三流防除士の憂鬱。 [羽アリ]
みなさん、こんにちは。
楽しい話しなら人は聞きたがるけど暗い話は、たとえ
それが真実でも聞きたがらないものだよ・・と、言われた
ことがあります。
そのときはなんだかガッカリしたけど、でも自分だって
そうだよなあ~と思いました。
シロアリの話や、特に被害写真なんて楽しい写真じゃない
から誰だって見たくもないでしょうね・・なんて考えたら
記事を書く元気もなくなってきました(笑)
いや、本音は最近、なんとなくテンションが下がりっぱなし
です。
だから、今日の話はつまらないかも。
つまらなかったら遠慮なくパスしてくださるように。
で、なんというかシロアリ屋として落ち込んだ気分の話でもします。
羽アリのシーズンの6月頃に、数年前に駆除をしたお客様から
「羽アリが出たから来て!」という電話を頂きました。
えー!これってクレームだあ!
で、さっそくお邪魔して、仔細に話を伺って・・・
- この部屋だよ、この部屋にいっぱい羽アリが出たん
だよ!もう羽アリは処分しちゃったけど、いっぱい
いたんだ。 - そうですか、でも昨年もこの部屋の下はまったく
蟻道もなくて変わったことはなかったんですけどね・・・。
他の部屋には羽アリは発生しませんでした?浴室とか? - そっちは出なかったよ。 とにかくこの部屋にだけ
いっぱい羽アリがいたんだ。 - さっそく、下に潜ってみますね・・・。
・・ということで、その羽アリの発生した部屋の床下に潜って
みたのですが、蟻道もないし、床下は高めだし、隅から隅まで
見通せるし、通気もいい。
う~ん、どこだ、一体、侵入箇所は・・・。
天井裏も調べました。 もしかして化粧モルタルかしら? 、
外部も詳細に調べてみました。
でも、でも、ああ、やっぱり特定できない。 困った、参った・・・
いやほんとにどうしよう・・ぶつぶつ。
- 申し訳ありません。 その部屋の床下を調べたん
ですが、どうにも特定できないんです。 念の為に
他の部屋もみたんですが・・特に変わったことは
なかったというか・・ぶつぶつ。 - あのね、この家も大分年数が経ってきたので実は
数カ月後にリフォームを計画してるんだ。 外壁から
床板も全部剥がしてね。 - おー! そうですか!それなら外壁を剥がした段階
なら侵入箇所が特定できそうです。
そのとき必ず電話いただけますか? - 了解、 じゃあ大工さんに段取りを聞いて必ず
電話するよ。
・・ということで、数カ月後にお邪魔して撮ったのが下の
写真です。これなら特定できるでしょ。
実は、私としては、化粧モルタルの裏側→土台→外壁の裏側
・・・というふうに推理していました。
他にはちょっと考えられなかったからです。
ところが、この推理は全然、的外れでした。
なんと、くだんの羽アリが大量発生した部屋は外壁の
裏側もまったく異常がありません。
そして、その部屋からはるかに離れた(というと大げさですが)
勝手口とトイレ・浴室に食害が見られました。
でも、ここは処理したはずなんだけどなあ~?
しかし、ここの処理が不十分だった・・薬剤が充分浸透して
いなかった・・ということしか合理的な説明がつきません。
(シロアリの特徴的な食べ方ですね)
今回のクレームは、簡単に言えば、私の技術が未熟だった
・・ということです。 恥ずかしいけどそう言わざるを得ません。
あ~あ、やっぱり私は三流防除士だ。
凹むなあ・・ぶつぶつ。
実は、
「羽アリの発生した部屋の床下」=「シロアリの侵入箇所」
・・とは言えないんです。
これは防除士にとっては常識ですよね。
だから「羽アリの発生した部屋以外の床下」に蟻道があったり
することは珍しいことではない。
羽アリは発生してから「明るい方向」に向かって進みます。
羽アリにとっては外に出て、飛びったって、新しい王国を作って
子孫繁栄という重大な使命があります。
だから、窓枠付近とか「明るい場所」からとにかく外に飛び出さ
なければいけないわけです。
でもね、ここまで移動するとは・・想定外でした。
浴室と羽アリがいた部屋が隣同志ならともかく、けっこう離れて
いましたから。
まあ、羽アリが発生すること事態が想定外の出来事
なので想定外ということばを使っては防除士失格ですね。
・・というような、みっともない醜態をときどき私は晒しています。
こういうときはほんとに凹みます。
いや、私よりお客様のほうが何倍も凹むかもしれません。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
シロアリって、ほんとに神出鬼没な虫だなあ~。
シロアリは益虫で地球には必要な虫なんです!なんて言ってもね、
凹んでいるときは、このバカ虫め!さっさとくたばれ!
・・・・とか密かに毒づくのであります。
あー、メッキが剥がれそう(笑)
やっぱり暗くなってしまった。
最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうかみなさんにいいことがありますように。
<ジョーク>
男は、本当に必要ならば、千円のものにも二千円払う
女は、二千円が千円になっていれば、必要でなくても買う
男と幸せに暮らすには、男を理解しようとしなければならない
女と幸せに暮らすには、女を理解しようとしてはいけない
女は、結婚したら夫に変わってほしいと思う。でも夫は変わらない
男は、結婚しても妻に変わらないでほしいと思う。でも妻は変わる
シロアリ食害はセオリーとおりの場所を食い散らかして、羽ばたくときは明るいところなのですね。洗面所・浴室・勝手口がやられているのは解かり易いですね。勝手口から飛び立っていないのはシロアリの勝手なのでしょうね(^_^;)勝手口あたりは薬剤処理大変でしょうね。こうやって綺麗に剥がせれば楽ですか、いつもは難しいですね。。。
by しょうたく (2011-10-05 12:28)
シロアリの侵入場所を特定する画期的な方法も
いつか開発されるんでしょうね~?
シロアリは特殊なフェロモンを発生しているそうなので
麻薬犬のようなシロアリ犬が訓練で開発され
シロアリ駆除に大活躍!なんて事になるかも
しれないですね
by sugar (2011-10-05 21:13)
しょうたく様
そうなんですよねえ。
羽アリが「発生した場所」がわかればなんとかなるんですが、
大抵の場合はお客様も羽アリを見つけてから連絡をくれるので
・・見つけた場所と発生した場所が違うと困る場合があります。
とは言っても、お客様だって想定外の出来事なので「発生した場所」を聞いてもわからないのが普通ですものね。
私の想像力と推理力がもっと優れていればなあ・・ぶつぶつ
・・と思っています。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
しょうたく様の毎日がハッピーでありますように。
by toyo (2011-10-06 11:05)
sugar様
実は麻薬犬ならぬシロアリ犬って、既にいるんですよね。
アメリカでは導入されてるようです。日本でも、一時某大手シロアリ
会社がTVCMで宣伝していました。なんでも一匹100万円以上する
らしいです。フェロモンを嗅ぎつけるのか食害の音を聞き取るのか
忘れましたが・・。
宣伝としては面白いけど、どっちにしろ大雑把な特定はできても、
それ以上の具体的な侵入箇所はやっぱり人間が床下にもぐらない
と無理みたいです。というわけであまり流行らなかったようです。
でも、sugar様は相変わらず鋭いというか面白い発想をされますよね。絶対にシロアリ屋に向いていると思います。ほんとに。
いつもコメント、ありがとうございます。
sugar様にいいことがありますように。
by toyo (2011-10-06 11:14)
実に深いジョークですな~~@@
by ritton2 (2011-10-06 12:45)