SSブログ

シロアリとベタ基礎 [シロアリとコンクリート]

 

皆さんこんにちは。

「うちは床下がベタ基礎だからシロアリの心配はない」
と思っていませんか? そう思っている人は多いのではないかと思います。 
だってコンクリートを齧ってまでシロアリは侵入してこないだろう。 もっともです。 
単純にそう思ってしまいがちですよね。
 
厳密に言うとシロアリにはコンクリートに穴を開ける力はあります。 
しかし、それはよほど運が悪い場合で、現実にはそうそうないでしょう。 
シロアリにとってはわざわざそんな面倒なことをしなくても食べ物はいたる
ところにたくさんあるからです。
しかし、それでもあえて「コンクリート」は危険な面があることを知っていただき
たいのです。 「シロアリに対してはコンクリートは諸刃の剣」なのです。

どういうこと? とお思いでしょう。 その理由は・・・

たとえばベランダ・・・でもなんでもいいのですが・・・地面をコンクリートで覆う
工事をするとします。 この場合、最初に枠板でコンクリートで覆う範囲を
仕切ります。 そして仕切った範囲内にコンクイートを流し込んで固めますね。
そしてコンクリートが固まったら枠板を取り外します。 
このときほぼ90%の確率で枠板にシロアリが付いています。 

これはどういうことかといいますと、「コンクリートの下はシロアリにとって
最高に居心地のいい環境だからです。」
 
単体でのシロアリは日光にも耐えられないほどとてもか弱い昆虫です。 
だから「蟻道」という外郭を作ります。 そうでなければたちまち他の昆虫に
襲われてしまうからです。

シロアリそのものはとても弱い生き物です。 だから「堅くて」「他の昆虫から
常に身を守らなければならない頑丈な生息環境」が必要になってきます。 
それに雨・風・雪といった自然の脅威からも。 コンクリートの下はこういう
条件がすべて揃っています。 

シロアリにとってはコンクリートの下は実に「安全」で「水分補給」も
コンクリートがしてくれるので、とても都合がいいのです。 
シェルターみたいなものでしょうか。 もしコンクリートの中に枠板の残り木や
残材が取り残されていれば、もう食料にもなってシロアリにとってはウハウハの
環境です。

(先ほど、「コンクリートもシロアリは齧って穴をあける力がある」と
書きましたが、人間にとってコンクリートは堅い石のようなものでもシロアリに
とっては「荒い石の固まり」にすぎません。「齧る」というより「外す」という
かんじです。)

どうですか、なんとなくコンクリートはシロアリにとっていい環境であることが
お分かりいただけたでしょうか。 

そして最近は床下がこのコンクリートで覆われたベタ基礎の家が増えています。 
「シロアリにとって最高の環境の上に家がある」わけですね。 
これはとても危険とは思いませんか。 
思いませんよね。 こういう事情を知る前ならば。 


nice!(3)  コメント(3)  トラックバック(1) 
共通テーマ:住宅

nice! 3

コメント 3

こう

地震を考えると、ベタ基礎がいいんですよね。
家について、根本的に考え方を変えないといけない気になりました。
といっても、素人が何をどう考えればよいやら。
by こう (2007-10-09 12:25) 

たいせい

 結局、新しい工法や建材が開発されても、それが適当なやり方であるのか判別できるのは20年30年経った後でないとハッキリしたことが言えないと言うことなのでしょう。
 断熱についても、「内断熱」「外断熱」、また具体的な方法など様々な議論がありましたが、5~10年たって結果として結露が引き金になった虫害や構造材の腐朽などの問題ともなっているようです。

 ハウスメーカーなどは、新しい材料や新工法が好きなようですが、日本の気候風土の中での有効性がさほど実証されているわけではなく(せいぜい30年で、第1世代の住宅で問題になり改良が加えられた工法の実証実験段階だと思っています)、将来どんな事態になるのか?心配でなりません。
(勿論屋根材についても同様で、金属屋根やコロニアルなど、本当に大丈夫なのでしょうか?)

 この記事は、大変勉強になりました!
by たいせい (2007-10-09 12:42) 

toyo

こう様、たいせい様
コメントありがとうございます。 
じ、実は「下書き保存」したつもりが・・・
「公開」になっていました。 続きを書きますのでよろしく。
それに、こう様の「根本的に考え方を変えないといけない」と私も思います。
たいせい様のおっしゃることにも全く同感です。
新しい屋根材の耐久性も未知数ですよね。
100年住宅なんてメーカーは宣伝していますが100年後のことなんて誰もわかりませんもの。
by toyo (2007-10-09 22:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。