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畳とシロアリ [シロアリ]


皆さん、あけましておめでとうございます。

皆さんは新年を迎えて今年の抱負などいろいろお考えですか?
私はといえば・・・特にありません。 ほんとは何かなければと思うのですが
・・・とりあえず昨年の工事写真を整理していたらお見せしたいのがありまし
たので見てください。

この写真は衣装箪笥を移動しようとしたのがシロアリ発見のきっかけでした。 
私がお邪魔したときは既に畳が剥がされていて床板を大工さんが斬っている
最中でした。 以前から畳の上を歩くと凹む感じがしていたそうです。 
でもまさかシロアリのせいとは思わなかったそうでお客様はビックリしていました。

 
下の写真は隣の部屋の畳のヘリの部分です。 
側面が汚れていますね。 これは蟻道(ぎどう)の跡です。 
ここにシロアリがたくさんいたそうです。 畳が凹んだら必ずシロアリと決まった
わけではないですが、一応注意はしておいたほうが無難ですね。

次は勝手口の裏側を床下から撮った写真です。 
別に珍しくもない写真です。 それなのに何故お見せするかというと、床下の
地面と木部が接触しているのがわかりますね。 
これは典型的な「シロアリさん、いらっしゃい」のつくりだからです。 
このお宅の場合は幸いまだシロアリは侵入していませんでしたがハッキリ言って
時間の問題です。

実は、このお宅は床下が中基礎でていねいに仕切られていました。 
床下に空気の流通がほとんどありませんでした。 
床下に空気の流通がないということも「シロアリさん、いらっしゃい」の大きな
要因になります。
 
このブログの最初の頃に「家を建てた瞬間にシロアリが侵入するかしないかが
決まります」と何度か書きました。 
つまり、「家のつくり」が最初から「シロアリさん、いらっしゃい」のつくりになって
いるか、いないか、が決定的だということですね。 
たとえば「我が家は日当たりがいいから」「床下がベタコンだから」・・・
といったことよりも「家のつくり」がシロアリ侵入を決定的に左右します。

では、どういう「つくり」がシロアリを呼び込むのでしょうか? 
そのことについて再度このブログでお知らせしたいと思います。 
ほんとは家を建てる工務店・建築関係の人にこのことを広く知ってほしいのですが、
現状は工務店・建築関係の人はシロアリや腐朽については意外なほど無関心な
人が圧倒的に多いのです。 
少なくとも私の周りの工務店関係の人で、新築時にシロアリに留意する人はとても
少ないのです。 

甚だしいと昔、某大工さんにこう言われたことが私はあります。
「あんたたちがシロアリを駆除したり床下を乾かしたりするから俺達は困るんだ。 
家が長持ちされちゃあ俺達は困るんだ!早くダメになってくれないと仕事がなくなる
からなあ」

また、その同じ大工さんから浴室のリフォーム中に柱にシロアリがいっぱいいたから
とすぐ来てくれと言われたときのこと。 
お邪魔して全部の部屋も調べたら他の部屋にもシロアリが。 
私としては浴室だけでは不十分だから全部の駆除の必要をお客様に説明しました。 
お客様は納得してくれました。 

ところが翌日、その大工さんから電話で「浴室だけの駆除でいい」というのです。 
これには呆れました。 
一体この大工さんはほんとにお客様のことを考えているんだろうか?と思いました。 
せっかく浴室リフォームをしても将来また他の部屋のシロアリが移動してきて浴室に
再発するかもしれないのにね。

どう思いますか? こういう考え方。 唾棄すべき考え方だと思います。 
私はこういう大工さんとはつきあいたくありません。

勿論そうでない良心的な大工さんもたくさんいます。 
でも「シロアリについて知ったかぶりする」大工さんも多いです。 
そして、お客様の大半は私達よりも大工さんの言うことをどうしても信用します。 
ときおりマスコミで悪質床下業者の報道がされますから当然といえば当然なん
でしょうが。

ですから「ほんとは家を建てる工務店・建築関係の人にこのことを広く知って
ほしいのですが」・・・なんてことを私が思ってもなかなか壁は厚いのです。 

どうもシロアリ駆除を依頼されたときに、お客様から質問される内容は何年
経ってもほとんど変らないような気がします。
「羽アリってシロアリなの?」とか「隣の家のシロアリって移ってくるの?」とか・・・。 

ということは、何年経っても如何にシロアリについての知識が広く伝わっていないか、
と私は思うのです。 これはシロアリ業界からの啓蒙活動がされていないからで
しょうね。 それに悪徳床下業者の報道がマスコミでされれば一般の方が警戒される
のも無理はないと思います。 

