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築100年以上の家と空気。 [シロアリ]


みなさん、こんにちは。

最近、築80年の家の方からメール相談を受けました。
それで、築100年以上の家を駆除した時のことを思い出し
ました。

最近も築100年以上の家を(紹介しましたが)駆除しました。
といっても、100年以上となると今迄ではっきり覚えている
のは4件くらいかしら。
築50年前後なら数え切れないくらい駆除してきました。

もっとも、田舎では今でも築100年以上の家なんてザラに
ありますから珍しくないですが。
農家なら築80年くらいは当地にもいっぱいあります。
ペリーさんが来航した時に建てたという家もあります。

そのとき駆除した写真を探しましたが散逸して全部は見つ
けられなかったので見つけたのだけ紹介します。
以下の床下は100年以上経った床下です。私の遠い親戚。

まず、これから・・
031.jpg
これは玄関の裏側です。土の上に土台がありますね。
(土台と言っていいのかしら?)

少しアップにします。
032.jpg
この状態ならふつうはシロアリにまっさきに食べられても
おかしくないです。ところが・・

ドリルで探っても、まったく異常はなかったのです。
033.jpg
それに腐朽もたいして進行していない。材質が「栗」だったから
かもしれないです。このお宅の土台はほとんどが栗を使って
いるとのことでした。

シロアリの被害はありました。それが下の写真です。
018.jpg
でも、食べられているのは床板(杉材)1枚くらいでした。
シロアリは栗の土台をパスして杉材に食いついていました。
これは杉材が「柔らかい木」だったからでしょう。

で、実はシロアリよりもキクイムシの被害が多かった印象
があります。下の写真です。木の粉が吹き出ています。
023.jpg

で、土台の大半はこんな状態。100年以上前の土台です。
055.jpg
まったく良い状態ですね。小さな穴はキクイムシ。

021.jpg
これは一升瓶。まさかお酒を飲みながら工事した
わけではないと思いますが昔は上がり酒とか普通
だったようですね。今だったらクレームかも。

あと、全体はこんな感じ。さすがに老朽化は進んで
いますが強度が落ちているわけでもない。布基礎が
ないので通気性は抜群でした。この写真は玄関なので
わかりにくいですね。
041.jpg

もっと傷んでいて、シロアリがいっぱいいてもおかしくなさそうな
床下なのに不思議と被害はたいしたことない。038.jpg

結局、軽微な被害で部分的な駆除だけで済みました。

060.jpg

なぜ、軽微な被害で済んだのか?というと、私はこの家は
長年かかって土地環境と同化したのでは?と思っています。
動植物や昆虫と完全に「棲み分け」ができている。
あるいは自然環境と家のバランスがとれている・・のかも。

で、今日のタイトルの「空気の質」とは?どういうことかと
言うと、私はいつも古民家にお邪魔した時に空気が凛と
して心地良い・
・という感じを受けます。
それと、圧倒的な「家に守られている」という感じというか
安心感。

”感じ”なんて曖昧な言い方ですが、ボキャ貧な私にはどう
表現していいか上手い言葉が見つけられない。
う~ん、たとえば・・私は冬でも車を運転するときは必ず
窓を少し(1~2cm)開けます。なんか締め切った車内が
ムン?として嫌だから。

もちろん、昔の家は冬は寒いとか欠点もあります。
居住性という点では今の家が数段上でしょう。合理的で
かっこいいし、冬も暖かい。無駄な空間もない。

それでも、私は「空気の質」という点だけで、やっぱり古民
家が好きです。だって、床下もカビ臭もまったくしないし、
床下でも空気が美味しいですから。

以上、勝手なことを書きました。たぶん、私が田舎者だから
こんな”感じ”に惹かれるのかもしれません。
みなさんはどう思われるかしら?

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆さんにいいことがありますように。


ジョーク
老人の夫婦が年に1度の検査を受けることになった。
一緒に病院へ行けるようにと、同じ日に検査してもらう
ことにした。さて検査が済んで…

「どうやら異常はないようですが、病気のことで何か
 気になる事がありますか?何か相談したいことでも?」
 
と医者がおじいちゃんに聞いた。

「実は、ちょっと気になることがあってな。
 
婆さんとセックスするとき、1回目はたいてい暑くて
 汗をかくんだけど、2回目が済んだときはたいてい冷えて
 寒気がするんだよ」

「それは、不思議ですね...。ちょっと時間を下さい。
 調べてこちらから連絡しますから」

今度は検査が済んだおばあちゃんを前に医者が言った。
「どこも悪いところはありませんよ。病気のことで何か気に
 なる事がありますか?何か相談したいことでも?」

おばあちゃんが何もないと答えたので、医者が続けて聞く。
「ところでお宅のおじいちゃんのことなんですけど。セックス
 の後いつもは暑くて汗ばむんだけど、2回目は寒くて震える
 と言うんですよ。何か思い当たることがありますか?」

「まぁまぁ、あの爺さんったら...。
 
それはですね。1回目はたいてい7月なんですよ。
 そして2回目はたいてい12月なんですよ」



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ねりね

白川郷の合掌造り、茅葺屋根の葺き替え。
以前にNHKで見たのですが、以前は当主になってから一度だけ果たす役割というくらい長持ちしたのに、いまは早く駄目になってしまう。
それは、以前は天井がなく、囲炉裏を使っていたけれど、それでは暮らしにくいと天井を付け、ストーブで暖房をするようになり、囲炉裏を実用品として日常的には使わなくなった結果、カヤが痛むのが早くなったからだ、というような説明でした。
映った映像では古い家の中にもうひとつ屋根のない家(←変な表現)を入れたような、映画のセットを組んであるようにも見えるものでした。
空気の抜け方通り方が変わるだろうなあ、と思いました。
昭和30年代の暮らしかたをしろというほうが無理ですよね。
家で暮らしている人数も昔とちがうだろうし、人手が少なくなったら手間もかけられない。そうなると家は『腐って』くるのじゃなかろうか。

