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劇的!ビフォーアフター について。 [シロアリ]


皆さん、こんにちは。

「劇的!ビフォーアフター」という番組、ご存知だと思います。 
それについて一言。 

私はこの番組が好きでよく見ていました。 とくにラストで、リフォームを依頼
した御家族が施工終了後、はじめて我が家に足を踏み入れて感動するシーン
はいいですね。 それに、必ず「かっての旧宅のときの部材を、思い出になるよう
再利用している工夫」もいいですね。 感激して涙を流しているお客様。 
いい光景です。

そこへ「匠」といわれる設計士、または大工さんが登場して、感動の再会って
いう雰囲気です。 まったくこういうとき、設計士、または大工さんは仕事冥利に
尽きるんじゃあないでしょうか。 
「いやー、いい仕事してますねえ!」って言いたくなります。 

(ついでに、どさくさに紛れて一言。 私もシロアリ工事が終了したとき、お客様
から喜んでもらえたときが一番うれしいです。 汚くて狭い床下での駆除作業の
疲れも、それで全部吹っ飛んでしまいます。 私は、まだまだ未熟ですが、
「いやー、いい仕事してますねえ!」って常に言われたいですね。)

しかし、私はひとつだけ、この番組に不満があります。 
それはやっぱり仕事柄でしょうか、床下の施工シーンを見ているときです。 
「あっ! これはまずいよ! これじゃあシロアリが登ってくるよ、」と思うシーンが
よくあるからです。 

例えば、先日、築100年の住宅のリフォームを放映したシーンで、とにかく
今まで冬場に「床下からの強い湿気と隙間風」が原因で、寒くてしかたがないと
いうので大工さんが、床下土壌にはビニールシートを、床板の裏側には断熱材を
張っているシーンがありました。 それを見ていて、私は危険だなあ!と思いました。 

床下の高さがかなり低い家だったので、これじゃあ、夏場にすざまじい結露が
発生するからです。 当然、シロアリも上がってきます。 はっきり言って時間の
問題です。 
たしかに部屋の寒さは改善されるでしょうが、2~3年後にはシロアリが上がって
きて、また床板の張替えになるのは、高確率でほぼ間違いないと断言できます。 
設計士、または大工さんは「夏場の床下の結露の凄まじさ」をご存じないから
そういう方法を取ったのでしょう。 残念です。

他の例としてはウッドデッキというんですか? 外回りの土壌面の上にかっこいい
木の床面と塀を作っていたシーンも気になりました。 木の床面の下が(上からは
見えない部分ですが。)無造作な束柱で作られていたからです。 
これもシロアリにやられるのは時間の問題です。 

床上については、こういう間取りいいなあ!と思うことはあっても、床下となると
やっぱり 「あまりに先のことを考えなさ過ぎ!」と思ってしまいます。 
職業病でしょうか? せっかくここまで良くしたのにもったいない、と思ってしまう
のです。 教えてあげたいけど、どうにもなりませんしね。 

前に、ある工務店の人に、この番組についてどう思いますか? 
と聞いたことがあります。 

  • 私 「けっこう、いい番組ですよねぇ。 見積もりだって決して高くもない
    みたいだし、あんな価格でできるんですかね?」
  • 工務店の人「いやー、あの番組は我々の間ではちょっと問題ですよ。」
  • 私 「えっ!どこが問題なんですかあ?」
  • 工務店の人「あの見積もりでは無理ですよ。 できっこないですよ!」
  • 私 「??でも番組の最後にリフォーム価格が出てるじゃないですか?」
  • 工務店の人「あれはあくまで、リフォーム価格だけ、ですよ。」
  • 私 「・・・というと?」
  • 工務店の人「だから、デザイン料は別なんですよ。 TVでもデザイン料は
    含まずって出てるでしょ。 下手をするとリフォーム価格とは別途に、相当の
    上乗せがあるそうですよ。 でなきゃあ、あんな価格で、できるわけないですよ。」
  • 私 「ヘェー!そうなんですかあ?なんだあ、ガッカリするなあ。」
  • 工務店の人「それに解体のしかた、ちょっと乱暴にみえるときないですか。 
    また、細い柱の家なのに、金属製の階段なんか取り付けているときもありました
    しね。 一体、強度を考えているのかなあ、なんて思うときも度々ありますよ。」

私、ちょっとガッカリしました。 そうかあ、デザイン料かあ。 それに強度の問題かあ。 
いわれてみればそういうシーンもあったなあ。 この工務店の人、やっかみで言って
いるようにも思えないしなあ。 それに確かに「匠」っていうより「コーデネィター」って
いうほうが、ぴったりって感じだしなあ?

