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木材腐朽菌って、やっぱりすごい! [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。
久しぶりの更新でごめんなさい。

なんだか、人生で感動することが少なくなった気分です。
元々、喜怒哀楽の少ない人間ではあるのですが・・

びっくりすることも、感動することも少ないって寂しい 
人間なんでしょうね、きっと。
まあ、でもそう生まれついているみたいだから仕方ない。

でも、最近、ささやかなびっくり、があったのでそれに
ついて書いてみようと思いました。

といっても床下工事中のことでした。
 「根がらみ」と床板空間の間を進んでいたときボキッ!
という音がしました。私の重みで「根がらみ」折れた音です。

RIMG2200.jpg 
(表面的には腐れにみえませんよね)

あれっ?シロアリのせいかしら?
でもこの家は予防工事で駆除ではなかったよなあ??
これは私の事前の調査不足だったかも? 

慌てて、折れた「根がらみ」をよーく観察したら・・
なんと腐朽のせいでした。
腐朽菌恐るべし!と思いました。

RIMG2202.jpg 
(でも、内部はスカスカ。指で簡単にめくれてしまいます)

シロアリに劣らず腐朽菌も木材にダメージを与えますよ、
なんて書いたことがあるけど、いや、ほんとに再確認した
気分です。

RIMG2205.jpg
(ほぼ、長方形にひびが入っています。これが腐朽の特徴) 

・・なんて言っても、こんなことにビックリするのは私
だけかもね。
でも、そう生まれついているみたいだから仕方ない(笑)

ときどき私はヘンな奴に思われているらしいけど本人は
極めてまともな常識人だと思っています。
ヘンかヘンでないかなんて自分ではわかりませんよね。

RIMG2207.jpg
(見た目のふつうさにごまかされてしまいます) 

脱線しました。木材腐朽菌って「木材を好むある種の
菌類の総称」です。この菌はれっきとした「生き物」で
主に木材のセルロースを栄養分として取り入れるために
「分解」します。

この分解=腐朽=いわゆる腐れ・・ですよね。
なあ~んて言っても、面白くもなんともないですね。
それにビックリする私はやっぱり少しヘンなのかしら・・
ぶつぶつ。

RIMG2213.jpg 

(どうも土壌の上を覆っていた糸状菌が根がらみに伝播
 したみたいです。すごく土壌がカビ臭かったし・・)

RIMG2146.jpg 

・・ということで最近、感動というか少しびっくりした
お話でした。全然、つまらない話でごめんなさい。

最後にイタリアで撮った猫の写真です。
IMG_6484.jpg 

イタリアの猫だからと言って猫は猫。イタリア語でみゃ~と
いうわけじゃない・・当たり前ですね。

IMG_6308.jpg 

しかし、ほんとにどーでもいいことを書いているなあ~・・
ぶつぶつ。

IMG_6481.jpg 

感動がないんですよね。

IMG_6486.jpg 

これはうちのミーコ。華ちゃんに戦々恐々としています。
でも、少し、慣れたかしら? 
IMG_6910.jpg

最後までつまらん話にお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆様にいいことがありますよに。
そして生きとし生けるものが幸せでありますように。 


ジョーク> 

ある夫婦が口論をしていた。

夫「私がそうだ、と言えばキミは「違う」という。 
     
どんな時でもそうだ。要するに君は私に同意したくないだけなんだ」

妻「それは違うわ」



 


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今年、最初の床下調査 [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

いろいろあってすっかり更新できずにいました。

時間がなかったわけじゃないのにコメントへのお礼
もしていなくて焦りの気持ちもあるのに意識がブログ
に向かわなかった・・のが正直な気持ちです。

で、こういうときはどうしたらいいんだろう?
そういえば村上春樹さんの「村上朝日堂・はいほー!」
に「チャンドラー方式」というのがあったような。

レイモンド・チャンドラーさんは小説を書くコツと
して、気分や気持ちがどうであろうと、とにかく
デスクを決める。そして、一日のうち決めた時間は
とにかくそこに座る。で、2時間なりじっとしている。

そして、何もせずにただぼぉとしている。そのかわり
他のことをしてはいけない。本を読んだり、雑誌を
めくったり、絵を描いたり、猫と遊んだり、誰かと話
をしてはいけない・・

つまり、書くのと同じ集中的な態度を維持しろ。
そうすればまた必ず文章が書けるサイクルがまわって
くる。これがチャンドラー方式だそうです。

あはは、たたがブログが書けないぐらいでなんと大げ
さな、と自分で自分を笑ってしまう。

う~ん、私にはサイクルがまわってきそうもないので
今年最初の調査と施工の記事でも書きましょう。
参考になったら幸いです。

RIMG5918.jpg
某業者に床下換気扇の設置+全床下の予防を勧めら
れている住宅の再調査の依頼でした。

RIMG5919.jpg
う~ん、たしかに「根がらみ」が腐朽していますね。

RIMG5922.jpg

RIMG5923.jpg
たしかに良い状態とはいえないな。
でも、この隣の部屋は・・下の写真を見てね。
RIMG5928.jpg

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とても良い状態ですね。(束柱の下部の茶色いのは腐朽ではなく
防腐剤を塗った跡です)

RIMG5930.jpg
同じ家なのに部屋によってなぜこうも違うんだろう?
原因は中基礎の位置や地下水などいろいろ考えられます。

で、対策として私がとった方法は・・
RIMG5985.jpg
まず、芯まで腐朽菌が及んでいる「根がらみ」は撤去しました。
それによって強度に問題はありません。

で、次は腐朽菌を薬剤を吹き付けてそぎ落とす。
RIMG5993.jpg
ビフォー。

RIMG5996.jpg
アフターです。新品みたいになったでしょ。

同じくビフォー。
RIMG6001.jpg

RIMG6002.jpg
アフター。
これでしばらくは大丈夫。

吹き付けた薬剤は安全性の高いシロアリ防除剤です。
専門の防腐剤のほうが効果はありますが毒性も強いので
避けました。シロアリ防除剤は防腐剤ではないけど防腐
効果もあります。こっちのほうがご家族には安全と判断
しました。

というわけで、部分予防というか、とりあえずはこれで
十分のはず。売り上げ的には床下換気扇の設置+全部
の床下予防がはるかに儲かるけど不必要な工事はお勧め
する気はありません。

どうやら今年も儲からない道をまっしぐらになりそう。
あ~ぁ・・ぶつぶっ・・でもそれでいいのだ!(笑)

最後までお付き合いいただいて感謝します。
それからコメント返しも遅れに遅れてほんとうに申し訳
なく思っています。必ずしますのでごめんなさい。

生きとし生けるものが幸せでありますように。
そして皆様にいいことがありますように。




ジョーク

男は妻が飼っている猫が大嫌いだったので捨てることにした。
男は家から20ブロック離れた場所まで車を走らせて猫を捨ててきた。
ところが彼が家に戻ると既に猫は家に戻っていた。

翌日、男は40ブロック先まで行って猫を捨てたが結果は同じだった。
彼はだんだん遠いブロックまで行って猫を捨てるようになったが、
結局いつも猫は男より先に家に帰っていた。

ついに男はかなり遠くまで捨てに行こうと決意した。
男は数マイル走るたびに右折、左折を繰り返し、山を越え、橋を渡り、
ここまでくればもう帰ってはこれまいと思われる場所まで来たところで
猫を捨てた。

数時間後、男は自宅にいる妻に電話をかけた。
「やあ、そこに猫いる?」
「いるけど・・・なんで?」
「電話に出してくれる?ちょっと道を聞きたいんだ。」





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気になること。まとめ [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

前回の続きです。
結局のところ、強い湿気のある床下の湿気対策には
どんな方法が有効なのか?についてまとめてみましょう。

まず、床下の強い湿気に対しては床下換気扇も調湿剤
も効果に限界があること。それらはそれなりに有効とは
思いますが、腐朽菌が夥しく繁殖しているような床下では
「手遅れ」だと思います。

手遅れというのは、それらは「腐朽菌」に対してはほとんど
無力というのが理由です。腐朽菌は胞子で拡大するので
この胞子を取り殺すことができないとストップできません。

(写真は腐朽菌の繁殖した様子です)
画像A 012.jpg

で、次に防湿シート、防湿コンクリートならどうか?
確かに、土壌から蒸発してくる水分(蒸気圧)に対しては、
完全に押さえ込めるのでかなり有効です。

でも、防湿シート、防湿コンクリートの下に滞留した水分
がシロアリに生息しやすい場を提供することになって被害
が一挙に拡大するリスクがあります。また「ヨコからの湿気」
で起こる結露まで止めることは無理です。

画像A 006.jpg

で、私の行き着いた結論は・・
とにかく、下からの湿気は「抑えこむ」よりは「吐き出した」
ほうがいい・・と思うようになりました。

結露については「外気の温度・湿度」と「床下の温度・湿度」
を同じにすれば発生しないはずです。つまり、床下を「外」と
同じ環境にすればいい。

すると、なんのことはない。結局は、昔の吹き抜けの床下が
ベストということになりました。

とは言っても、昔の吹き抜けでは基準法の耐震強度に抵触
するようですから極力、基礎構造でも昔の床下に近い状態
にする方法はないか?

