シロアリ?キクイムシ?腐朽? [シロアリ]
みなさん、こんにちは。
シロアリがいるらしいので調査して・・という依頼があって、
伺ったら、ありゃ、これはシロアリじゃないなあ~というときが
ときどきあります。
一般の人にとってはシロアリなんて、あんまり馴染みがない
と思いますので無理もないと思います。
そんな事例を紹介します。参考にしてくださいね。
ここは某食堂です。外壁の張替えリフォームをしているときに
職人さんがシロアリらしい被害が見られるので工事をストップ
したそうです。
で、職人さんが工事をストップした原因はこれです。
防水紙をめくると・・
こうなっていました。
アップにします。
小さな丸い穴が無数に開いていますね。そして木の内部が
ボロボロになっています。でも、これはシロアリのせいでは
ありません。キクイムシのせいです。
でも、木がボロボロ=シロアリの被害に違いない・・と思って
しまいますよね。無理もないと思います。
ちなみにシロアリの場合はこんな細長い穴が開きます。
もっともこの穴から土が吹き出ていたんですが・・。
これもシロアリの食害です。丸い小さな穴は開いていませんね。
数カ所の傷っぽい箇所は私が突っついた跡です。
う~ん、この写真ではよくわかりませんね。内部が空洞化して
いるので表面からはわかりにくいですね。ドライバーで突っつくと
わかるんですが。
たとえば、突っつくと内部がこんな感じ。
表面の薄皮一枚を残して剥がれるような感じ・・といいますか。
それから、よく木部の内側から土か砂が「吹き出て」いる
ような状態。下の写真です。
このように木部からヘンな砂が吹き出ていたらシロアリのせいです。
では、木の内部がどのように喰われているかというと・・
これはわかりやすいかしら?(前にも紹介したことがある写真です)
シロアリはこのように「木の内部」の柔らかい部分(辺材)を
食べますから表面上はなかなかわかりにくいんです。
それから、ついでに・・これもよくシロアリのせいだと勘違い
しやすい写真です。
上の2枚の写真は「腐朽」です。木の内部が「長方形」の
形になっていますね。これは前にも書きました。
長方形でボロボロ=腐朽菌のせい・・です。
まとめると・・
- 柱や木部にヘンな穴が開いてもシロアリとは限らない。
- キクイムシ・腐朽菌の場合もある。
(あ、この場合の対策法はキクイムシ用の薬剤を吹き
付けてもいいし、シロアリ用の薬剤でも効果はあります。
腐朽は防腐剤で対応しましょう) - シロアリの場合は、必ず砂か土が吹き出ていたり、
あるいは吹き出ていなくても内部にシロアリの運んだ
土がある(これを蟻土といいます)
ということでおしまいです。
シロアリの食害かも?と心配する前に参考にしてくださいね。
最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆様にいいことがありますように。
- コメントにもありますが「小さな丸い穴」について、これは
キクイムシではなく、シバンムシの可能性もあります。
私の早とちりかもしれません。
シバンムシは主に小麦粉、そば粉、米粉・・などの食品と
畳床などに発生するものと思い込んでいましたが、木材
に含まれるでん粉を栄養とすることもあるようです。
ということで、シバンムシの可能性もあります。
<ジョーク>
家に忍び込んだ夜盗を引っ立てて男が警察にやってきた。
言いたいことがある。
内勤の巡査:
「裁判でそのチャンスはありますから、そちらでどうぞ」
「そこで訊くようなことじゃないんだってば!」
男は引き下がらない。
「女房を起こさないでどうやって侵入したかこいつに教えて
もらいたいんだよ。オレは成功した験しがないんだぜ!」