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でもね、メーカーの指示だからね・・・ [シロアリ]


みなさん、こんにちは。

今日はシロアリの予約はなかったので午前中はスズメバチの駆除。
で、駆除が終わった頃に、お付き合いしている長岡市の某工務店の
社長から電話。
  • 「急で悪いんだけど、例の新築のシロアリ防除を今日やって
     くれないかなあ」

  • 「いいですよ。 今日は午後からは急ぎの仕事は入っていない
    のですぐ行きましょうか? といってもPM1,30頃に現地着に
    なりますが・・」
  • 「悪いなあ、午後から床断熱を張るから助かるよ」

・・ということで急遽、現地に向いました。

で、着いてみたらびっくり! いろんなハウスメーカ-が忙しそうに家を
建てています。 ざっと数えただけでも20棟くらいの新築現場です。
いやそれ以上でしょう。


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  • 社長「ここだけは建築不況なんて関係ないみたいだ」

  • 私 「ほんとですね。 いまどきこんな忙しい現場があるなんてね
       でも、社長、屋根がまだですよね。 いいんですかやっても?」

  • 社長「仕方ないんだ。 床板を張っちゃってからだと床下にもぐれる
       場所がまるっきりないんだ。 報告も、しなきゃあならんし・・」


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で、今日の話はここから本題です。
まず下の写真を見てくださいね。 浴室です。

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内断熱です。 これは危ないなあ~。
  • 私 「社長、これって危ないですよ。 いずれシロアリが登ってきますよ」

  • 社長「いや、俺もそう思うよ。 別のシロアリ屋もそう言っていたよ」

  • 私 「それに浴室だけ基礎パッキンをしてませんね。 これって浴室の
       温度を下げないためでしょ?」

  • 社長「そうらしいね。 最近はみんなこうしてるようだね」

  • 私 「一度聞きたかったんですが、浴室の基礎に内断熱をして、基礎
       パッキンを塞ぐことで、そんなに浴室の保温が良くなるんですか?」

  • 社長「今のユニットバスは断熱性能がいいからね、こんなことしなくても
        いいと思うよ。 でもね、メーカーの指示だからね・・・・」


    P7290017.JPG

  • 私 「もうひとつ聞いていいですか? 基礎の化粧モルタルは
       するんですか?」
  • 社長「うん、することになってるよ」

  • 私 「それもヤバいですよ。 そう思いません?」

  • 社長「俺もそう思う・・・でもね、メーカーの指示だからね・・・・」

・・・でもね、メーカーの指示だからね。

この気持ち痛いほどよくわかります。 
だから私も素直に従うことにしました。 で、私としては精一杯、内断熱の
隙間に薬剤を流し込みました。 まあこれで当分は大丈夫でしょう。
 
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私、こういう工法は初めて見ました。
社長も初めてだそうです。 建築金具を多用した新工法みたい。
なんか特許?も取ってるそうです。


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地震には強そうです。 
特に横からの揺れには強いだろうなあ。 これはいい点。


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今日の記事は、このブログが初めての人には、ちょっとわかりにくかった
でしょうね。


まとめると・・・
私はシロアリ屋としては基礎の外・内断熱には反対です。 
また基礎の化粧モルタルにも反対です。 
理由はこのブログにお付き合いいただいてる方ならわかりますよね。 
そう、とってもシロアリ侵入の危険があるからです。

で、社長も私と同意見です。 
でも、メーカーの指示となると従わなくてはなりません・・・
だって、生活がかかっていますから。 もちろん従業員の給料もね。

ここで正義の味方を気取ることは簡単です。 しかし家族と従業員の
ことを考えると、仕事を失うわけにはいかない・・・のです。
それは私も同じ・・・。


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で、帰ってから、さっそくその新興のハウスメーカーのホームページを
調べてみました。 

高性能ローコスト住宅・・・
子供たちの未来のために・・・
人と地球にやさしい次世代住宅・・・

そんな美辞麗句よりも、私には困った様子で
社長の言ったことば。

・・・でもねメーカーの指示だからね。
・・・が、ずーっと頭の中に響いています。
みなさんはどう思われますか。

おまけのジョークです。


     <ジョーク  三毛の君


平安の昔のことである。
三毛の君という若い公家が,ある公卿の美しい姫に一目惚れ
してしまった。彼は,つのる思いを恋文にしたためて,毎日の
ようにせっせと姫に送り続けたのであった。
そして,ついに,男のひたむきな情に心動かされた姫は,男に
文を遣わせたのであった。

「今宵より毎夜,牛車の轅に一つづつ印をつけて下さいませ。
百夜目の晩,わたくしは必ず貴方の思われ者となりましょう」
大喜びで小躍りした三毛の君。さっそく次の日から雨の降る夜も,
嵐の夜も・・・。

そ して,姫の館の牛車の元に通い通って九十九夜目のこと。
いつものように轅に印をつけて,立ち去ろうとした男に,腰元が
声を掛けた。
「姫さまからのお言付け にござります。『今宵で九十九夜。あなた
さまの心情の深さ,わたくしの心にしみ入りました。一夜はおまけ
いたします。どうぞお部屋に...』」