そこで初めて私的には敷炭ということになります、というか、
なりました。

(糸状菌によって防虫紙まで分解されています)
画像A 007.jpg

調湿剤と敷炭は似たようなものじゃないの?どっちも湿気を
「吸って、吐き出す」のは同じでしょ・・と思われるかもしれな
いですね。たしかに「吸って、吐く」ということだけを考えれば、
むしろ調湿剤のほうが力は強いかもしれません。

でも、調湿剤と敷炭の決定的な違いがあります。
それは、調湿剤は腐朽菌を殺せないけど炭なら殺せること。
炭の孔に住み着いた各種の自然菌が腐朽菌を取り殺して
根絶させることができます。

この事実は意外と知られていないようですが、もっと知られ
てもいいことだと思っています。それによって住宅の寿命
が(厳密には土台とか構造材の寿命)通常の2~3倍には
長持ちします。たしか、船瀬俊介氏は、その著書で大学で
炭学科を新設して炭の力を広く啓蒙すべき・・と言っていま
すが同感です。

もうひとつは、住宅のイヤシロチ化(地場調整機能)がある
こと。これは個人的には大きなメリットだと思っています。
でも、まだイヤシロチについては広く認知されているとは言
い難いので誤解されそうですから止めましょう。

画像A 008.jpg

実際、私の経験でも敷炭で土台に付着した腐朽菌が徐々
に減少していくのは確認しました。また、カビ臭は敷炭の
施工が終わった直後に消えてしまうのもお客様に確認して
もらっています。

というわけで、私は強い湿気対策としては昔の床下に戻す
こと。具体的には、通気口を増やして床下の空気の流通を
よくすること。もし、予算が許すなら敷炭をお薦めしています。

考えてみれば敷炭って、なにも最近の方法じゃないんです
よね。昔からありました。法隆寺や京都御所などたくさんの
昔のお寺の土中には敷炭がされていたそうです。記録では
室町時代の貴族の雪隠が最初とか。

(こうなると換気扇も調湿剤も手遅れです)
画像A 009.jpg

結局のところ、日本の気候風土を無視した新工法はいずれ
は弊害が起こってくると思っています。
個人的には高気密・高断熱よりは中機密・高断熱が健康の
ためにも家のためにもいいと思っています。

でもねぇ、昨今の若い人は、家はそこそこ持てばいい。
100年住宅なんて必要ないよ。そこそこ見栄えが良くて合理
的で、そこそこの値段であれば充分と考えている人が多い
ようです。だから腕の良い大工さんはお呼びじゃない時代に
なったみたいですね。

昨今は住宅は車と同じ高耐久消費財・・というか、そんな気
がします。愚痴っぽくなりましたが、これも諸行無常というか、
すべては変化する・・と考えれば仕方ないのかなあ。
私のほうが柔軟性のない古い考えに固執・執着しているの
かもしれません。

画像A 011.jpg

このへんはどう考えるたらいいのか、皆さんの考えを教えて
欲しいです。あんたのはただの古い懐古趣味だよ、って言わ
れても仕方ない気もしないでもない。悩ましいなあ・・ぶつぶつ。

退屈な文に最後までお付き合いいただいて感謝します。
少しでも参考になりましたら幸いです。
どうか皆様にいいことがありますように。
ありがとうございました。



ジョーク

ブロンド娘は大急ぎで家の中から出てきて郵便受けへ向かい、
中を見て、郵便受けのふたを閉め、家の中へ戻って行った。 
数分後、彼女は再び郵便物のチェックをするが同じ動作の繰り返し。

ブロンド娘がこれを繰り返すこと5回。 
様子を眺めていたお隣さんが声をかける;
「郵便受けを覗きに何回も出て来るってことは、きっと大事な
  手紙を待っているんだろうな。」

ブロンド娘;
「そうじゃないのよ。今コンピュータやっているんだけど、
  しつこくメッセージが出てくるの、メールが来ているって。」

 


 


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家と土地環境 [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

いろいろあってすっかり更新が滞ってしまいました。
で、今日はちょっと雑談っぽいことを書きます。

というのは先日、自然がいっぱいで敷地200坪以上の
とても恵まれた環境に建っている家の調査に行ってきました。

しかも、その家は別荘風というかリゾート風というか素敵な家
でした。
室内もとても洒落た造りでした。
053.jpg

いいなあ~、自然がいっぱいな環境でこんな素敵な家なんて
羨ましい。お金があったらなあ~なんて思いました。

で、床下にもぐったら・・
すごい湿気です。水分を吸った断熱材があちこち垂れ下がって
います。
031 - コピー.jpg

038.jpg

012 - コピー.jpg

床下は垂れ下がった断熱材のジャングルみたい。
こういう光景はたまに見ますがこれほど断熱材が垂れ下がって
いるのは初めてです。かなりの湿気を吸っているみたい。

断熱材の中にはカマドウマの幼虫がいっぱい。
それに、(当然ですが)床下の大引や木部も水分を吸って腐朽が
始まっていました。
035 - コピー.jpg

024.jpg
(想定内ですが残材にはシロアリの食害もありました)

で、そういえば以前、別荘がたくさんある地域に調査に行った
ときのことを思い出しました。

そこも最初、見たときはいいなあ~こんな素敵なロケーションで
しかも、どの別荘も洒落たデザインでかっこいいなあ~と羨まし
かった。でも、依頼された別荘を仔細に調査したらこんなことが
わかりました。

木製のベランダは腐っていてグラグラする。
廻りの木々から落ちてくる木の葉で屋根も傷んでいる。
裏が山で日陰になるので外壁もかなり傷んでいる。
蚊やブヨ・蜘蛛・・などいろんな虫がわんさかいる。
・・などなどでした。

で、大工さんが言っていたことを思い出しました。
前に別荘の修復工事をしたときは大変だったよ。カビだらけで
あちこち腐っているんだ・・云々。別荘なんて傷みが早いから
メンテが大変だ・・云々。

要するに、自然環境が素敵なところは雨風もキツいし虫たちも
たくさんいるし草も繁茂するし、蛇やタヌキやいろんな動物も多い
場合がほとんどですから最初からそういうことも考慮にいれて
おくこと。

だから、そういう土地環境に家を建てようと思ったらしっかりと
雨風雪や水分に強い耐久性のある素材と、工法を選んだほう
が無難です。デザインのカッコやさだけで選ぶと、後でメンテで
大きな出費になったりして後悔する可能性が強いと思います。

とは言っても、別荘ってやっぱり憧れますよね。
まあ、私には一生無理ですが・・(笑)

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆様にいいことがありますように。



ジョーク
死神は処理しなければならない10人のリストを受け取る。 
五番目の男にやってくるまでは全て順調に事が運んだ。

死神が目先の仕事に取り掛かろうとすると、当の男は今生の
別れに一杯飲ませてくれと願い出る。死神も人の子、それを許した。 
となれば、バーへは二人でくりだす。

当の男は才気煥発、飲んだ振りをする。 
一方、死神はがぶ飲みして酔いつぶれた。

当の男はこれチャンスとばかり、リストをひったくり、自分の
名前を五番目から十番目へと書き換える。

酔いつぶれたとはいえ、酔いから醒めるのは時間の問題。 
いい気分で酔わせてくれたワイと死神は当の男に礼を言う。 
そこで感謝の証に男の命を数時間引き伸ばすことにした。 
仕事は末尾から再開するっていう次第。



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ベタコンとカビと白華 [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

ここ2~3日、急に寒くなりましたね。新潟では天気も
悪くてちょっと憂鬱です。これじゃあ羽アリの発生も遅れる
ような気がしています。

今日は床下がベタコンでも腐朽菌白華現象が起こって
いる場合もある・・という事例を紹介します。
先日の工事で撮った写真を見てくださいね。

まず、これは断熱材の支えの木。
びっしりと白っぽいカビ(白色腐朽菌)が付いていますね。097.jpg

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それから束柱。やっぱり白色腐朽が始まっていますね。
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こっちは褐色腐朽です。
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それから浴室の基礎に白華現象がみられました。
067.jpg

我が家は床下がベタコン(あるいは防湿コンクリート)
だから湿気の心配はないよ・・
と思われるかもしれないけど、必ずしもそうじゃない
という例です。

こうなるに至った原因は正直言って私にもわかりません。
おそらく、土地環境とか様々な要因が複合的に作用
している気がします。

まあ、今日の例のような床下は滅多にないけど築15年
以上経つと、どこの家でも可能性はある気もします。
といっても、そうなったからといって、すぐに深刻な状況に
なるわけでもない
です。あ、余計な心配をさせたかしら?

ただ、コンクリートは過信しないほうがいいですよ・・と
申し上げたかったのです。

そういえば、大工さんがコンクリートを「練り物」という言い
方をするのを聞いたことがあります。
見かけよりも弱い?・・という意味らしいですね。

それからコンクリートって、意外と含水率が高いんですよね。
床下がコンクリートでもたまにはチェックしましょうね。
老婆心ながら・・。

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆様にいいことがありますように。



羽アリの区別の仕方をしばらく載せておきますので参考に
してください。
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ジョーク
活発でカワイイ看護婦のローリは勤務先の病院で精神分析の
研修医に相談に行く。

「先生、助けてちょうだい。」 

ローリの懇願;
「この病院の若手ドクターのアレコレとデートするたびに、
 最後はベッドを共にするというところまで行っちゃうように
 なっちゃったの。その後がタイヘン、一週間は罪の意識で
 憂鬱なんです。」

研修医;
「なるほど。ボクの治療で君の意志を強いものにし、この問題
 にけりをつけたいということだね。」

ローリの要望;
「そうじゃないんだってば。罪を感じたり、落ち込んだり
 しなくてもいいようにナントカして欲しいのよ。」


 


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湿気対策としての石灰 [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

在来工法で、床下に湿気がある場合はシロアリ屋としては
ふつうは、「床下換気扇」や「床下調湿剤」をすすめるのが
一般的です。

でも、それではかなりの金額がかかってしまいます。
(床下換気扇なら1セット(3台)で約15万~20万。
床下調湿剤なら1坪あたり2万くらいです)

もっと安価にできる湿気対策はないでしょうか?
石灰なら安価です。床下浸水の場合はよく市から石灰が
配給されますよね。石灰は効果があるのでしょうか?

そこで、先日の調査の結果が参考になるかもしれないので
紹介します。

調査依頼の目的は、廊下が軋むので原因を調べて欲しい
というものでした。(シロアリは10年くらい前に羽アリが出た
ので業者に駆除してもらったそうです)

状況を聞くと、廊下の軋みの原因は「経年劣化」と思われ
ました。
で、調査をしながら私が感じたことなど書いてみますね。
写真を見ながらにしましょう。

そもそも、ここは土地が非常な湿気地なんだそうです。
で、ご主人が以前に湿気対策として自分で「石灰」を床下に
撒いたと言っていました。

その話を聞いたとき、私は撒いた石灰の「量」が気になりました。
で、床下はこうなっていました。
008.jpg
おーっ!これは良かった。

009.jpg
石灰の撒きすぎが何故気になっていたかというと、私の経験では
石灰は撒きすぎると「固化」して、逆に土壌に湿気を溜め込んで
しまうからです。

012.jpg
でも、これなら私的には適切な「量」に思われました。

じゃあ、その「効果}はというと・・・
010.jpg
若干の腐朽(白色腐朽)は見られました。

力土台にも腐朽はありました。
011.jpg

垂木にもありますね。でも少しです。
013.jpg

で、廊下の裏側は・・
007.jpg
ね、いい感じでしょ。

問題の軋みの下はこんな感じ。腐朽はゼロ。
やっぱり原因は「経年劣化」でした。
021.jpg
軋みの部分には、ご主人が板をネジで止めた様子が。
でも、これでは無理ですね。まあ、ご主人なりに考えたん
でしょうが。(これは後日、垂木の追加補強で直しました)

