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シロアリ豆知識~シロアリと地震 [地震]


皆さん、こんにちは。

新潟県では近年地震が頻発しています。
皆さんの地方ではどうですか? 最近も少し揺れたらしいですが
私は気づきませんでした。 

うまく言えませんが究極の地震対策って「逃げる」ことだと私は
思っています。 いろんな耐震技術がさかんに発表されていますが
所詮は自然が相手です。 自然をコントロールできるって思うこと
自体が人間の驕りかもしれません。

・・・とは言っても実際問題できるだけの対策はしておいたほうが
いいに決まっていますね。 

そこで今日は「シロアリと地震」ということで書いてみます。
というのは、このことは意外と知られていないのではと思うからです。
 
まず、下の図をみてくださいね。
   
          IMG_0002.jpg

これは神戸市東灘区での調査結果(日本建築学会近畿支部編。
兵庫県南部地震木造建築物の被害)です。
 
簡単にいうと倒壊した住宅の80%がシロアリ・腐朽による被害を
受けていた。 被害が認められなかった住宅の倒壊率は40%未満。 
つまり、シロアリ・腐朽をほっておくと地震がきたときヤバいということ
ですね。

次の図をみてください。
これは在来工法住宅のいろいろな劣化の発生率を年数によって
示したもの。 十年過ぎると「雨漏り・結露・カビ」を圧倒して
「虫害」がすごいことがわかります。

         IMG_0001.jpg

 
この「虫害」を更に詳しくみてみたのが下図です。
建築後すぐにはキクイムシ類の被害が多いのですが
十年後以降はシロアリによる被害が圧倒的です。

        IMG_0002.jpg

つまり、在来工法の住宅に最も損傷を与えるもの・・・
それがシロアリということです。 シロアリにも湿った木材を好むもの
もいれば乾いた木材を好む種(乾材シロアリ)など種によって特徴が
あります。

で、この4枚の図からいえることは「シロアリ被害と地震の倒壊」との
間には明らかに関連性があるということです。
 
かなり大まかな説明ですが概要だけでもわかっていただければと
思います。 
兵庫県警の発表ではこの阪神・淡路大地震で亡くなられた人の
80%以上が住宅の倒壊による圧死とされています。 
人を守るはずの住宅が人命を奪ってしまったのです。

以上は住宅の構造と古さから大雑把に書いてみただけで、
他の要因・・・断層からの距離・地盤の種類等は除外していますので、
あくまで参考ということでお考えくださいね。

4年前の地震の後にお客様から耐震について相談を受けました。 
それで大急ぎで現在の耐震技術について調べた事があります。 
耐震関係の団体から資料も送っていただきました。 

その結果・・ホンネを言えばこの耐震工事は金になる、と思いました。 
(いやな性格ですね、私は)。 
でもボランティアで小千谷市などにお邪魔して現地をみると、
いろんな矛盾点が見えてきました。 
 
それになによりも地盤の問題が抜けていると思いました。 

つまり、どんなに頑丈な家をつくってもその家が建っている地盤が
悪ければ無意味に思えてきました。 だって傾いてしまったら躯体自体
が損傷を受けなくても住めませんものね。 
結局、耐震工事は・・・地盤まで責任がもてないから・・私はしてません。

地震で一番困る人は寝たきりのおじいちゃん、おばあちゃんです。 
それに子どもたち。 
まあ出来るだけの対策をこうじたらあとは「室内に逃げ道を確保して
おく」ことが重要だと個人的には思います。

今日はたまたま地震関係の本を調べていたので簡単ですが書いて
みました。 かなり面白くなかったと思います。 
最後まで読んでいただいた皆さん、ご苦労様でした。 
 
シロアリ屋としていえることは・・・
十年経ったら住宅のシロアリに注意しましょうね、ということかしら。
 
皆さんの参考になれば幸いです。

それでは、ごきげんよう。

 その他 028.jpg
 (みーこは地震が来たらどーしょうかニャア・・・)



(4月~6月は羽アリに注意してね)
(もっと詳細を知りたかったら私のホームページを参考に
してくださいね。全然更新していませんが・・・。
http://www.niigata-boucyu.com/ ) 
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ijimari

ちょっと、話がそれるかもしれませんが、
建築家のフランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルを
建設した後に、関東大地震が起きたのですが、
旧帝国ホテルはなんの損傷もなかったそうです。
それは、建築物がよかったわけではなく、
地盤がやわらかく、今で言う免震装置のような役割をしていたから
という一説もあるそうです。
なんにせよ、新潟県は、地震に気をつけなければなりませんね。
私のダイスキな新潟県ですから・・・・。
toyo様の言うとおり、逃げ足の速い人にならなくては(笑)
by ijimari (2008-05-04 23:23) 

toyo

なるほど、興味深い話ですね。
私、木製のパイルでも打っていたのかなあと思っていました。
それが地盤が軟らかかったからとは!
う~ん、まだまだ勉強が足りませんね、私。
ありがとうございました。貴重な情報です。
nice!もありがとうです。
by toyo (2008-05-04 23:38) 

tubomi

地震 鹿児島では小さな揺れはしょっちゅうあるのですが
大きな被害は 聞いた事がありません。
なので 地震対策は一番遅れているかもしれませんね~
桜島の爆発には 敏感ですが 逃げられないのが現状です。
災害は怖いですね。。。
by tubomi (2008-05-05 07:27) 

toyo

tubomi 様
新潟県は近年、地震、大雨とふんだりけったりの災難が連続して起きています。そのため雨が降るだけでもう怖がるこどももいるそうです。雨がトラウマになるなんて不幸なことですが。