すると,どうしたことか。男はとたんに尻込みし始めたのである。
怪訝に思った腰元はいぶかしげに聞いた。「姫様がおっしゃって
いられるのに,どうしてご遠慮なされるのでしょうか?」

男はもじもじしながら答えた。
「はい。わたくしは,お手当をいただいて毎夜通っている代理の
者にございます」



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SKY CRUISER

結局、家を建てるのも縁とタイミングなんですね。
by SKY CRUISER (2009-07-29 23:50) 

kido_azusa

どこにでも断熱材、見かけを大事にする化粧、結局施主側があまり勉強せずに希望があるのでしょう。野菜と同じだと感じました。農薬が結構きつくても、見かけ優先、スーパーではよく売れるんですね。虫の穴が1つもないレタス、美しいですけれど…。
by kido_azusa (2009-07-30 07:07) 

toyo

みかんママ様

おはようございます。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
nice! 感謝しています。
by toyo (2009-07-30 07:36) 

toyo

kurizo様

おはようございます。
いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! ありがとうございます。
by toyo (2009-07-30 07:37) 

toyo

SKY CRUISER様

おはようございます。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
たしかに家を建てるのは縁とタイミングですよね。
私の場合もそうでした。
いつもnice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2009-07-30 07:40) 

toyo

takui様

おはようございます。
いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! ありがとうございます。
by toyo (2009-07-30 07:40) 

toyo

kido_azusa様

おはようございます。

>野菜と同じだと感じました。農薬が結構きつくても、見かけ優先、スーパーではよく売れるんですね。虫の穴が1つもないレタス、美しいですけれど…。

絶妙な例えです。まさにそのとおりだと思います。
社長も「打ちっぱなしの基礎なら汚れても洗えば落ちるけど化粧モルタルは汚れると落ちにくいし、そのぶん費用もかかるし・・いいことなんてないんだけどね」と言っていました。
みかけの美しさより本質ですよね。

いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! &コメントほんとにありがとうございます。

by toyo (2009-07-30 07:49) 

toyo

Yuki様

おはようございます。
いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! ありがとうございます。
by toyo (2009-07-30 07:50) 

toyo

takemovies様

おはようございます。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
nice! 感謝しています。
by toyo (2009-07-30 07:51) 

福智山

施主が業界のこうした実情も含めて
よく「勉強」していないと、家を建てる
ときに失敗する可能性が大きいよう
ですね。

これは、私も実感しています。

施主の見栄え重視ももちろん大問題
ですが、

ご紹介のメーカーのような悪質なもの
でなくても、地元の工務店でも、
今回でてきた工務店と違って、
内基礎断熱の問題などをわかって
いないケースが多いようです。

たとえば、壁・屋根通気工法とか、
基礎パッキン工法とか、やったことが
なく勉強もしていないと、メーカーの
考えを消化・批判することもできない
工務店も珍しくないと言って良いのでは、
と思います。

最新のブログでご紹介の、床下換気扇と
か鋼製束を、工務店は(強くではありません
が)勧めてきましたが、

ご助言のおかげでやめておいて、良かった
と思っています。

要するに、施主としては、HMにせよ工務店に
せよ、ビルダー側に「お任せ」では、危険だと
いうことでしょう。


(床下を中心に)過不足のない仕様、について
解説してくれる情報源が少ないので
このブログは貴重だと思います。
by 福智山 (2009-07-31 09:16) 

toyo

takemovies様

いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! ほんとにありがとうございます。
by toyo (2009-07-31 19:38) 

toyo

ねこのこね様

いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! ほんとにありがとうございます。
by toyo (2009-07-31 19:39) 

toyo

kontenten様

いつもお付き合いいただいてほんとに
ありがとうございます。 nice! 感謝しています。
by toyo (2009-07-31 19:40) 

toyo

福智山 様

いつもお付き合いいただいて感謝しています。

>要するに、施主としては、HMにせよ工務店に
せよ、ビルダー側に「お任せ」では、危険だと
いうことでしょう。

そのとおりだと思います。
ただ、とはいっても、じゃあどこから勉強すればいいの?
と問われると私も答えに窮します。

個人的には伝統在来工法がいいと思いますが、かといって
いろんな新工法がいけないというわけでもないし・・・。
新工法にも優れたアイデアがいっぱいあると思うのです。

ただ、この社長から聞いた話ですが「建築とはまったく関係ない業種の会社」・・たとえば越後交通(バス会社)とか建築金物の会社とかが資金にものをいわせてハウスメーカーを作っている例が最近も多いそうです。

今まで建築にまったく無縁だった会社が建築業界に参入するのは自由ですが、それならせめて新工法ばかりに目をやるのではなく、伝統的な工法にも敬意を払っていただきたい・・という思いはあります。

デザイン性があって合理的で便利で機能的・・というか、要するに一般のヒット商品を作るのと同じ感覚で住宅をとらえるのは間違っている気がします。「ヒット狙いの家」と「住むための家」は次元が違うと思います。