ちょっと脱線しますが、これはシロアリの食害の跡です。
014.jpg
ここは玄関の上がり框(かまち)の下です。

昔はこういうつくりがふつうでした。シロアリがとても
登ってきやすい作りですね。
016.jpg

ここは勝手口の下。このつくりもシロアリにとっては
嬉しい作りですね。
015.jpg

かなり激しい被害だったようです。
002.jpg

で、湿気対策としての石灰の効果はどうなのか?
私なりの結論は・・

  • 石灰は完全に腐朽を止めることはできないが、それでも
    かなりの効果はある。

  • 但し、効果を出すには撒きすぎてはダメ。せいぜい厚さ
    5ミリ程度でいい。「量」を多く撒けば撒くほど効果も出る
    ・・とは思わないほうがいい。その理由は石灰が「固化」
    してその下に水分を溜め込んでしまう・・からです。

この「固化」して土壌に水分を溜め込んでしまった写真が、
あいにく見つからないのでほんとに思えないかもしれませんね。
でも、信じてくださいね(笑)ほんとなんだから。

たとえば、築30~50年以上経った古い住宅なら、なにも
高価な床下換気扇や床下調湿剤でなくても石灰で十分だと
個人的には思います。

まあ、お金がある人なら床下換気扇や床下調湿剤でも反対は
しませんが。

じゃあ、あんたが推奨している敷炭はどうなのさ?と言われそう
ですね。個人的には敷炭は最高だと思います。
でも、私が敷炭をお勧めするのは湿気対策はもちろんですが、
ほんとは半永久の「イヤシロチ効果」を狙ってのことなんです。

イヤシロチの話になるとどんどん脱線しそうなので、今日はこれ
くらいで終わります。

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうかみなさんにいいことがありますように。


ジョーク
きっかけの言葉;「以前お目にかかったことがあるんじゃないですか?」
その心は;「いいケツしてるなぁ。」

きっかけの言葉;「私はロマンを大事にするんです。」
その心は;「金銭で解決する財力はないよ。」

きっかけの言葉;「君が必要なんだ。」
その心は;「いいかげんに手なんか使わないで排出してみたいよ。

きっかけの言葉;「オレは他の男とは違うぜ。」
その心は;「包茎のままだい。」

きっかけの言葉;「責任のある立場になりたいんだ。」
その心は;「マスこくのは飽きたぜ。」

きっかけの言葉;「ボクが魅かれたのは後にも先にも君だけだ。」
その心は;「他の女は誰もやらせてくれなかった。」



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ギャップ? [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

今日のタイトルにしたギャップ・・とは最近、調査依頼を
いただいたときに、お聞きした内容=心配事と、実際に
調査した「結果」との間のギャップが大きいなあ~と感じる
ことが多いからです。

簡単に言うと、お客様の心配事が「過度」といいますか、
非常に悪い方向に想像している場合が多いといいますか。
それでストレスを溜めまくっている人が多いといいますか。

まあ、床下という上からは見えないところなので、楽観的と
いうより「悲観的な想像」ばかりしてしまうのも無理はない
のかもしれませんね。

最近の具体例でいうと、たとえばこういう電話をいただき
ました。

  • あのぉ~、この頃、廊下を歩くと凹む箇所がある
    んです。きっとシロアリかもしれないので調査して
    ください。たぶん、床下がとんでもないことになって
    いる気がします。

・・という電話でした。
で、私は築年数とかいくつかの質問をしてから・・・

  • それはたぶん、経年劣化じゃないか?と思います。
    シロアリかもしれないけど、多くの場合は自然な劣化
    が原因ですから、調査する前からあまり気に病まない
    でくださいね。

・・で、調査の結果はやはり経年劣化でした。

建てて15年以上経つと廊下や台所が部分的に凹むのは
よくあるケースです。
でも、その凹み=シロアリに違いない・・と、すごく悩む人と、
別に気にしない人・・に分かれるようです。

001.jpg
(床下収納庫や点検口がないお宅は、和室の畳を一枚
上げて床下にもぐります)


で、この違いはどこからくるのかというと過去にシロアリの
被害を経験してるかいないか、によるようです。

経験してる人はどうしても家屋のちょっとした異常に敏感に
なるし、悪い想像をしてしまいがちになります。

でも、結果が出ないうちから気の毒なほどに心配している
方も、調査結果がシロアリじゃないとわかると安堵して通常
のバランスのとれた感覚に戻る・・といいますか安心される
ようです。

002.jpg
(ここがそのお宅の床下です。湿気もなくてシロアリもいない。
すごく良い状態でした)


だから、調査する前からあまり心配されないように・・と言っても
やっぱり無理かもしれませんね。
あ、希に凹みがシロアリのせいの場合もありますが、私の経験
ではそれはとても少ないと思っています。

003.jpg
(築30年以上という年数から考えると、私的には100点満点の
良い床下に思えました)


まあ、どっちにしろ調査は必要だと思いますが調査結果が
わからないうちからストレスを溜めないようにしてくださいね。

なんでこんなことを書いたのか?というと、調査する前にあまりに
心配すると悪徳業者にとっては「飛んで火にいる夏の虫」か、
あるいは「ネギに鴨」になるからです。

その「心配」を「恐怖」に増幅させて「成約に結びつける」のは
簡単ですからね。とにかく心配事があってもなるべく「冷静」
なりましょう。

004.jpg
(歩くと廊下の凹む箇所の裏側です。ね、状態は悪くない
ですね。カビも付着していませんでした。原因は経年劣化
この場合は垂木の追加補強で簡単に治ります)


実は、このほかにも最近、腐朽の心配をひどく心配されて
いたお客様がいました。私からすればこの方も過度に心配
されているように見受けられましたが、説明したら安心された
ようです。「案ずるより産むが易し」の場合も多いです。 

・・ということで、老婆心ながら参考にしてくださいね。

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆様にいいことがありますように。


ジョーク
小学生のベンジャミンが学校から帰って来て、父親に言った。
「パパ、今日はクラス全体で僕だけしか答えられない質問が
 あったんだよ!」
父親は満面の笑みを浮かべて、誇らし気にベンジャミンに聞いた。
「ベニー、お前だけが質問に答えられたんだって?ママ、ママ!」
父親は母親を呼んだ。
「今日はクラス中で誰も答えられなかった質問に、ベニーが
 答えたというんだよ」
「ベニー、それは偉かったわね。それで一体その質問は何だったの?」
母親が目を輝かせて聞いた。
「先生が、窓ガラスを壊したのは誰か、と聞いたんだよ」



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初めて見る不気味なカビ?? [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

先日、床下調査をした家で今まで見たことのないカビと
遭遇しました。 

遭遇なんて言うと大げさですが、私としては気持ち悪い
というか、思わず瞬間、息を止めてしまいました。

というのは、カビにはアスペルギルスとか命にかかわる
危ない種類もあるそうなので嫌な感じがしたわけです。
あまりに毒々しいほどに濃い緑色をしていたので不吉な
感じがしました。

腐朽菌なら見慣れていますが見当もつかないカビです。

これって、一体何て言うカビなんでしょうね?
危険なカビなのか、そうでないのか?
ご存知の方がいたらぜひ教えて欲しいです。

今まで何千件も床下調査をしてきましたが、こんなカビは
初めて見ます。 さっそく見てくださいね。

015.jpg

とても鮮やかな緑色をしています。
022.jpg

アップにします。
017.jpg

020.jpg

018.jpg

調べたらツチアオカビが該当するみたいです。
トリコデルマとも言うようです。
http://www.fcg-r.co.jp/akudama/017.html

でも、似ているなあ~というだけで確信はありません。

ふつう床下調査ではメンドーなのでマスクはしませんが、
こんな奇妙なカビと遭遇するなら今後はマスクを着用した
ほうが無難かしらね?なんて思いました。 

実は、このお宅は先日記事にした「床下に水が・・」の
お宅です。 一週間前には生えていませんでした。
ということは、ここ数日で急激に増えてきたことになります。
凄い繁殖力があるようです。

そういえば、数年前に新しい畳の表面にカビが生えてきた、
という電話をいただいたことがありますが、アレと同じカビ
かしら? アレも確かに緑色をしていました。

新しい畳にカビが生えることは気象条件によって珍しいこと
ではない・・と畳屋さんが言っていたことを思い出しました。
どうか、有害なカビでありませんように・・ぶつぶつ。
腐朽菌以外のカビの勉強をしないとなあ~とか思いました。

ということでおしまいです。
最後までお付き合いいただいて感謝します。
みなさんにいいことがありますように。



ジョーク
警官:
「20キロオーバーですね。免許証出して」


若者:
「ちょっとぉ、勘弁してくださいよ。スピード違反の車なんて
 いっぱいいるのに、なんで俺だけ捕まるんすか?

 不公平じゃないですか。ほら、今だってスピード違反してる車は
 たくさん通ってますよ」


警官:
「あなたね、釣りをする人が、川にいる全部の魚を釣ろうとしてると
 思いますか? 
運の悪い魚が少々釣れれば、それで十分なんです」



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ふきゅう・・について。 [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

今年も、もうすぐ終わりですね。
当ブログはなるべく「一般の方の目線で書く」ように心がけて
いるつもりですが、ときどき脱線しまくってしまうようです。 

今年一年、独断と偏見の勝手な記事にもかかわらず大きな心で
お付き合いいただいた皆様には本当に心から感謝しています。

もしかしたら同業者の方、および建築関係の皆様には不快な内容
も多々あったと思いますが、アホに免じてどうかお許しくださるように。

で、なにか景気のいい話でも・・と思いましたが、そういう話は
なかなか見つからない(笑)・・ので腐朽のおさらいでもしましょう。

一般的には、ふきゅう=腐朽=腐れ=自然現象で仕方ない・・
みたいに思っていないでしょうか?

