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一貫性のない答え・・ [つまらない]


みなさん、こんにちは。

今日はちょっと言い訳めいたことを書きます。
というのは、メール相談での私の答えに疑問を感じている人
がいるんじゃないかな、と思うからです。

このブログに以前からお付き合いいただいてる方なら私が
床下をコンクリートや防湿シートで覆うことに否定的で、また
化学薬剤も嫌いなのは感じているかもしれません。

誤解を恐れずに言えば、私はたとえシロアリのリスクがあっても
床下は土がいいと思っています。
防湿シートやコンクリートで床下の土を覆って土壌菌を殺すこと
には反対です。また、自然と住居を遮断してカプセル化した
高気密高断熱住宅にもちょっと違和感を覚えます。

時代の趨勢とは完全に真逆なことを言っていますね(笑)
これ以上は本文から脱線するので止めましょう・・。

007.jpg
(最近のみーことにゃんこ)

ところがメール相談で私はときどきベタコンもビニールシートもOK。
あるいは毒性の強い化学薬剤の使用もOK・・とか、首尾一貫して
いない答えをするときがあります。
あんた、けっこう日和見的だねえ~と思われても仕方ないです。

でも、私なりに相談者の困った問題に精一杯解決法を考えると
そうなってしまうんですよね。なぜ、そうなるのかについて自分
でも考えてみました。

これは家と土地の関係・・といってもわかりにくいと思いますので
具体的な私の経験から書いてみます。

数年前に土地を買いました。
(といっても、競売でも誰も申し込み手がいない特別売却の
住宅地で、たまたま私の家のすぐ近くだったし、超安価だと、
お客様が教えてくれたので買いました)
家内が畑をしたがっていたので。

で、買ってから、家内が畑にするために耕してみたらびっくり!
鉄くず・ビニール・瓦礫・空き缶・・などもうたくさん出てきました。
それらのゴミを掘り出し廃棄するのにしばらく苦労しました。

「土地は掘ってから買え」という言葉を思い出しました。
ほんとだなあ、土地って見ただけではわからないということを
痛感しました。悪徳土地造成業者が表面だけ造成したのかな?

また、以前、床下調査でお邪魔した家の奥様がこう言っていた
のを思い出しました。
「うちの庭は30センチも掘れば、ジワーっと水が湧いてくるのよ」
掘ってみたらほんとでした。床下もヘドロのようなヌルヌルした
土でカビだらけ、劣悪に近い状態でした。

で、相談者のいろんな問題を聞くと、どうもこれは根本から直さ
ないと・・というか小手先の方法をとっても改善できないかも?
・・と思うときもあります。
敷炭をしてイヤシロチ化するとかの前に、現実の困ったを改善
するには床下をベタコンにしたりビニールシートを張ったりする
のも止むを得ないな・・と思ってしまうのです。

個人的には「土壌菌を殺す」ような方法はしたくないけど、
そんな理想的なことばかり言っていられない状況・・といいますか。

010.jpg
(最近のにゃんこ)

シロアリについてもしかりです。すぐ近くに廃屋があって、異常に
シロアリがたくさんいるような環境では化学薬剤の使用も止むを
得ない場合もあると思うのです。

というわけで結局、私の答えは首尾一貫していないものになって
しまう。

家を建てるときは、どうしてもどんな工法、デザインにしようかとか、
室内の使い勝手とか・・要するに家のことばかり考えてしまうけど、
ほんとはその土地のことも同時に調べるというか考えないといけ
ない気がします。

とは言ってもねえ・・・昔なら絶対、人が住むには適さないという
劣勢地でも今は平気で造成して売りに出ていますからね。
希望する土地は高いから選ぶのも難しいよ・・ですよね。

なんだか上手く書けませんでしたが、よーするに土地環境のよくない
ところに建てたせいで、いろいろな不具合が生じてくると、相談内容
によっては私も首尾一貫していない答えになってしまうんです。
そこんところご理解いただけると幸いです。

この間、土壌診断士?の需要が高まっているようなニュースを
見ましたがこれはいいことだと思います。土地を買う時は見た目
だけでなく1mくらいは掘ってみて、ガレキやヘドロっぽい土が
出てこないか調べたほうが無難ですね。
だって、高い買い物なんだから・・。

最後までお付き合いいただいて感謝します。
どうか皆様にいいことがありますように。


ジョーク
 二人の女子社員の会話

 「ゆう子、あなた今朝チカンに遭って怒ってたそうね」
 「そうよ、ひどいわよ」
 「どんな男だったの?」
 「それが若くてイケメンだったのよ」
 「いくらイケメンでもひどい男ね」
 「そうよ、ひどいわよ!いいところで降りていったんだもの」



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コメント 6

しょうたく

専門知識と経験が増えるほど答えは幅広くなりますね。一つの答えだけしか出来ないのは、その程度の経験しか無いということ。
by しょうたく (2013-09-24 11:54) 

yanasan

我が家も数十センチも掘れば水が湧き出てくる所です。埋蔵金が出て来ないかな〜・・・・^^;
by yanasan (2013-09-24 19:27) 

toyo

しょうたく 様

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
そして、そのようにご理解いただいて嬉しいです。

シロアリ防除は「床下への薬剤の大量散布」という
思想が背景にありますが、ほんとは逆だと思っています。
健康被害を考えるとできるだけ少量の薬剤で最高の
結果を出すのが望ましいと思います。