・・・というわけで、私としては昨年書いたことの繰り返しになる気もしますが、皆様に
知っていただきたいことを、これからもしつっこく繰り返し繰り返しお伝えしたいと
思います。 もうそんなこと知っているよ、と皆さんにいわれるまで。 
そうだ、それを今年のテーマにしようかな。 

それから暇に任せてシロアリ各社のホームページを検索したときの印象を言わせて
もらえば・・・・他社を批判するつもりはありませんが「微妙にはずしている」気がしました。 
一見「正義の味方」風なホームページが増えているようです。 
ありていに言えば悪徳業者でもことばの上で「正義の味方」風なホームページを作る
のは簡単ですからね。 

それに自社の不利なことは誰だって知らせたくないですから、シロアリ防除もビジネス
ですから当然といえば当然です。 私はあまりに「正義の味方」風な雰囲気は信用しない
ことにしています。 
だから、この「微妙にはずしている」部分についても少しずつ書いてみようかなと思って
います。 同業者からは非難されるかな? でもいいや、もう。

というわけで、今年も代わり映えのしない内容になるかもしれませんが皆様の参考に
なればと祈っています。 

それでは皆さん、本年もよろしくお願いします。 

  
 


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roy

あけましておめでとうございます

微妙にはずしている・・・気になります
toyoさんのますますのご活躍を期待しています!

私のブログのコメント欄でtoyoさんのブログを紹介しました
事前に承諾も頂かずにすみません
不都合があったらおっしゃって下さい

今年もよろしくおねがいします☆
by roy (2008-01-03 10:11) 

toyo

roy 様
新年おめでとうございます。私の拙いブログを読んでいただいてありがとうございます。またこんなブログでよかったら事前の承諾なんていりませんのでいくらでも紹介してやってください。かえってお礼申し上げます。
少なくともシロアリについては誰から非難されようとホンネ全開で書いていきますのでよろしくお願いします。
それから「微妙にはずしている・・・」部分についてもこれから順次書いていきますので参考にしていただければ嬉しいです。
ありがとうございました。
by toyo (2008-01-03 13:45) 

南雲しのぶ

ウチは近所の大工さんが建ててくれたので、毎年年始の挨拶に来た時、ついでに全体を見てくれて痛んでいるところを補修してくれます。
そのお陰で築20年になるなか、大きな問題は何も起きていません。
なかなか知らない業者さんを選ぶというのは難しいものです。
by 南雲しのぶ (2008-01-03 21:15) 

こう

 本物の大工さんなら、自分の建てた家は200年でも300年でも建っていて欲しいと思うはずです(と、信じたい)。

 お金は今のところないのですが、実は家を建てたいと思っていますので、
床下の写真などは、いつも食い入るように見ています。
 toyoさんの記事は、これから家を建てることを考えている人には、是非みてもらいたいと思います。
 それ以上に、建築関係の業者さんには見てもらって、意見も聞きたい所です。
by こう (2008-01-03 22:44) 

toyo

南雲さん
良心的な大工さんらしくて良かったと思います。
近所の大工さん・・・つまり「居場所がはっきりしていて、呼べば直ぐに来てくれる」というのも「良い大工さんを選ぶ基準」だと私は思っています。良い大工さんの周りにはなぜか「良い職人さん」が多いですから大事につきあったほうがいいかもしれません。派手な宣伝をしているところにかぎって、ろくな職人しかいませんからね。
by toyo (2008-01-04 08:50) 

toyo

こう様
「本物の大工さんなら、自分の建てた家は200年でも300年でも建っていて欲しいと思うはずです」
そうですよね。私がもし大工ならそう思うと思います。そして、もし自分の建てた家からシロアリが発生したら大変な恥だと思って全責任を負う、と思うのですが・・・現実には、ほとんどの大工さんにはこの「恥の感覚がない」のです。きっとシロアリ被害は「天災」くらいに思っているからでしょう。私にいわせれば「人災」なのですが。
よく「いい大工さんを紹介して」とお客様から頼まれますが、そんなとき私は非常に神経を使います。というのは「いい大工さん」は意外と少ないからです。ヘン?な大工さんを紹介すると私の人格まで疑われてしまうし長年の私とお客様の関係までおかしくなってしまうからです。実はこれで今まで何回も失敗しましたしね。だから大工さんを紹介するのはとても怖い気がします。
by toyo (2008-01-04 09:06) 

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