IMG_0001.jpg

今日のタイトルをわざと「腐朽」と書かないで「ふきゅう」としたのは
私的には「ふきゅう」という言葉も、もっともっとメジャーになってほしい
からです。

なぜメジャーな言葉になってほしいかというと、私はこれが住宅に
とっては最凶最悪の敵だと思っているからです。 
ふきゅうはシロアリに勝るとも劣らないくらい怖いのです。

・・・んなこと言われてもねえ~、ピンとこないなあ・・ですよね。

まず「ふきゅう」の写真を見てくださいね。
といってもシロアリと同時進行の写真が多いですが・・・。

最初の一枚(下の写真です)・・蟻道も写っていますね。 
垂木からぶら下がっているのがそう。
奥の土台の縦状の線も蟻道です。
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 004.jpg

これも上のほうは蟻道ですね。 
下の白いのが腐朽菌です。(下の写真です)
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 006.jpg

これは腐朽菌。 
白っぽいので白色腐朽菌といいます。 広葉樹の敵です。
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 007.jpg

この垂れ下がっているのは蟻道です。
垂木が茶色っぽいですね。 茶色っぽいのは褐色腐朽菌といいます。 
針葉樹の敵です。
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 010.jpg

こんな感じ・・茶色~褐色ですね。 
それでこういう状態を褐色腐朽といいます。
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 013.jpg

これも褐色腐朽ですね。
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 017.jpg


次は最凶最悪の腐朽菌の写真をお見せします。 
下の写真です。
IMG_0010.jpg

これはナミダタケ菌という腐朽菌で、これに取りつかれると実に
3年くらいで家はダメになります。 
建て替えしかないくらいのダメージを
与える怖い菌です。 3年なんて!シロアリ以上に強力なダメージですね。

下のグラフを見てください。
腐朽菌が木材に繁殖すると木材の重量が軽くなります。 
軽くなると木材の強度は落ちます。 当たり前ですよね。 
で、怖いのは木材の重量減少が少なくても強度が著しく低下すること

このグラフは
重量減少率が50%になると、強度がほとんどゼロになる
ことを示しています。
IMG_0002.jpg

特に褐色腐朽は初期の腐朽で急激な強度の低下が起こります。
これが腐朽が怖い理由です。 

下の写真を見てください。
わざと小口面を隠してみました。 表面が褐色腐朽していますね。
IMG - コピー.jpg


で、小口面が褐色腐朽菌によってどうなるかを見てください。
下の写真です。 表面から見ただけでは内部がこうなっていることに
気付きませんよね。
IMG.jpg

で、これを防ぐために加圧注入処理がされるわけですが・・
(下の写真です)
IMG_0003.jpg
加圧注入土台でも芯まで薬剤がしみ込んでいるわけではない・・
ことがわかりますね。 薬剤は板目面および柾目面の表面からでは
奥まで浸透しにくいのです。 

加圧注入した土台だってこの程度なんです。
小口面から侵入した菌の腐朽速度は、板目面および柾目面の5~10倍
の速さです。
 個人的にはログハウスってどうなんでしょうね。
腐りやすい気がしますが。

だから、どうせ塗るなら下の写真のように小口面に塗ったほうが効果的です。
浸透率が全然違いますから。
IMG_0004.jpg

最初の写真に戻ります。 たとえばこれ・・・
H16,9,18 加茂 山中富士夫様 013.jpg

全体に、くすんでいますね。 褐色です。
褐色腐朽菌のせいです。 もっとも蟻道が写っていますから、
このブログにお付き合いいただいてる方ならかなりの被害と
いうのは予想がつく思いますが。

で、このように一見、どうってことないようなカビが付いていると、
その木材の強度はゼロになってい
ると思ってください。 
初期腐朽ほど怖いのです。 しつっこいですね(笑)

で、もしここに大きな外圧(地震や台風)
が加わったら?

個人的には、地震に襲われて倒壊した家の大部分は、
「地震の来る前に腐朽菌によってダメージを受けていた」
場合がほとんどだと私は思っています。 
もし、腐朽菌のダメージを受けていなかったら倒壊しなくて済んだ
家も多かったのではないかなあ~と思います。

どうでしょう。 ちょっとカビているけどまあ大丈夫でしょう・・
というのが実は相当、木材の強度が落ちているという事実が
伝わったかしら?

マトメとしては・・・

  1. 腐朽菌の木材の強度を落とす力は凄いんだということ。
  2. ちょっとしたカビ(初期腐朽)でも、実は急激に木の
    強度を落としていること。

なんだか、1も2も同じことを言っているみたいですが、とにかく
腐朽は見かけによらず木に決定的なダメージを与えている
ということを知っていただきたいのです。

・・ということで終わります。
腐朽について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
腐朽の怖さばかり強調しましたが、見方を変えればこれは素晴らしい
とも言えます。 だってモノが腐ること=自然への還元ですからね。
・・実は同じことを今までもなんども書いているんですが(笑)

それではみなさん、ごきげんよう。 
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

みなさんにとって来年がハッピーな年でありますように!


    <ジョーク

飛行機に搭乗すると、ゴージャスな女性と隣り合わせに
なったラッキーなビジネスマン、お互いに軽い挨拶を交わす。 

気が付くと彼女は性的統計の手引書を読んでいるではないか。 
思わず声を掛けてしまうが、彼女の説明;

「人並みはずれた事例が載っている本で興味が尽きないわ。 
ペニスの平均的長さはアメリカン・インディアンが一番で、
直径が最大なのはポーランド人だと決定しているわ。 
ところで、私の名前はジル。 あなたは?」


ビジネスマン、格好つけて;
「トント・コールスキーです、始めまして。」
 



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床板にコンパネを使うと?・・最近の調査&工事から [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

前回は廊下の凹みやヘタリ、軋みについて書きました。
今日は和室の凹みやヘタリの原因についてお知らせします。

築年数が15~20年も経ってくると、どうしてもあちこちに凹みやヘタリが
生じてきます。 それは自然な劣化が原因の場合が多いのですが、なぜか
ほとんどの方はそれをシロアリが原因では? と思ってしまうようです。

前回の廊下の場合も、お客様はシロアリが原因では?と疑心暗鬼になって
いました。 まあその気持ちもわかりますが・・・・
そうですね、私の経験では80%くらいは自然な劣化が原因ですよ。

まずは、
わかりやすい写真がありますので実際の様子を見てくださいね。

最初の一枚です。
これは和室の床板の裏側です。 材質はコンパネですね。
はがれているのがわかるかしら?
(写真をクリックすると、もっと大きくなります)

2009,9,7,川瀬信一様 031.JPG

これならわかりますよね。
(下の写真です)

2009,9,7,川瀬信一様 033.JPG

2009,9,7,川瀬信一様 035.JPG

ね、これでは畳が凹んで当然でしょう・・・

2009,9,7,川瀬信一様 036.JPG

コンパネは水分にとても弱いですからね。
床下の湿気や結露の水分を吸ってしまうとこのように
自然とはがれてしまいます。

2009,9,7,川瀬信一様 037.JPG

2009,9,7,川瀬信一様 038.JPG

ドライバーで突っいてみると・・・
あらら・・(下の写真です)

2009,9,7,川瀬信一様 040.JPG

2009,9,7,川瀬信一様 042.JPG

2009,9,7,川瀬信一様 043.JPG

どれも簡単にはがれてしまいますね。

2009,9,7,川瀬信一様 044.JPG

含水計で各部の水分を測るとメーターは急上昇・・・
かなりの水分を吸っているのがわかります。
(下の写真です)

2009,9,7,川瀬信一様 055.JPG

前回の廊下の場合はここまでの劣化は進んでいませんでした。
だから、補強でも十分対応することができました。

でも、ここまで劣化が進んでいると補強で直すのはもう無理です。
もうリフォームしかないですね。 床板の張り替えです。
まあ、こうなるまでには何年もかかりますが、床下の通気が悪かったり
すると意外と早くこうなります。

2009,9,7,川瀬信一様 032.JPG

前にも「床板はコンパネじゃなく杉板にしたほうがいいですよ」
と書いたことがありますが、その理由がこの写真をみたらわかって
いただけるかしら?

そうですよね、杉板なら湿気が強くてもすぐにはこうはなりません。
それに杉板なら「はがれる」こともないですしね。 まあ、杉板も腐朽菌に
やられるとボロボロになってしまいますが、それでもコンパネよりは数段
長持ちします。

ということでみなさん、できたら床板にコンパネを使うのは止めましょうね。
これ、大事なことだと私は思っています。

で、もうちょっと突っ込んで書くと・・・最初に「自然な劣化」という言葉を
使いましたが厳密に言うと・・では「自然な劣化」ってどういう意味でしょう?
というか、劣化の原因ってなんでしょうか?

2009,9,7,川瀬信一様 036.JPG

このブログに、お付き合いいただいてる方ならすぐにわかりますよね。
そう、劣化の原因とは「腐朽菌」です。 では腐朽菌の繁殖を止めるには? 
そうですね。 答えは「通気」です。
 
今日の写真はいろんな意味で多くのことを教えてくれます。 
見方を変えれば「腐朽菌の怖い」写真・・・とも言えますね。

きりがないのでこのへんで止めましょう。
とにかく「床板にはコンパネを使うのはなるべく止めましょう」ね。
今日はこれだけ覚えてくださいね。

個人的には杉の荒板をおすすめします。 費用だってコンパネとそうたいして
変わらないはずですから。 

最後までお付き合いいただいて、ありがとうございます。
少しでもみなさんの参考になったら嬉しいです。
それではみなさん、ごきげんよう。

ジョークです。


         <ジョーク

ある夫婦がささいなことで喧嘩をしていた。
お互い自分が悪いとは認めたくない。

「自分が悪かったと認めてもいいわよ、」
妻は和解案を切り出した。

「もし、私が正しいってあなたが認めてくれるならね」

夫はうなづき、紳士のごとく、妻にお先にどうぞと
レディー・ファーストを勧めた。


「私が悪かったわ」妻は言った。


夫は目を輝かせながら答えた。
「そのとおり!」


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シロアリVS腐朽菌 [腐朽菌]


みなさん、こんにちは。

今日のタイトルはあんまり適切ではないなあ、と思っています。
というのは、今日はシロアリの話ではなく腐朽菌の話だからです。

で、腐朽菌なんていってもねえ、興味ないですよね。
だって、シロアリと腐朽菌を並べたら、知名度としては圧倒的に
シロアリのほうが有名ですものね。

でも、実はシロアリに勝るとも劣らず腐朽菌も凄いんですよ。
私はもっともっと腐朽菌についてもみなさんに知って欲しいと思って
います。 腐朽菌もシロアリくらいに有名になって欲しいんです。

で、どこが凄いのか知っていただきたくて「シロアリVS腐朽菌」
というタイトルにわざとしました。 まあ論より証拠です。 
下の写真を見てくださいね。 つい最近の工事のものです。
P7020079.JPG

P7020080.JPG

P7020081.JPG

P7020077.JPG

P7020078.JPG

P7020082.JPG

P7020085.JPG

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P7020089.JPG

すごいボロボロですね。 これらはみんなシロアリの被害ではなく
腐朽菌の被害です。 ね、腐朽菌って凄いでしょ。
シロアリに劣らない被害です。

これはシロアリの喰害です、と言ったらふつうは信じてしまいそう。
ですが微妙に違うのです。 正直言うと、私も調査の段階ではシロアリの
被害だと思い込みそうになりました。 