というわけで、私もこの番組に少し疑問が出てきました。 できれば「その後のビフォー
アフター」っていうような、リフォーム1年後の様子を放送してほしいなあと思います。 

以上の話、皆さんはどう思いますか? 私もリフォーム価格やデザイン料については
基準を知りませんので判断しかねる、というのが正直な気持ちです。 
できれば、もっとプロの人の意見をお聞きしたいですね。

きょうは、参考になったか、ならないか、わからない内容でした。

それでは皆さん、ごきげんよう。

 


 

シロアリについてもっと詳しい情報が必要でしたら私のホームページも参考にしてくださいね。
  http://www.niigata-boucyu.com です。 
それでも判断できなかったら下記へメールしてください。 
shiroari@fc5.so-net.ne.jp  です。 このブログのコメントからでもけっこうです。 
私は新潟県人ですので実際の施工は、新潟県以外には対応できませんが、精一杯アドバイス
だけはさせていただきます。 
羽アリの時期が終わるまでは載せておきますので、遠慮なくどうぞ。

 


   
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コメント 4

りんごあめ

なるほどー!床下のプロから見ると…という視点ですか!
今回の記事を読んで、うちの実家の床下をふと思い出しました。
もともと湿地だったところを干拓?して宅地に造成した箇所なんですが、とにかく水が上がりやすいところなんです。
でも、最初から換気に気を配ってなのか、単に手抜きだったからなのか、床下の通気だけはいいんです。
(おかげで冬はめちゃめちゃ寒いですが…)
今までは『通気がいいんだし、大丈夫だよね!』で済ませていましたけど、シロアリや菌についても考えなきゃいけないんだなあ。
うむむ…
10年前にリフォームしたときに、工務店の方に見てもらってはいるんですけど。

ビフォーアフターは、収納や家事スペースが美しすぎて現実的じゃないことが多いような気がします。
収納できるベッドやテーブルを使いこなせる家なら、ビフォーに出てくるような散らかった家にはならないと思うんです…
って、自分が片付けべただからそう思うのかも…です。
確かに1年後のビフォーアフターも見てみたい!です。
by りんごあめ (2007-05-20 14:53) 

toyo

コメント、それにniceまでいただいて有難うございます。

「収納できるベッドやテーブルを使いこなせる家なら~」
ふ~む、そういうことは全くかんがえませんでした。
女性ならではの視点?なんでしょうね。なるほど。

実家の・・・冬がメチャクチャ寒いそうですが、それだけ通気がいいってことですから、まずシロアリの心配はないと思いますよ。(無責任な!)

女性の意見は思わぬ切り口でためになります。有難うございました。
by toyo (2007-05-20 19:14) 

3290

同業者ですww
全くの同意見です。やつらは、白蟻を知らなすぎる[怒]
食害を平気で水腐れとかぬかしてるしww
湿気がひどいからってベタコンにするのはいいけど土台を直に置いてみたり…
そういう映像を見るたびに残念に思います。いくら太い梁とかで補強しようが白蟻が入れば無意味だし。
専門的な知識がある人間とそうでない人間とでは視点が違うから仕方ないですかねぇ…
by 3290 (2014-07-27 22:19) 

toyo

3290様

コメント、ありがとうございます。

>専門的な知識がある人間とそうでない人間とでは視点が違うから仕方ないですかねぇ…

そうですよねぇ。仕方ないかもしれないですよね。残念ですけど。
でも、一番の出費を強いられるのはお客様ですからねえ。仕方ない・・とばかりも言ってられないですよね。

なるべく穏便に工務店にも注意すべきことはお話しているつもりですが、やりすぎると仕事を干されたりするかもしれないので辛いところです(笑)

ほんとに「やつらは、白蟻を知らなすぎる[怒]」・・には同感です。
建築士の試験にも「シロアリと腐朽の項目」を加えてほしいと思っています。

でも、まあ、めげずにがんばりましょうね。
猛暑の時期ですが、どうか3290様もお身体をご自愛くださいね。
そしていいことがいっぱいありますように。
コメントを心から感謝します。ありがとうございました。




by toyo (2014-07-27 23:56) 

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