ヘンな言い方ですが私も揺れにはもう慣れてしまった、という感じです。
地震に慣れるなんてこれもまたヘンですが・・・。t
ubomi 様の鹿児島も小さな揺れはしょっちゅうとのことですが、やっぱり慣れました?

またまたヘンなこといいますが、私は天災ってなにか自然からの人間の傲慢さへの戒めのメッセージという気がしてならないんですが。

nice!&コメントありがとうございます。
by toyo (2008-05-05 08:49) 

一真

大変、興味深いテーマでのお話で、勉強になりました。
by 一真 (2008-05-05 08:50) 

umi-_-yas

みーこはtoyoさんのネコですか?
by umi-_-yas (2008-05-05 19:40) 

toyo

一真 様
ほんの初歩的な内容なのにnice!&コメントをいただいて恐れ入ります。
ありがとうございます。
by toyo (2008-05-06 07:52) 

マルコメX

toyoさん、おはようございます。

ふたつのグラフですと、「虫害」あるいは「シロアリ」による建物の損傷は、15-20年をピークにガクッと落ちているようです。
これはつまり、築15-20年で、建物が倒壊してしまって、統計の範疇外になるので、結果として損傷率が低くなっているという、恐ろしい想像をしてしまったのですが、ほんとにそういうことでしょうか。

それとも、「虫害」と「シロアリ被害」にあった建物のオーナーは、15-20年あたりで「これはイカン!」と気付いて、損傷しないような対策をするから、一挙に折れ線グラフが下降するということなんダロカ?
by マルコメX (2008-05-06 07:55) 

toyo

umi-_-yas 様
みーこは1年くらい前に出会った・・・
というか、強引に我が家に押しかけてきて、居ついてしまった押しかけ女房ならぬ「押しかけ猫」とでもいいましょうか?
私が家にいるときは金魚の糞みたいに離れません。
私にとってはメチャクチャ可愛い相棒みたいな存在です。
nice!&コメントありがとうございます。
by toyo (2008-05-06 08:03) 

toyo

マルコメX 様
ひゃー!
誠に鋭い質門です。
正直言って私もそこまで想像さえしませんでした。
真相は調べてみないとわかりませんが・・・
おそらく関東関西地区の平均建て替え年数は18年ということですから・・「切り捨て」ているんだと思います。
つまり、20年以上の住宅は統計を取る価値もないというか・・・最近、200年住宅とか「量から質へ」とか国は住宅政策を方向転換させていますが、ちょっと前までは「なんでもいいから早く建替えろ!」が住宅政策のホンネでしたからね。あっ!まずいこと言ったかも。
nice!&コメントありがとうございます。
by toyo (2008-05-06 12:24) 

たいせい

 日本建築学会近畿支部編「兵庫県南部地震木造建築物の被害」の原文が入手したいです。
 実は弊社が加盟する愛知県陶器瓦工業組合の阪神大震災の実地調査報告書にも同様のシロアリ被害の多発が記載されており、屋根の重さ云々以前に事らの方が遙かに問題が大きいとの指摘がなされています。
(板金屋根・石綿スレート屋根の被災事例についても記述があったはずです。:粘土瓦業界の手前味噌と誤解されるのを恐れ、門外不出で一般には公開されていません。)
 もし、入手先が解りましたら教えていただきたいのですが。
by たいせい (2008-05-07 10:05) 

toyo

たいせい 様
今回の内容は「住まいとシロアリ」海青社・出版からのもので、主にシロアリと建築の関わりが書いてありますが、屋根関係には記述は極めて簡単にしか書かれていないのでたいせい様の参考にはなりそうもないし・・・
約束できないのですが・・もしお尋ねの資料が手に入ったらお知らせしますね。すみません。nice!&コメントありがとうございます。

by toyo (2008-05-07 12:23) 

toyo

takemovies 様
地味な内容なのにnice!
ありがとうございます。今後ともお暇なときでも見てやってくださいね。
takemovies 様の見事な写真拝見しました。(もしかしてtakemovies 様はプロの写真家でしょうか?)
by toyo (2008-05-07 12:27) 

アキラ

十年経ったら住宅のシロアリに注意しましょう・・・是はいつも私も言っています。
しかし、このような資料があると、余計説得力がありますね。
by アキラ (2008-05-07 18:23) 

toyo

アキラ 様
たいした情報でもないですが参考にしていただけるとうれしいです。
おそらくアキラ様のほうがもっと専門的な耐震方法とか御存知だと思います。私のは付け焼刃の知識ですから。
nice!&コメントありがとうございます。

by toyo (2008-05-08 00:35) 

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