でも、実際の工事になって初めて、これはどうも違うぞと気付きました。
というのはシロアリの被害と同時進行にみえたからです。
実際、シロアリもたくさんいましたしね。

たとえば同時進行の写真を見てください。
下の写真です。
P7020083.JPG

P7020084.JPG

木の中の茶色っぽいのが混じっていますね。
シロアリの運び込んだ蟻土(ぎど)です。 腐朽と喰害が共存しています。
これは間違いやすいです。

で、腐朽菌の場合はこうなります。
下の写真です。
P7020087.JPG

P7020088.JPG

わかりますか?
木の内部が長方形にボロボロになっています。
これが木を分解するときの腐朽菌の特徴的な形跡です。
長方形にボロボロ・・・これが腐朽菌の特徴です。

土地環境がとても湿気の多い地域の住宅でした。

ということで、みなさん。 シロアリも怖いですが、それに負けずに
腐朽菌も凄いんだということを知ってくださいね。

で、じゃあどうしたらいいんだ? ということですが、実は最近
奇妙というか、床下の湿気がとても強いのに土台は傷んでいない
家を調査しました。 下の写真がそれです。
P6170025.JPG

P6170018.JPG

P6170019.JPG

P6170020.JPG

P6170021.JPG

P6170022.JPG
床下の土壌はほんとにたくさん水分を含んでいて、来ていたツナギも
濡れてしまうほどだったのに・・・なんだかこの家はシロアリの心配は
なさそうだなあと思いました。 けっこう古い家です。

最近の言葉ではこういうのを基礎パッキン工法といいますよね。
昔は「土台に駒をはかせる」とか「猫土台」っていいました。
じゃあ、基礎パッキン工法って優れものなんですね?ということに
なりそうですが私は最近のには疑問をもっています。

というのは、写真では外の明かりが見えますよね。 これが大事。
最近の基礎パッキン工法では外壁の下部がパッキンを隠してしまう
施工が多いように感じています。 これではせっかくのパッキンも
意味がないのでは? と思います。
(事例写真がないのでわかりにくい説明ですね)

とにかく、せっかく基礎パッキンにするのなら写真のように床下から
外が見えるくらいにして欲しいのです。 そうすればたとえ土地環境が
湿地でも土台は腐らないですからね。

なんだか脱線してしまったようですね。
腐朽菌とはそもそも何なのか?について説明したかったのですが
長くなりますのでそれは次の機会にしましょう。

まあ、シロアリに負けないくらい腐朽菌って怖いんだということ。
それをお伝えしたかったのです。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。

それではみなさん、ごきげんよう。 おやすみなさい。

ジョーク

ある大企業が人食い族の一団を雇用した。 
入社説明会で人事担当者は歓迎の意を表する
;「みなさんは我がチームの一員です。」


「会社規定の福利厚生はすべて利用できます。カフェテリア
での食事も認められていますが、仲間の従業員だけは
食べないでください。」 人食い族たちは約束した。


四週間後、上司が注意を喚起する
;「君たちは皆働き者だ。 感謝していますよ。 さてと、最近
秘書の一人が姿を現さないんだが、君たちは何か事情を
知っているかね?」 
人食い族全員首を横に振ってノーと表明。


上司が立ち去ると、リーダーが人食い族仲間に問い詰める
;「どの馬鹿が秘書を食っちまったんだ?」 オズオズと手を
上げた仲間へ向ってリーダーは叱責を続
ける
;「お前、アホか! この四週間、オレたちは中間管理職の
連中を食ってきたんだ。 その結果、誰にも気付かれなかった。 
絶対にアカンぞ。 秘書を
食ったら気付かれちゃうんだ!」




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木材腐朽菌の怖さについて [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

木の説明が(かなり不完全でしたが)大体終わりましたので、
今日は腐朽菌という微生物について説明します。 
もうちょっとだけ我慢してお付き合いくださいね。

まず、木材腐朽菌って、固有名詞ではなくて、木材を腐らせる
菌類の総称のことです。 そのへんの説明から始めます。

生物は植物・動物・微生物の三つに分けられます。  
で、この三つの関係は・・・植物を動物が食って、その動物が
死ぬと微生物が分解して土に戻し、再び植物がその土と
太陽
エネルギーで成長する・・・この繰り返しになります。
(おおざっぱですねぇ)
 
で、この微生物のなかでカビ・キノコの一群を菌類と呼びます。 
菌類の生殖細胞を胞子といいます。 胞子をつくる方法によって
菌類は更にこまかく分類されます
・・・・てなこと言ってもつまらないですね。

まあ、カビ・キノコの一群が木材を腐らせる元凶だと思って
くださいね。 

で、木材を腐朽させるたくさんの菌類のなかで特に強力に
腐らせる菌に絞って説明します。 
見かけによって白っぽい菌と、茶色っぽい菌に分けますが
白っぽい菌を総称して「白色腐朽菌」。 
茶色っぽいのを「褐色腐朽菌」と呼んでいます。

白色腐朽菌には・・カイガラタケ、カワラタケ、スエヒロタケ・・・
褐色腐朽菌にはイチョウタケ、イドタケ、キカイガラタケ・・・等が
あります。 
また白色腐朽菌は広葉樹を腐らせ、褐色腐朽菌は針葉樹を
腐らせる・・・なんて言っても、これまたつまらないですね。

そこで、腐朽菌の脅威を感じてもらうために下の写真をご覧ください。

まずは褐色腐朽菌にやられるとこうなります。 
表面が茶色っぽくなっていると内部はご覧のようにスカスカに
なっています。


 IMG_0002.jpg 

 白色腐朽菌はこんな感じです。
 IMG_0003.jpg

これは白色ですが、木材腐朽菌より強力なチカラを持っている
カビ(不完全菌類)による軟腐朽・・・高含水率の木を好んで
分解します。

 IMG_0004.jpg

で、最後に強烈なヤツ、「ナミダタケ」。
こいつは新築1~2年の住宅でも建て替えしなくてはならない
くらいの重大な被害を与えるチカラをもっています。 
最強の腐朽菌といってもいいと思います。 涙のカタチに似て
いますからナミダタケっていうらしいですが。

 IMG_0001.jpg
 で、最後に下図を見てください。
 IMG_0005.jpg

このグラフで何をお伝えしたいかというと・・・・
たとえば、腐朽菌によって木材の重量が10%軽くなると、
その木材の強度はなんと一気に40%くらいに落ちてしまうこと
。 
そして初期の腐れほど見た目はたいしたことがないように見えることです。
 
これは考えようによってはシロアリより数段怖いといえます。 
木の強度を半減させるスピードがシロアリよりも速いからです。

で、こんなことってほとんど一般には伝わっていないように思います。 
腐れかあ~、まあ腐れは自然現象だからねぇ~という感じかしら。 

以下、順不同ですが写真を見てくださいね。
見た目は迫力ないですが、これらの木材はどれも末期的に強度が
落ちているものばかりです。

 2002_0101A0003.JPG
 2002_0101A0008.JPG
 2002_0101A0009.JPG
 2002_0101A0022.JPG
 2002_0101テスト0013.JPG
 2002_0101テスト0025.JPG
 2002_0101テスト0014.JPG
 2002_0101テスト0016.JPG
 2002_0101テスト0017.JPG
 2002_0101テスト0023.JPG
 2002_0101テスト0020.JPG
 
で、このような腐朽菌の発生する場所としては・・・

  1. 水周り・・・浴室、脱衣所、トイレ
  2. 雨水の跳ね返る場所・・・玄関たたき、雨樋の近く、
    植木が近くて雨水がはねかえるところ、
  3. 雨仕舞い・・・雨仕舞いの悪いところすべて。
  4. 雨漏り箇所
  5. 床下と小屋裏の換気不良
  6. 基礎が低すぎる場合。
  7. 漏水箇所。
  8. 結露
  9. 雨がかり・・・ベランダ、縁側、物干し場。
  10. 陸屋根
  11. 近隣植生・・・樹木や植え込みが建物と近過ぎる。
  12. 含水率の高い部材。

きりがないですね。 そろそろ終わりにしましょう。
あー、なんかメチャクチャまとまりのない内容になってしまった
気がします。 
お伝えしたかったことの半分くらいしか書けなかったような
欲求不満な気分です。 反省、反省。

皆さん、きっとつまらなかったでしょうね。
我慢して読んでいただいてありがとうございます。
それではごきげんよう。


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木の腐れ=腐朽について ③ [腐朽菌]


 皆さん、こんにちは。

えーと前回の続きを書きます。 
といっても正直言って、どういう順序でどういうことを書けばいいのか少し
迷っています。 前回もだいぶ後半が脱線しっぱなしになりましたので・・・。

お伝えしたいのはシロアリ以上に腐朽って怖いですよ、ということなのですが・・・。
で、当たり前ですが腐朽って木に起こりますよね。 だから腐朽菌のことと木のこと
の両方を説明しないとピンとこないですよね。

で、木の性質については案外身近すぎて逆に知らないことが多いのではないかなあ
と思いました。 
あっ!また脱線しそうなので今日は①木の性質と②腐朽菌のふたつに絞って
ほんとに必要最小限ですが皆さんに知って欲しいことだけ書いて見ます。

で、早速ですが、初回の内容についてマルコメXさまから頂いた質問に応える
カタチで始めますね。質問の概要はこういうことだと思います。

「木は水分量が多ければ多いほど腐りやすい。 それなのに何故どっぷりと
水に漬ける水中貯木って腐らないの?」

それは腐れの条件のひとつ「酸素が木から押し出されるから・・・」
といっても、いまいちピンとこないと思います。 
で、下の図を見てくださいね。

 IMG.jpg
 
これは木の細胞に水分が染みこむ順序の説明です。
左から順に1・2・3・4・5とします。

  1. の図は「乾燥状態」です。
  2. は「水分が細胞壁に染み込んだ状態」
  3. は「水分が完全に細胞壁に染み込んだ状態」
  4. は「水分が細胞の空隙(内腔)にまで侵入した状態」
  5. は「水分が細胞壁と空隙(内腔)にまでに完全に染み込んだ状態」

で、この4の状態のときだけ腐朽が起こります。 

なぜって、細胞の空隙(内腔)に空気があるので腐朽菌が繁殖できるからですね。 
1・2・3・5の状態では腐れは発生しません。

2・3の状態のときの水分を「結合水」と呼びます。
の細胞の空隙(内腔)にまで侵入した水を「自由水」と呼びます。 
この自由水が木の腐れを起こします
。 結合水だけでは腐れは起きません。

 IMG_0003.jpg
 
で、の状態が「水中貯木」の状態になります。

の状態をもっと詳しく図解すると・・・
 IMG_0002.jpg
 
・・・・こんな感じになります。
ちょっとつまらないですよね。 まあこんな感じで内部から分解が始まる
程度にご理解くださいね。

すっかり教科書的な説明になってしまってやっぱりつまらないですよね。 
あ~あ筆力のないのがうらめしい。

ちなみにの状態の水分は「気体」です。 
この段階では床下でも壁内でも腐れは起きません。 の状態の水分は「液体」です。
つまり、私達の暮らしでは「結露」などになります。 

結露が木材を芯から腐らせる元凶といえます。 
多少の湿気はあってもOKですが、液体の水分=自由水=具体的には結露・・・・
には木材を元から破壊するチカラ(腐朽)があるというふうにお考えくださいね。 
結露を甘くみてはいけないということかしら。

 
おそらく今日は相当に退屈な内容になってしまったと思いますのでこの辺で。 
最後まで読んでいただいた皆さん、ご苦労さまでした。 面白くなくてごめんなさい。

腐朽菌については次回にさせてくださいね。
(もっとつまらなくなるかも?)