古民家などに感じる凛とした空気というのは理解できます。
でも、古い家全部がそうではないですね。
あれは何なのかなあ、手入れが行き届いている家の空気なのかなあ。

本の名前も著者も忘れてしまったけど、東京の木場(きば)で木挽き(製材)を長くやってきた人の本で、その人の自宅の写真を見て、それだけでうっとりしたことがあります。
東京の下町の家だから、新潟のひとが見たらマッチ箱かよと思うかもな小さな家で、これっぽっちも豪勢さが無いのですが、写真からでも『家の正しさ』を感じました。木をよく知っていて愛でているひとが作った家だなあと。
こういう家で育ったひとは真人間になるだろうな、この家の娘さんを貰いたいなあ、なんてね。背筋をしゃきっとのばして建っている家に思えました。
まあ現地を生で見たら、また違う気持ちになるかもだけど。

by ねりね (2013-03-24 02:02) 

いっぷく

私の実家が築40年ぐらいで
20年前に1度、2階のベランダのところがシロアリに
やられているということで修繕しました。
それ以外にも、台所などで床が抜けているような、
踏むとみしみしいうところがあるのですが、
やはりシロアリを疑った方がいいのでしょうか

by いっぷく (2013-03-24 04:27) 

toyo

ねりね様

>昭和30年代の暮らしかたをしろというほうが無理ですよね。家で暮らしている人数も昔とちがうだろうし、人手が少なくなったら手間もかけられない。そうなると家は『腐って』くるのじゃなかろうか。

そうなんだろうなあ~と思います。生活習慣が変わってくると昔は・・なんていっても無理ですよね。第一、昔みたいな良質の材木も萱だって手に入れにくいだろうし・・。

それにおっしゃるように・・
>でも、古い家全部がそうではないですね。

たしかにそういう古民家もありますね。やっぱり手入れ次第なんでしょうね。手抜き工事のダメな古民家もありますね。

>これっぽっちも豪勢さが無いのですが、写真からでも『家の正しさ』を感じました。木をよく知っていて愛でているひとが作った家だなあと。こういう家で育ったひとは真人間になるだろうな、この家の娘さんを貰いたいなあ、なんてね。背筋をしゃきっとのばして建っている家に思えました。

「家の正しさ」って言い方は素敵ですね。「背筋をしゃきっとのばして建っている家」ってのも上手い表現だなあ~と思いました。

それに・・
>こういう家で育ったひとは真人間になるだろうな、この家の娘さんを貰いたいなあ。
・・っていうのもわかるような気がします。暖かいというか素直というか、それでいて美人な娘さんを希にそういう家で発見するといいなあ~と思ってしまいます。最近はめったに見かけませんが・・。絶滅危惧品種なのかなあ~・・脱線しました。

なんていうのかしら、新しいピカピカに家に入ってもなんか安らがないんですよね。合理的で住み心地も良さそうだなあ、と思ってもなんか足りない・・と思ってしまう。ないものねだりなんでしょうね。きっと。

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、ねりね様にいいことがありますように。



by toyo (2013-03-24 08:37) 

toyo

いっぷく 様

>台所などで床が抜けているような、踏むとみしみしいうところがあるのですが、やはりシロアリを疑った方がいいのでしょうか。

う~ん、キシミやヘタリがあると、どうしてもシロアリかも?と思ってしまいますよね。でも、私の経験ではほとんどが経年劣化の場合が多いです。具体的には床板の腐朽による劣化というか。
シロアリの場合もありますが、とても少ないような気がします。垂木の補強で簡単に治る場合も多いです。だからあんまり気にすることもない・・といったら無責任ですが・・まあ、よくあることなんです。機会があったら大工さんに見てもらってくださいね。
築40年って、いいなあ~と思います。そろそろ家に「味」が出てくる・・というか、なんかいい”感じ”じゃないですか?そういう”感じ”って、時間しかつくれない気がします。どうかお家を大事にしてあげてほしいと思います。

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
どうか、いっぷく様にもいいことがありますように。

by toyo (2013-03-24 08:47) 

yutakami

確かに「空気が凛と」いう言い方、分かります。
古くから今まで、要は途中でダメにならなかった家には、独特の静かな充実感のある空気がありますね。真夏なのにひんやりした、風が吹かないのに涼しい、落ち着いた周囲の環境との一体化があるのでしょう。とはいえ、そんな記憶だけで、今の都会生活ではまず日常的にはそんな体験なしに、コンクリートに囲まれて日々生きていますが・・・。
by yutakami (2013-03-26 16:56) 

toyo

yutakami 様

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
>独特の静かな充実感のある空気がありますね。
>落ち着いた周囲の環境との一体化があるのでしょう

それそれ、そういう感じです。そういうことが言いた
かったのです。
でも、おっしゃるように私も「日常的にはそんな体験なし」
ですから実際よりも美化してるかも・・とも思います。

どうか、yutakami様にもいいことがありますように。
コメントお礼申し上げます。
by toyo (2013-03-29 18:04) 

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