結局はオーダーメイドの防除・・ということになりますが、
これは他の業界についてもいえるんじゃないかなと
思います。家は一軒一軒みんな違いますものね。

とは言っても、現実には薬剤の大量散布を望むお客様
もいます。シロアリに対する不安がそう思わせるんで
しょうが・・そのへんにいつもジレンマを感じています。

・・と愚痴になりそうなので止めましょう(笑)

いつも的確なコメントをいただいてありがとうございます。
どうかしょうたく様にいいことがありますように。
by toyo (2013-09-26 12:58) 

toyo

yanasan 様

いつもコメントをありがとうございます。

私はときどきもしかして床下で白骨死体と遭遇したら
どうしよう・・なんてヘンな想像をしてしまいます(笑)
ときどき遺体を床下に埋めたなんてニュースがありますよね。
あー、いやだいやだ(笑)
埋蔵金が出たらどうしようかな?内緒にしていただい
ちゃおうかな?うそうそ。

どうかyanasan様にもいいことがありますように。
ありがとうございました。
by toyo (2013-09-26 13:04) 

hisa

私は以前、建築雑誌のライターをやっていたことがあって、
数百軒のさまざまな木造住宅を取材したのですが、その中で、
やはり日本家屋には素通しの独立基礎が最もふさわしく、
せいぜい布基礎まで、ベタ基礎は向かないと思っていました。
建物の様式というのはその土地の気候風土に合わせて発達するものだから、
日本の伝統的軸組構法の家がなぜ独立基礎なのか、
ということを現代の建築家はもっと考えてみるべきだと思います。
耐震強度が問われるようになってから、ベタ基礎が主流になっているようですが、
実際の強度は布基礎とさほど変わらなくて、本当の理由は、
工場で生産する部材の組み立てにはベタ基礎が樂だし、
独立基礎や布基礎は、敷ける職人が少なくなったことで、
コストと時間がかかるようになってしまったからだと聞いたことがあります。
シロアリや湿気対策の意味でも、ベタ基礎はむしろ向かないと言えますよね。
そして、ご指摘のように、家を建てるとき施主は、自ら、
その土地がもとは何だったのか調べるべきだと思います。
郊外であれば砂地や埋め立て地、田や湿地だった場所、
町場ならクリーニング店や化学工場だった場所など、
基礎工事の前に土地の改良が必要な場合があるというのに、
メーカーや不動産屋の言うことを鵜呑みにして、
言うなりに建ててしまう傾向がどんどん強くなっているようです。
シロアリに限らず、遮断、排除してしまうのではなくて、
暮らしの中で日々対処しながら共生していくほうが、
長い目でみたら、家を長く守っていけるし、
豊かな暮らしが得られると思うのですが。
築100年を超える古民家が立派に建っているのに、
新建築の家屋の耐用年数がせいぜい50年、短ければ30年
という現実を見直すことは、安全な生活だけでなく、
文化の面でも大切だと思う次第です。

by hisa (2013-10-06 13:28) 

toyo

hisa 様

ていねいなコメントをありがとうございます。
いちいちうなずけるというかご尤もな意見だと思います。
とても共感しました。

独断と偏見を承知で言わせてもらえれば私は最近の
住宅が嫌いです。理由は、hisa 様のおっしゃることと
ほとんど同じです。

要するに、今の建築の流れは、hisa 様のおっしゃる・・・
「本当の理由は、工場で生産する部材の組み立てには
ベタ基礎が樂だし、独立基礎や布基礎は、敷ける職人
が少なくなったことで、コストと時間がかかるようになって
しまったから」の方向に向いているというか、住宅も自動車
と同じく耐久消費財に堕していると思います。

「木をみることの出来る職人さんや、土地環境について
知悉してる大工さん」も間違いなく絶滅しかかっています。
そして、ベタコン全盛です。
故・西岡棟梁はベタコン全盛になればそのうち日本はコン
クリート列島になるし、コンクリートは廃棄が難しいし第一
そんなにもつものではない」と著書で言っていたと思います。

独立基礎についても決して地震に弱いとはいちがいにいえ
ないんですよね。「揺れ」に対しては日本は「柔構造」のつくり
で対応してきましたが近年はアンカーボルトで土台を布基礎
に固定する「剛構造」が主流ですが、土台は「痩せる」んです
よね。そのためアンカーボルトが、ぐさぐさに緩んでいる床下
も珍しくないんです。じゃあ、締め直せれかというと難しい造り
が多いです・・きりがなくなってきました(笑)

結局のところ、住む人の都合よりも建てる側の都合によって
どんどん状況は悪化しているのでは・・と個人的には感じて
います。

「遮断、排除してしまうのではなくて、暮らしの中で日々
対処しながら共生していくほうが、長い目でみたら、家を
長く守っていけるし、豊かな暮らしが得られると思うのですが。」・・まったく、そのとおりだと思います。同感です。

ただ私は工務店様から仕事をもらっているので本音が
いいずらい悩ましさがあります。でも、なるべく、遠回しでも
言いたいなと思っています。

なんだか嬉しいコメントでした。
ありがとうございます。
どうかhisa 様にいいことがありますように。

by toyo (2013-10-07 13:12) 

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