それでは、ごきげんよう。
 
 


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木の腐れ=腐朽について ② [腐朽菌]


 皆さん、こんにちは。

今日はちょっとだけ退屈な内容になるかもしれません。
もし、前回の「木の腐朽・腐朽菌・含水率」などについて少しでも興味を
もたれたらお付き合いくださいね。

・・・というのは前回の内容は舌足らずだったと思いますので。 
そう、含水率の話です。 で、ちょっとおさらいします。

木に含まれる水分量を含水率といいます。 
で・・・

  1. 含水率が高い木=湿った木・・ほど腐れ易いのです。
  2. 含水率の低い木=乾燥してる木・・ほど腐れにくいですね。 

これは誰でも常識的にそう思いますよね。 

では「水中貯木」。 これはどういうことになるのか?
ふつうに考えれば川に丸太を浮かべるのですから当然、丸太がたっぷり
水を吸ってしまいますよね。 つまり、とても含水率が高くなるわけです。 
すると・・・腐る・・・と思いますよね。
 
ところが、「水中貯木」の木は腐らないのです。 
というか、腐らせないためにわざわざ「水中貯木」をします。 
なぜ腐らないの?って思いますよね。 

それには、その前に木はなぜ腐るのか? 
つまり、木が腐るとはどういうことなのか? 腐るための条件とは何なのか?
についての説明が必須でした。

前回は、この説明が大雑把すぎたようです。 
それで、そのへんの事情をちょっとだけ詳しく説明します。 

で、それにはそもそも木ってどういう素材なのか、からお話ししたほうがいいと
思いました。 腐るっていえば木ですからね。 コンクリートが腐ることってない
ですものね。 木だから腐るわけです。(しつっこいなあ?そろそろ退屈?)

皆さんはコンクリート建造物と木造建造物ってどっちが長持ちすると思いますか? 
ふつうに考えればコンクリート建造物のほうは半永久ってイメージじゃないですか? 
だって、木のほうは火事では燃えるし、シロアリやキクイムシには食われるし、
雨風、地震や自然災害にも(コンクリート建造物と比べると)どうみても「弱い」って
いう感じですもんね。

でも、実際は違うんですよ。 たしかに上記のマイナス要因はありますが、
それ以上にプラス要因のほうが多いのです。 コンクリート建造物の寿命って
平均して40年くらいですね。 ところが、木のほうは「適切な管理」さえすれば
なんと200年は大丈夫です。 

なんで200年かというと木自体にはそれくらいの潜在能力があるからです。 
200年かかって成長した木は建築に使っても更にその成長した年数(200年)は
確実に持ちます。 それどころか木は伐採してから200年後が最強の強さになります。 

ちょっと大雑把な説明ですが基本的にはそういえます。
その証拠が法隆寺。 築1300年の法隆寺。 勿論ときどきリフォームして
いますが基本的な構造材は1300年前の材木のままです。 

それに一見マイナスな木の腐れも大きなプラス要因ともいえるのです。 
なぜって木は腐って「自然に還ります」がコンクリートは邪魔な廃棄物になるだけ
ですものね。 「木が腐る」って実はとてもステキなことでもあるのです。

あらら・・・。 すっかり腐れの説明から脱線してしまったようです。 
でも、腐れの説明の前にこれらのことについては是非知っておいてほしかった
ものですから・・・ごめんなさい。
長くなりそうなので次回に続きを書きますね。 

今日はここまでにさせてください。
それでは皆さん、どうか次回も続きを読んでくださいね。 
なるべく分かりやすく書きますので。 ごきげんよう。


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木の腐れ=腐朽について [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

「湿った場所」にある木っていずれは腐れますよね。
それって「自然現象」だと思いますか? つまり・・・
腐れ=自然現象=だから仕方のないこと・・・っていうふうに
私達はなんとなく思い勝ちではないでしょうか?

で、今日はこの腐れについて一言。 
ちょっとだけ、この腐れ=自然現象=だから仕方のないこと
・・・という観念を変えてみて欲しいのです。
(前にも同じようなことを書いた覚えがありますが・・)

写真を見てくださいね。
そのほうが判りやすいと思いますので。

まず最初の一枚・・・
よく見る床下の光景です。 見た目は特別変ったこともないよう
ですね。 木部がちょっと黒っぽいこと以外は・・・
 DSCF0335.jpg

なんとなく束柱が傷んでいる感じはしますが・・・
でも蟻道もないのでシロアリは侵入していないようです・・・・
ところが・・・
 DSCF0338.jpg

ドライバーを差し込むと・・・
あら!簡単に刺さってしまいました。
 DSCF0339.jpg

ついでに、くじって見ると・・・これも簡単に剥がれてしまいます。 
まるで発泡スチロールをくじっているような柔らかくて軽い感触が
します。
 DSCF0342.jpg

面白いようにドライバーが刺さってしまいます。
へぇ~! これってもしかして内部が空洞化しているからシロアリ
でもいるのかなあ?
なんて思ってしまいます。 あるいはキクイムシのせいかしら?
 DSCF0343.jpg

で、実はこれが木の腐れ=腐朽のチカラです。
シロアリやキクイムシに負けないくらいに木を破壊してしまう力・・・。 
これが腐朽のチカラです。(しつっこいなあ)

これは自然現象でしょうか?
自然現象だからどうにもできないことなんでしょうか? 
いえいえ、これも(目には見えませんが)れっきとした「腐朽菌」
という「菌」の仕業です。
つまり、菌という「生き物」の仕業です。

菌はシロアリやキクイムシに比べると、あまりに小さな微生物
なのでどーしても見過ごしてしまいます。 
なんか木に黴がついてるなあ~っていう感じですね。 
まさかその黴が木を内部から破壊するチカラを持っているなんて
ふつうは思わないですよね。

では、この腐朽菌ってなぜ繁殖するんでしょう?
腐朽菌が繁殖するためにはいくつかの条件が必要です。
酸素・温度・栄養・水分です。 
ですから、もしこのうちひとつだけでも阻止できたなら木の腐れを
ストップさせることができます。

川に丸太を浮かべている光景を見たことはありませんか?
アレは水中貯木といいます。 
ふつうに考えたら川=水分・・・に丸太を漬けたら腐ってしまうだろ?
って思いますよね。 
ところが水中貯木は「木を腐らせないための方法」です。 
意外でしょう。

・・・というのは、木を水に漬けることによって木材内部の酸素を
押し出してしまい・・・従って、先ほどの腐朽の条件のひとつを無く
することができるからです。 ちょっと「目からうろこ」じゃないですか。

あと、ときどき発掘調査で地中の木片が発見されたという新聞記事
を読んだことはないですか? 古代の木片なのに、腐らないでしかも
書かれてある文字も読めたなんていう記事。 
これも地下水に長く漬かっていた木片が「酸素に触れない」条件
だったからですよね。

床下の場合は結露や湿気で、ある程度以上の水分を木が吸い
込むことによって腐れがはじまります。 これを木材の含水率と
いいます。 
で、腐れが始まる木の水分量は決まっています。 

ということは・・・床下の木を腐らせないようにするには常に
「腐れが始まらない程度に」木の水分量を下げてあげれば
いいわけですね。 すると腐れは止まります。

だから、この「含水率を下げる」ってことは家の寿命を伸ばすため
にはとてもとても重要な条件になります。 
神社とか、お寺の床下がなぜ何百年ももつかというと、この含水率が
とても低いからですよね。

・・・ということで今日は腐れについてのお話でした。

  1. 腐れは自然現象ではなく菌という生き物の仕業であること。
  2. そして、それは充分阻止できるんだ、ということ。
  3. シロアリやキクイムシに負けないくらい腐朽菌ってすごい
    チカラを持っているんだということ。

 ・・・それを皆さんにお伝えしたかったのです。 

では、腐れを止めるには具体的にどういう方法があるのでしょうか? 
それについては長くなりそうなので次の機会に説明しますね。 
今日はこのへんで。

それでは皆さん、ごきげんよう。
(以上の知識は、知っている方からすれば珍しくもないことなので・・・
なんだか当たり前のことをくどくど書いたかなあっていう気もしますが)


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フキューとシイタケと床下換気扇 その③ [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

いきなり前回の続きの続きを書きます。

たとえばシロアリの被害の「原因」は、当たり前ですが木を食う「シロアリ」ですよね。 
だから原因であるシロアリを殺せば解決します。 

では木を腐らせる「原因」は何だと思いますか? そうです。 
「木材腐朽菌」という菌が原因ですね。 で、なぜこの菌がシロアリ以上に厄介な
ヤツなのかというと、この菌はシロアリみたいに完全に殺すことができないからです。

なぜ殺すことができないのかというと、腐朽菌はキノコと同じく「胞子」で繁殖する
からです。 もうこの腐朽菌の胞子は空気中のどこにでも漂っています。 
なんと成層圏にも漂っているそうです。 目に見えない杉の花粉みたいな
イメージでしょうか。 

つまり・・・・

  • シロアリ被害の原因=シロアリ ですが
  • 腐朽の原因=空気中に漂う胞子

ですから胞子をシロアリみたいに駆除することは不可能です。
という説明なら・・・「なぜこの菌がシロアリ以上に厄介なヤツなのか」ということが
分かっていただけるでしょうか?

