果は同じでもちょとちがう、ような気がする。
(いやぁ~、チラシ裏が快調だわ)
by ねりね (2012-03-13 00:31) 

toyo

ねりね様

またもや面白いコメントをありがとうございます。
とても楽しませて頂きました。
なるほどねえ、ほんとに快調で面白いです。う~ん。

実は、さっきまでねりね様のコメントに触発されて
いくつかの童話を漁っていたら、はずみでついつい
カニバリズムなどを調べてしまいました。

なんかうまく言えませんが人間て、しょうもない生き物だなあ~
とかなんとか・・それにしても童話って中身が濃いですねえ。
いくらでも裏読みができそうです。でも裏読みもまた楽しいというか脱力してしまいそうな気分になりました。
あー、何を書いているんだかわからなくなってきた(笑)

脱線しますが、偶然見つけた下記のヘンゼルとグレーテルの
ラストが妙に面白かったです。このラストの・・ 

「いいじゃない、これはこれで面白いわ」グレーテルは水面に映った自分の姿に向かって、挑むようにニヤリと笑った。

これってサイトの作者の創作なのかしら?
http://www.furuta.com/gallery/story/hansel/g_hanselstory4.html

また脱線しますが・・ヘンゼルとグレーテルが・・
特にドイツ圏では『魔笛』と上演回数上位を争う人気オペラである。・・なんてのも知りませんでした。

あー、支離滅裂ですみません。
どうやら、ねりね様の毒気に当てられたようです(笑)
素敵なコメントをありがとうございました。
てんでうまく言えなくてごめんなさい。
by toyo (2012-03-13 22:16) 

ねりね

いやぁ、このヘンゼルとグレーテルの脚色は面白いですね。
ラストはアニメにありそうなというか、アニメ版で作られそうな・・

かまどから出た腕に掴まれて恐怖で叫び声を上げるあたりは「キャリー」という映画のラストシーンを思い浮かべますね。
この(脚色した)作者もキャリーを見ているのだろうなあ。

「悪魔の毒々モンスター」というお馬鹿映画が面白くて好きなのですが(続編で東京を舞台にしているのもある)、これのパロディを創作してるひとがいて(実際に映画は無いです)、読んでいて笑ったです。オリジナルの方を見ていて面白がるひとでないとなんで面白いのかわからないだろうけど。(面白いと感じるのが異常なのかも)
ご紹介のヘンゼルとグレーテルは面白いのだけれど、お馬鹿味が無いのがあたし好みでない。宮崎アニメはマジすぎて好みでないです。

「悪魔の毒々ゲイシャ」
http://www1.kcn.ne.jp/~pop/phonymovie/pmt010.html
by ねりね (2012-03-14 00:50) 

toyo

なまけもの 様

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
私も同じです。その奥様は特別霊感が強いということは
ないそうです。もしかしたら、そのときのコンディションも
関係してるのかもしれませんね。
ちょっと羨ましいですが、こればっかりはどーにもならないし。

ちなみに私の知っている「霊感の強い人」はなぜか体調が
良くない人が多いような気がします。一説によると、エネルギー
が何かに吸い取られて、疲れるらしいです。
そう思うと霊感がないほうがいいのかも・・とか考えてしまいます。

コメントありがとうございました。
どうか、なまけもの様がいつもハッピーでありますように。
by toyo (2012-03-14 21:15) 

toyo

ねりね様

またまたまた、コメントをありがとうございます。
悪魔の毒毒・・で、調べてみたらたくさんあるんですねえ。
前に一本くらいは見ているのかもしれないですが、こういうのは
それなりの知識がないと・・というか元ネタを知らないと
抱腹絶倒というわけにはいかないんだろうなあ~と思いました。

ここ数年、映画館には行ってないし、ほとんどWOWOWで
用を済ませているんですが、ロメオとかいうB級ゾンビホラー
映画を最近やっていました。ゾンビランド?だったかしら?
それなりに楽しめましたが、やっぱりいまいちピタッとこない。
あの乾いた感覚は嫌いじゃあないけど、やっぱり肉食文化の
味というか稲作民族には・・いや、私にはピンとこない。

スウエーデン映画で「僕のエリ・200歳の少女」というのが
最近では面白かったです。といってもストーリーはありふれた
吸血鬼モノでしたが。フインランドや北欧の映画はまた独特の
味がして新鮮・・というだけのことでしょうが。

私にとってはB級というと「シェ-ン」とか西部劇を連想します。
ホラー系のB級も面白いけど、けっこうマニヤックな面白さだと
思うので、なんというか、ねじれた感性?がないと楽しめないのかなあ~・・なんてあれこれ思ってしまいます。

おっしゃるように宮崎アニメは私も物足りないです。
よい子のアニメみたいで、それにメッセージなんていらないの!
と思ってしまいます。まあ、毒がない・・というか。
ねりね様みたいに博識ではないし、インテリでもないミーハー
ですから私はこの程度の連想しかできなくてごめんなさい。

キャリーは小説のほうが面白かった・・と思いません。
キングのホラー小説っていいのと悪いのと極端な気がします。
これも文化の違いといえばそれまでなんでしょうが・・。
ボロが出そうなのでこれくらいで(笑)
ありがとうございました。機会があったら「毒毒シリーズ」を見て
みようかな、と思いました。


by toyo (2012-03-14 22:21) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

シロアリとインドバリケードと祈り ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。