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大恥をかいてしまった。 [シロアリ]


皆さん、こんにちは。

最近、駆除させていただいたお客様から電話を
いただきました。
あれ?何だろう?〇〇さんちは完全駆除の自信
があったのできっと何か別の用事だろうな・・

と、鷹揚に構えていたら、なんと!柱にシロアリ
らしいのがいた、そうです。

そ、そんなあ~!?きっと何かの間違いに違いな
いと、すぐにお邪魔して当該箇所を見たら・・
や、や、これは間違いなくシロアリ!
う、う~むむ!どうしよう!いや、どうして??

RIMG0204.jpg
(布基礎に蟻道はない・・)

というのは、工事前の調査でお客様から柱の根元
に穴が開いているのでシロアリじゃないかな?と
指摘されていたからです。

で、床下調査の結果、
①内にも外にも蟻道はなし。
②基礎は打ちっぱなしなので化粧モルタルの剥離
は関係なし。
③隣の部屋から大引きを横に伝わってきた可能性
もあるので仔細に調査。でも異常なし
④もしかして蟻道を作らないアメリカカンザイ?
しかし特有の形の糞が見当たらないのでその可能
性もなし。

つまりどこにも異常は見当たらない。
で、私の結論。その柱の根元の穴の原因は「腐朽」
です。シロアリではないから安心してください!
でした。

RIMG0209.jpg
(床下にもまったく異常は見当たらない・・ぶつぶつ。)
RIMG0211.jpg
ああ、それなのに、それなのに、原因がシロアリ
だったとは!穴があったら入りたい。ま、まいった!

RIMG0207.jpg RIMG0203.jpg
(柱内部が空洞化してシロアリがいました。う、う~絶句!)

で、謝ってすぐに作業開始。
具体的には柱を穿孔して伝播性薬剤を注入&吹き
付け。これで巣の所在が特定できなくてもシロア
リを完全駆除できる。

しかし、駆除できても原因がわからないことには
私的には極めて不愉快。私の調査時の見落としは
明白ですから・・ぶつぶつ。

う~む、防除士としての残り少ないプライドが更
に減ってしまうではないか(笑)
笑い事じゃないぞ、自分!

RIMG0200.jpg

というわけで、お客様の了解を得て再度駆除後の
床下を徹底調査しました。でも侵入経路も特定は
できませんでした。

参ったなあ~、気分悪いなあ~、恥ずかしいなあ~。
何だろう、原因は?

いや、原因はともかく最初に柱の根元を指摘され
たときに、柱そのものを打診していればシロアリ
は見つけられたはず。

それをしないで、すぐに侵入経路を特定しようと
床下に潜ったことが失敗の大きな原因だ。
それなら今後、このような場合は(侵入経路の特
定も大事だけど)当該対象物も詳細に打診触診す
べきだった。反省。
RIMG0202.jpg

私なりの原因の推論は・・
おそらく窓側の柱は外部からの水分(雨)の影響
を受けやすい。よく窓側の柱に雨の水分が浸み込
んで変色している光景は見かけます。

窓サッシ(いくらサッシが完璧でも)の水抜き穴
やレールの隙間など、微小な隙間でも横殴りの雨
が降ると水分が室内側に侵入することもある。

その微小な隙間から毛細管現象あるいは表面張力
で柱も水分を相当量吸い上げて柱の含水率が上が
った。

その水分が本来なら、自然乾燥で下がるはずなの
に何らかの理由で乾かなくて高い含水率が維持さ
れた。つまり乾かない状況だった。

そんな湿潤傾向の柱にたまたま運悪く外部から羽
アリが侵入した。で、ふつうならそこから地下の
土壌に向かうはずの羽アリが「柱がたっぷり水分
を含んでいた状態」だったので土壌に向かわずに
その柱内部に巣を作った。

・・というのが私の仮説です。
外断熱の断熱材の中に巣を作った事例はあるそう
ですから柱の中に巣が作られる可能性もないとは
言えないはず。柱の中に生まれたばかりの幼虫も
いっぱいいたし、変身する前のまだ白い羽アリも
いました。
RIMG0202 (2) - コピー.jpg
(矢印の羽アリ。まだ変身前なので白っぽいです)

私の経験ではこういう事例は初めてです。
果たしてそうなのか?それともまだ見落としがある
のか?解体しなければ真偽はわからない。
しかし精一杯考えてもこれくらいが私の限界。

人生、一寸先は闇というけどシロアリも全く想定外
の動きをする。習性も完全には信用できない。

つまり教科書的な調査だけではダメということ。
常に想像力を働かせて柔軟なものの見方をしないと
裏をかかれる危険を忘れてはいけない。

あ~、とにかく勉強になった・・と思うことにしよ
う・・悔しいけど・・ぶつぶつ。
なんとなく手前勝手な内容になってしまいました。
すみません。

今回の教訓。
といっても、これは私用の個人的な教訓です。
どんな場合も先入観で判断するな!でした。

しかし、いくつになっても恥をかく経験はなくな
らない・・自分が情けない。

最後までみっともない失敗談にお付き合いただい
て感謝します。皆様にいいことがありますように。
そして生きとし生けるものが幸せでありますように。


ジョーク

マナーとは [アントン・チェーホフの名言]

 

マナーというものは、ソースをテーブルクロスに
こぼさないことではなく、誰か別の人がこぼしても
気づかぬふりをしているところにある


 アントン・チェーホフ(ロシアの劇作家・小説家)





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コメント 4

ニケ

『シロアリは床下から』という常識が覆されました!!
こんな特殊なケースもあるのですね。とても勉強になります。
by ニケ (2018-04-28 07:25) 

U3

先入観は敵と云うことでしょうか。
by U3 (2018-04-29 15:43) 

sugar

本日、自宅の基礎に羽を落としたシロアリを2匹見つけました。距離は1mくらい離れていました。その後、基礎周りと庭を徹底的に目視しましたが、他には見つけられませんでした。私は、よそから飛来したものと仮定しましたが、自宅からの発生か、飛来したのか見分け方はあるのでしょうか?
by sugar (2018-04-29 21:59) 

エスケイユニオン

失敗はありますよね。ちょっと気になったのですが、雨戸上部がベランダですよね。位置関係がはっきりしないので、可能性ですが、玄関からベランダ経由で雨戸柱に降りてきた可能性はどうでしょうか?
羽アリの時期です、お体ご自愛ください。
by エスケイユニオン (2018-05-01 06:49) 

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