そこで、胞子そのものが駆除できないのなら、胞子の繁殖条件を制御するしか
方法はありません。 空気中にどこにでも漂っているこの胞子は木材に着床して
繁殖します。 この着床した木材の水分量が多いか少ないかで繁殖するか
しないかが決まります。 

なんだか当たり前のことをわざわざ難しく書いている気もしないではないですが・・・
つまり、ここで「木材の含水率」が決め手になるわけですね。 
簡単に言えば胞子が着床してもその木材が乾燥してれば腐朽は起こらない
わけです。

某中堅ハウスメーカーが「特別な乾燥室」でこの「含水率の低い木材」を
生産・使用していることをウリに宣伝していますがそれはこういうわけだからですね。 
(もっともその乾燥室にも問題はあるのですが・・それは別の機会に)

で、床下換気扇や床下調湿剤はこの「含水率」に対しては効果があるのでしょうか? 
もちろん何もしないよりはいいでしょう。 
でも確実に「含水率」を20%以下にできるかといえば疑問です。 
私の床下経験では若干の改善はみられますが、根本的に腐朽の進行までが
止まっているという例を今まで見たことがないのです。 
だから実際は床下換気扇+防腐施工とセットにすることが多いわけですね。

そして、これが私が床下換気扇や床下調湿剤を積極的にお勧めしない理由です。 
(床下換気扇や床下調湿剤のメーカーの皆さん、ごめんなさい。 もし効果的な
設置の方法があったら教えてくださいね)

つまり、ある程度の腐朽が進んだ段階では、現実的に床下換気扇や床下調湿剤
ではどうも芳しい効果は期待できないようです。 
ことばを変えていえば一度取り付いてしまった腐朽菌を排除することは
床下換気扇でも出来ないということです。

(ヘンなことを言いますが逆に腐朽が何も起きていない状態・・
つまり床下換気扇や床下調湿剤は新築時に施工したほうがかえっていいの
かも、なんて思います。 腐朽菌をとりつきにくい状況にするという意味でですが。 
あくまで「予防的処置」としてです。)

で、現実的に腐れを止めるには某メーカーの強力な木材防腐剤のほうが
はるかに効果があります。 
しかし、これは毒性も強力ですから神社仏閣以外の「人の住む場所」での
使用は危険なので、ほんとに必要なとき以外はお勧めしたくはないのです。 

 
(写真の白っぽい菌(白色腐朽菌)よりも実は黒っぽい菌(褐色腐朽菌)の
ほうが強力に木材を分解する力があります。 俗に言う黒かびです。 
これに注意してくださいね)

たぶん今までの説明は同業者の皆さんから見れば「何を簡単なことを難しげに
言っているんだよ」ってことになると思います。 
ただ、昨日だったか、またTVで悪質業者が床下に大量の床下調湿剤を撒いて
法外な料金を取ったとか報道されていました。 残念ですがそれも現実。 

こういう被害を減らすにはもっともっと「床下の現実」について皆さんに知識を
もっていただきたいのです。 そのためにこのブログを書いています。

だから精一杯分かりやすくを心がけているつもりです。 
だって床下業者が皆んな悪質なんて思われたら悲しいですからね。 
毎日、床下という狭く汚い空間でシンドイ仕事をしているのにこれでは報われ
ませんもの。 あーっ愚痴になっちゃった。 
やめますね。

 ・・・ということで、「木材腐朽菌が何故シロアリよりも厄介なヤツ」であるか
皆さんに少しでも伝わることを祈っています。 
(ほんとは含水条件とかもっと詳しく書くべきなんでしょうが皆さんに興味を
もっていただけるような書き方に自信がないので、この辺で終わりさせてくださいね。)
 
読みづらい下手な文なのに最後まで読んでいただいた皆さん、
ご精読有難うございました。

それでは皆さん、ごきげんよう。

 

 


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フキューとシイタケと床下換気扇 その② [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

前回はシロアリに劣らず、もしかしたらそれ以上に怖い「木材腐朽菌の話」でした。 
そして、その繁殖を止めるにはどうしたらいいのかでした。

シロアリは気づかないうちに被害を拡大しますが、この腐朽菌というのも同じです。 
でも、「腐朽=腐れ」・・・っていってもそんな怖いイメージはない、というか「恐怖感」は
感じないような気がしませんか? たとえば以前、お客様から聞いた話。

  • 「うちのお隣さん、この間、畳がベコベコしてきたんで大工さんに見ても
    らったら床下があちこち腐っていて大変だったって。 そういえば大工さんが
    何日も仕事していたなあ」


  • 「へぇー、それでシロアリはいたんですかね?」

  • 「シロアリもいたらしいけど、それよりも腐れがひどくて結局、床板全部と
    フローリングもみんな張り替えて畳も新品に変えたからお金が相当かかった
    そうだよ。」


  • 「このへんは元々が田んぼですからね・・・」

・・・こういう話を聞いても「お気の毒に」とは思っても「怖い」という気分には
あまりなりませんよね。 湿気で腐ったのかあ、そうかあ、お気の毒に・・・っていう感じ。 
ゾクッとするシロアリの恐怖感よりは易しい?感じというか。

腐朽菌による家屋の全国被害額統計ってあるんでしょうか?
もしあったとしたら私はきっとシロアリ以上の被害金額になっている気がします。 
たしかシロアリの年間被害額は火災のそれよりも上回っていて2000億円くらいって
聞いたことがあります。

この腐朽菌の被害って想像以上なのになぜか一般的にはそれほど怖がられて
いないのは「腐れは自然現象だから」という漠然としたイメージのせいかもしれ
ませんね。

それで、その怖さを感じてもらうために前回は・・・
「シイタケの原木がわずか数年で樹皮を残して内部がスカスカになること。 
それはシイタケ菌が木材の養分を分解、吸収するから。 およびそのメカニズムを
腐朽といい、実は木材を腐らせる腐朽菌もシイタケと同じキノコの仲間であること
」 
・・・を、お伝えしたかったのですが伝わったかしら?

で、前置きが長くなりましたが、じゃあこの腐朽菌に対してはどういう対応策が
あるのだろう?ということですが・・・床下専門業者としては真っ先に思い浮かぶ
のは「床下換気扇」ですね。 
では、一体、床下換気扇でこの腐朽菌に対抗できるんでしょうか? 

いきなり独断的な結論を言わせてもらえれば私の経験からは期待薄といえます。 
確かに「停滞している床下の空気を、床下換気扇で強制換気・攪拌する」ことには
一定の効果はあると思います。 昔の吹き抜けの床下のような状態に近づける
わけですからね。 

しかし「中基礎の問題」があります。 
現在は家の周りの「外基礎」のほかに各部屋の下も中基礎で床下が細かく
仕切られています。 中基礎にも通気口はありますがとても不十分です。 
まあ校舎の体育館のようなつくりなら、中基礎も細かくないですから効果は
あるかもしれませんが。 

ですから、もし床下換気扇で効果を出そうと思ったら、最初から中基礎を含めた
床下の空気の動き全般を充分計算したうえでなければ無理だと思います。 
徹底した空気力学?的な計算が事前に必要な気がします。 
たとえば換気扇を付けた通気口以外は全部塞いで床下に負圧状態を作り出す
とか!?・・・。

それにもっと重要な問題、それは腐朽菌の繁殖条件である「水分・温度・栄養・酸素」
のうち水分を・・・具体的には床下の土台等の木材の「含水率」を床下換気扇は
どの程度まで下げることができるのか?ということですが。   
「木材の含水率」、これが家の寿命を決める決定的なポイントですからね。
 
で、またここで「木材の含水率」・・・なんていっても一般の方にはピーンとこない
なじみのないことばですよね。 実はこれってほんとに重要なことなんですが。
 
何故、重要かというと、理論的には先ほどの腐朽菌の繁殖条件である「水分・温度・
栄養・酸素」のどれかひとつでも、もしカットすることができれば腐朽は起こらない

わけです。 

まず「温度」条件は4~45℃ですから現実的には制御は不可能。 
「栄養」っていっても木材そのものですからこれも不可能。 
次は「酸素」これだってまさか真空空間に私達は住めませんからね。 
ただし材木を水中に沈める「水中貯木」は例外。 

意外に思われるかもしれませんが「水中貯木」の目的は材木を水中に浸すことによって
材木中の空気を追い出すことです。 水中に浸漬した材木はだから腐りません。 
でも人類が水棲人にでもならなけりゃね。   

すると残るは「水分」の制御ということになります。 
木材含水率を20%以下にできれば腐朽菌は繁殖できませんからね。 

なんか分かりにくい説明ですね。 教科書的になったみたい。  
これじゃあなぜシロアリ以上に腐朽菌が厄介なヤツなのか、皆さんに伝わらない
気がしてきました。 う~ん・・・どうしよう?

続きは次回にさせてくださいね。 

それでは皆さん、ごきげんよう。

 (木材腐朽菌ということばは、木材を腐らせる多種類の菌の総称です。 
 写真は白い菌なので白色腐朽菌と呼びます)

 

 


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フキューとシイタケと床下換気扇  その① [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

皆さんはシロアリは怖いと思いますか? 
シロアリは実は地球にとってはかけがえのない益虫ですが、私達の大切な
住宅に被害を与えるという面では確かに大害虫ともいえます。 
家のローンがまだいっぱい残っているのにシロアリなんかに食われちゃあ
たまりませんものね。
 
では腐朽についてはどうでしょう? 
腐朽って怖いと思いますか? 私はこう思っていました。
「木を湿ったところに置いたり、あるいは水周りなんかは毎日水を使う場所
だからある程度腐っても仕方ないでしょう。 でもシロアリほど怖くはないでしょう」って。

で、シロアリ駆除で床下にもぐる回数が増えていくにつれ次第にその考えが
変わってきました。 腐朽が原因で畳がフニャフニャ、廊下がベコベコした家の
床下にもぐったりしていると・・・
「腐朽って、もしかしたらシロアリ以上にやばいかも!?」
なんて思われてきたのです。 

皆さんは、たとえばこの畳がフニャフニャ、廊下がベコベコした場合に原因として
真っ先に思い浮かべるのは何ですか? 
もしかして床下にシロアリがいるんじゃあないだろうか? 
と、ほとんどの方は心配なさるようです。 
 
ところが私の経験ではそのほとんどは腐朽です。 (もちろんシロアリが原因の
場合もありますが) 具体的には「木材腐朽菌の仕業」の場合が多いようです。 

でも、この木材腐朽菌とか腐朽とか言ったってねえ。 
一般の人にとっては関心のないことばですよね。 そこで私はわざと「フキュー」
なんてカタカナで書いたりしていますが。

で、前から「腐朽の怖さ」をどう説明したらわかりやすいかなあなんて思っていました。 
そこで、そうだ!シイタケの原木を例にとればいいかな、と思いつきました。 
ホームセンターでもシイタケの原木栽培のキットが売っていますよね。 
私も買ってきてシイタケ栽培をしたことがあります。 

で、キットの説明書どうりにシイタケ菌のついた木栓を原木に打ち込んで、
家の浴室の外回りに立てかけて後はほったらかし。 
浴室の外回りが一番ジメジメしていたのでキノコにはいいだろうと思ったからです。 
そしたらシイタケが続々生えてきました。 
(余談ですが実はシロアリも続々と原木に集まってきました。 ですから原木は
絶対に家の近くには置いてはいけません)

・・・そして1年も経ったら、原木は樹皮だけ残して中身はすっかり腐ってスカスカに。 
原木栽培をしたことのある人なら経験済みだと思いますがキノコが養分を
分解・吸収したからですね。
 
これって実は、床下が腐って「畳がフニャフニャ、廊下がベコベコした場合」と
まったく同じメカニズムです。 床下の土台や木部を腐らせる「木材腐朽菌」も
シイタケ菌も同じ菌類の仲間ですからね。 

繰り返しますが、この「木材腐朽菌」って、キノコの仲間で従ってキノコと同じように
「胞子」で繁殖します。 そしてこの繁殖力ってほんとに凄いですよ。
ではこの繁殖を止めるにはどうしたらいいでしょう?
 