極言すれば、デザイン性があって合理的で便利で機能的な家は、住む人の思考や生き方にもいつのまにか影響を与えると思っています。薄っぺらな家に住めば人間も薄っぺらになってしまう・・といったら言い過ぎでしょうか。やっぱり家は文化であってほしいと思います。

調子にのってシロアリ屋が生意気なことを書いてしまったようです。家を建てるって、ほんとに難しい問題ですね。

いつも適切なコメントをいただいて、ほんとにありがとうございます。毎日暑いですが、お身体ご自愛くださって、ご活躍いただけますように。

by toyo (2009-07-31 21:46) 

たいせい

 「やはりこんな事例もあるのだなぁ!」と強く感じました。

 屋根の場合はおかしな元請けの指示でも、何とか最低限の性能が発揮できるように屋根工事店が施工で様々なトライしていらっしゃるようなのですが(図面通りに施工する方もやはりいらっしゃいます)、床下ではそうはいきませんね。

 「でもね、メーカーの指示だから」との言葉も良く解ります。
 従業員も家族も食わせて行かなくてはなりませんから...。
by たいせい (2009-07-31 21:59) 

toyo

たいせい 様

~ですよね。意に沿わなくてもやらなきゃあならない気持ちを
想像すると・・・。所詮は力関係ですものね。
メーカーにも、もっともっと勉強して欲しいですね。

いつもお付き合いいただいて感謝しています。。
nice! &コメントほんとにありがとうございます。
by toyo (2009-07-31 23:01) 

福智山

「極言すれば、デザイン性があって合理的で便利で機能的な家は、住む人の思考や生き方にもいつのまにか影響を与えると思っています。薄っぺらな家に住めば人間も薄っぺらになってしまう・・といったら言い過ぎでしょうか。やっぱり家は文化であってほしいと思います。」

↑ 仰る通りで、ハッとさせられました。
ヨーロッパなどでは、こうした「哲学」が日本よりは保たれているのでは
ないかと思います。
悪い意味での「近代主義」をのさばらせない素地という感じで。

木造在来工法、自然素材、などというのは、こうした次元まで
深めて、その意味をおさえておく必要があるのでしょうね。

最近、水回りなどでケミレスの原則――それほど教条的な
ものではありませんが――を一部犠牲にして手入れが楽な、
しかし化学接着剤で施工するホーローなどのパネルに変更
しようとしており
(妻の、特に高齢化してからの家事負担のグチが気になり)、

照明器具でもセンサーなど便利さを重視していた面があり、

本道からはずれていたのでは、と反省しました。

日高六郎さん風にいえば「快適の哲学」に侵されていた
いたのでは、と。

「家は文化」 「住まいが人を作る面もある」……
忘れないようにしたいと思います。

さりげない言葉で深い内容の記事を読ませてくださり、
有難うございます。
by 福智山 (2009-08-01 01:17) 

かなりあ猫

…こんな家には住みたくないです。(というよりも住めないです)
by かなりあ猫 (2009-08-01 14:44) 

toyo

かなりあ猫 様

う~ん、実は私もそう思っていますが・・。
この家に住むお客様のことを想像すると・・複雑です。

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
nice! &コメントありがとうございます。
by toyo (2009-08-01 19:38) 

toyo

そら様

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
nice! ありがとうございます。 お礼が遅くなってすみません。
by toyo (2009-08-04 17:34) 

toyo

ijimari様

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
nice! ありがとうございます。
お礼が遅くなってごめんなさいね。
by toyo (2009-08-07 21:44) 

t-yahiro

痛いのを超えて痛々しいほど同じことで苦悶しているところがとても面白いです。最近は施主さんもかなり勉強されている方もいますが、情報の仕入先自体、売り上げが上がれば良いとする企業が発行している情報誌だったりするので「こういうところはこの塗料材質塗っちゃだめなのになぁ」なんてことを依頼されることが多々多々ありますし、住宅工事のトラブルが発生した時に支援する団体自体、受注した仕事額の上前をはねて二束三文の工事額で下請けに作業させている企業が主催していることもあって、今はもう悪い意味のほうが多い情報過多ですよね。やっぱりtoyoさんのような「毎日携わってる技術者」が語っていかないと良いものを造り出すというのは中々難しいなぁと痛感してます。ただ私がブログに書くと憤りが強くて毒々しくなるので最近は控えてますが、いつかtoyoさんのように爽やかに記事にしたいなぁなんて思います笑。
by t-yahiro (2009-08-14 19:22) 

toyo

t-yahiro 様

おはようございます。
気持ちをお汲み取りいただいてほんとにありがとうございます。
おっしゃるとおりだと私も感じています。こういうとき力があればなあ~
なんて思います。まあ零細個人業者としては記事にして少しでも
みなさんの参考にしていただくしか手立てはないですが・・・・。
でもt-yahiro 様のように受け取っていただける方もいて先は明るい!
と思っています。

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
nice! &コメントありがとうございます。

by toyo (2009-08-15 09:09) 

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