長くなりそうなのでこの続きは次回にさせてくださいね。 
それでは皆さん、ごきげんよう。

(写真は木材腐朽菌が大引きに取り付いているところです)


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ベタ基礎の功罪? [腐朽菌]


皆さん、こんにちは。

私は、家の寿命を縮める最大の原因は、シロアリよりも腐朽だと
思っています。
以前、日本の住宅が先進5カ国ではもっとも価格が
高いのに寿命はもっとも短い、と書きました。
腐朽という点から見た場合、日本の高温多湿という気候風土も家屋
の寿命を短くしている大きな原因だと思います。

アメリカ西海岸のほうは、かなり暑い日でもジョギングして汗をかくこと
はないそうですね。汗が直接気体になって皮膚から蒸発するからという
ことです。
つまり、気温が高くても、湿度が低くて空気が乾燥しているので、
ベタベタすることがないと聞きました。

このような気候風土なら腐朽もおこりにくいし、それがアメリカの104年
という住宅寿命を可能にしている一因かもしれません。
高温多湿の日本とは条件がまったく違うわけですね。

前に大工さんから聞いた話ですが、いろんなハウスメーカーが集まって
いる住宅展示場というのがありますね。そこであるメーカーが展示用
住宅を建替えしたときの話です。多分5~6年経った住宅らしいのですが、
見た目はなんともないのに、解体したとき、外壁の裏側がカビで真っ黒に
なっていた、と驚いていました。

「今の家はビニールハウスと同じだからなぁ」という大工さんは多いですね。
つまりビニールハウス=高気密ということです。ペットボトルハウスなんて
いう人もいます。これも前に書きましたが、昔気質の大工さんは、とにかく
「家は呼吸させろ!」と呼吸の重要性を強調します。
土壁は呼吸するからいいといいます。

呼吸する壁といえば、シラス(火山灰)や炭、珪藻土を原料にした新しい
壁材も開発されています。(蛇足ですが、私のお客様がリフォームする際に、
部屋が黴臭いというので、珪藻土の壁材がいいらしいですよと提案したこと
があります。結果は大成功でした。ガラっと部屋の空気が変わったと大喜び
でした。)

  •  珪藻土とはプランクトンの死骸が堆積した土のことです。
     七輪が珪藻土でつくられています。ものすごい吸水力があります。

前置きが長くなってしまいましたが、昨日の腐朽対策として、まず「ベタ基礎」
から考えてみます。最近は地震対策の面からもベタ基礎のつくりが増えて
います。瑕疵保障制度が制定されたからでもあると思います。
私個人としては、ベタ基礎はなんとなく嫌いです。常識的にはいいことだと思い
ますが、いいことばかりではない面もあることを知っておいてください。
まずベタ基礎のメリットとしては・・・

  1. 耐震性能が上がるから地震に安心できる。
  2. 床下に土がないからシロアリ・その他の虫が発生しにくい。
  3. 床下に土がないから湿気・カビも排除できる。

こう並べるといいことだらけに思えますね。たしかにそういう面はあり
ますが、これらは皆、条件付で、と私はいいたいのです。
どういうことかというと・・

まず1については、在来工法の大工さんは、在来工法が地震に弱い
という認識は誤りだといいます。昔の家は地震のチカラを吸収するように
つくられていた、といいます。
たとえば漬物石のような楕円形の束石はそのための工夫だったと。
それと万が一、家が傾いたり歪んだ場合は、在来工法ならなんとか
なっても、ベタ基礎のつくりは手の着けようがないといいます。

2については、たしかに床下が土よりもコンクリートのほうがシロアリが
登ってくる確率は下がります。しかし、再三、このブログで申し上げて
いますが「コンクリートの下」は「シロアリの天国」です。
絶対に、コンクリートに、ひび割れや亀裂の将来起きないような丁寧な
施工をしないと、逆効果になってしまいます。それに「水抜き穴」は絶対
必要ですが、ここからシロアリが侵入したケースもあります。

3については、私は最も大きな疑問があります。
率直にいえば、床下から土を排除した住宅に住むことは、とても人間として
不自然な気がするのです。
人間は土からもエネルギーをもらって生きていると思うのです。
こういう考え方はヘンでしょうか?

{静岡大学のマウスの実験で、コンクリートと鉄と木製の箱でマウスの
子どもを飼育したら生存率がコンクリート7%、鉄41%、木製85%という
結果だそうです。またコンクリートと鉄で育ったマウスはストレスで明らかな
異常行動をしめして、親のほうも攻撃性が増したり、ちょっと考えられない
異常行動をしたそうです。}

また、コンクリートの弊害として、コンクリートから出る放射性物質「ラドン」
の問題があります。ラドンは強力な発ガン物質です。
日本の住宅は、世界でもラドン濃度が高いというデーターを読んだことが
あります。
それから「過乾燥」の問題もあります。具体的には、乾燥しすぎて材木が
ひび割れる、といったような。

なんかコンクリートの悪口ばかり言っているようですが、昔、私の床下
点検した家で、強烈に印象に残っている家があります。
その家は、当時としては珍しくベタ基礎でした。おまけに、ベタ基礎の上に
防湿シートをびっしりと見事に張っていました。地下からの湿気は完璧に
押さえ込んでいました。
しかし、完璧すぎて私が動くたびに煙のような細かいゴミが立って、咳き
こんでしまいました。強烈な「過乾燥」状態です。
たしかにシロアリの心配はなさそうでしたが、住んでいる人の健康はどう
なんだろう?と思った記憶があります。

前に、私は住宅は「高断熱・高気密」でなく、「高断熱・中気密」がいいと
書きましたが、その理由は、過度の乾燥は人間にも住宅にもマイナスだと
思うからです。
「腐朽が住宅の最大の敵である、」ということと矛盾するじゃないか、と
言われそうですが「過度の不自然な対策」は、必ずなんらかの弊害をもたらす、
気がするのです。

以上の要点をまとめると、ベタ基礎の際は

  • なによりも「施工の正確さ」と、
  • ベタ基礎といえども「通気性」は充分とらないと、弊害がおきやすい
    ということでしょうか。

ちょっとおかしく思われるかもしれませんが、私は物事を判断するとき、
けっこう「理屈ぬきで、それは自然か?不自然か?」を判断基準にする
ときがあります。「直感」といってもいいかもしれません。

今日は、だいぶ私の「独断と偏見」が混じった文になってしまったようです。
皆さんはどうお考えでしょうか?
今日はつまらなかったと思いますので、メモしておいたジョークを少し・・・・


先日、僕の友達とファミコンしていると通りかかった母が、
「お前たちはいいねぇ、毎日がエブリディで」と言った。
母はいったい何が言いたかったのだろぅ・・・。

家族そろって夕食をとっている時、
何かの拍子に怒った父が、
「誰のおかげでメシが食えると思っているんだ」と言おうとして、
「誰のためにメシを食ってんだ!」 と怒鳴った。

私と姉は「自分のためだよ」と答えた。

夫婦ゲンカの時、父が母に
「バカモノ!」と言うのを間違って、
「バケモノ!」と怒鳴ってしまった。

ケンカは更にエスカレートした。



それでは皆さん、ごきげんよう。

 

 


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もう一度、フキューを! [腐朽菌]


こんにちは、皆さん。

「腐朽菌」の怖さについて、もう一度写真を見てくださいね。         
なぜかというと、腐朽菌の「分解能力」について知るのにわかり
やすい写真だからです。

コレは某旅館の和室です。急に畳がへたるようになったので見て
くれという依頼でした。畳の下には「防虫マット」が敷いてありました。
防虫マットとは畳を敷くときに、畳屋さんが「湿気対策と虫除け」の
目的で敷くものです。

「防虫マット」は、かなり強力な防虫剤を滲み込ませて作ってある
のでシロアリでさえ忌避して、食べられることは滅多にありません。  
ところが「腐朽菌」は苦もなく分解しています。これが「腐朽菌」の
怖さです。

「腐朽菌」は糸状に広がるので、「糸状菌」とも呼ばれます。     
白く糸状に拡大しているのが分かりますか? 

「腐朽菌」は、たくさんの種類があります。そのうち主に木材を分解
する菌を総称して「木材腐朽菌」といいます。  これは「自然現象」
ではなく、れっきとした生き物による仕業です。

この「腐朽菌」が繁殖するためには、いくつかの条件が必要です。
簡単に言うと、酸素、栄養、水分、温度の四つの条件がそろって、
初めて木は腐朽菌にやられます。逆に考えると、この四つの条件の
一つでもカットすれば腐朽菌の繁殖はストップできるわけです。

川に材木を浮かべている光景を目にしたことはありませんか。 
普通に考えると、水に材木を漬けているのだから腐って当然、と
思い込みやすいですが、あれは「水中貯木」といって「木を腐らせない
ための知恵」です。

川に木を漬けることによって、木の内部の酸素を押し出して、腐れの
条件の一つである酸素をカットすることで腐朽菌の繁殖を防いでいます。

腐朽菌は、シロアリのように急激に木材を加害することはありませんが、
「いつのまにか、広範囲にわたって土台を分解」しますので、気が付き
にくい面があります。そして決定的なダメージを与えます。
その意味では、シロアリ以上に、とてもやっかいな菌です。

その格好が涙に似ているので通称「涙菌」と呼ばれる腐朽菌があります。
これは築後3年で家を倒壊させるほどのすざまじい分解力をもっています。
まだ全国各地にひろがってはいないようですが。

では、一般住宅で腐朽菌を繁殖させないためにはどうしたらいいので
しょうか?それについては少しずつ紹介していきたいと思います。 

皆さん、ごきげんよう。


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