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炭・・アナどれない穴のチカラ。 [炭]


みなさん、こんにちは。

えーと、今日の記事はもっと前に書くべきだったと思っています。

どうしてかというと、炭、炭っていってもねえ、じゃあなんで炭なの?
消臭剤、脱臭剤、湿気取り・・って、別に炭でなくても他のいろんな
商品が売っているでしょ。炭でなけりゃあ・・という理由がわからない。
つまり、炭ってどこが凄いのさ?って思いません?

その説明が欠けていました。 
私にとってはそんなの当たり前じゃんと思っていましたが、これが
間違いですね。 読者目線を忘れていました。 反省。

で、炭って材料は木か竹ですよね。 それを高温で「蒸した」のが
炭。 で、木や竹って当たり前ですけど土から養分を「吸い上げて」
成長しますよね。 その吸い上げる「管」・・維管束とか導管とか。

つまり、植物はみんなそうですけど養分を吸い上げる細い管が無数
にあります。 これが「蒸す」ことによってだいたい元の3分の1くらい
に壊れないでそのまま収縮します。 この無数の管が炭のチカラの源
になります。

その管の大きさは直径で、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔・・・と超超超
小さな穴です。 ミクロ孔は1NM(ナノメートル)=百万分の1ミリメートル
だそうです。  もう想像もつきませんね。 
要するに、この超超超小さな穴の集合体が炭です。 

イメージとしては側面に無数の穴が開いたストローの束みたいです。 
で、この穴同士が全部つながっています。

IMG.jpg


簡単に言うと炭は「無数のパイプを縦に束ねた集合体」です。
しかも、このパイプは、管の横にも無数に穴が開いていて空気や水が
通るようになっています。

で、この無数の穴には、自然界のこれも無数の菌やバクテリアがたちまち
住みつきます。 で、これらの微生物が臭いの素や化学物質等いろんな
有害物質を吸着しては無害化してくれます。 

炭を再利用するときには「水洗い」してから「陰干し」をしてくださいと書いた
ことがありますが、それは紫外線に当ててバクテリアや菌を殺したくないから
です。 だから、干すときは直射日光に当てないようにしましょう。 
日陰で風通しのよい場所で乾かしてください。 これ重要なポイントです。

で、この穴は高温で蒸すほど増えていきます。 温度が上がれば穴の数が
増えると思ってください。 でも、それじゃあ備長炭は高温だからいいの?
というとそうでもないんです。 あんまり高温だと今度は穴が潰れてしまう
からです。
 1000度C以上の高温で造る備長炭に消臭、脱臭、除湿の
チカラが意外と弱いのは大事な「穴が潰れてしまう」からですね。

でも、硬いですからミネラルなどは逆に多いんでしょうね。 
成長するときに吸い上げた養分=ミネラル=鉱物を水に浸すと「吐き出して」
くれます。 ミネラルウォーターを造るにはきっといいでしょうね。

・・・ということで終わりましょう。 

今日のまとめは・・

  • 炭の命は穴ということ。 その超小さな穴に住みついた
    微生物のチカラが脱臭・除湿・有害物質の無害化等の源です。
    ・・・まさに小さくても・・アナどれない
    (侮れない)穴の力・・ですね。
  • それと、干すときは直射日光に当てないでね。


なんだかすっかり教科書的になってつまらなかったですね。 
もっと興味深いエピソードでも交えて書けばよかったんでしょうがお許し
くださいね。 でも、今日はちょっと突っ込んだ内容じゃなかったですか。
でもないか、炭に興味のある方なら常識だよっていわれちゃうかもね(笑)

(あと、敷炭のときに床下の湿気を吸い上げた水分はどうなるのか?とか、
そろそろ突っ込んだ説明をしてもいいかしら?なんて思っています。
というのは、2年くらい前にもその記事は書いているのですが、反応なしで
それで「易しい記事」に方向転換したのですが、最近いただく質問は
高度化していますので私としては嬉しいんです)

炭は万能ではないですが、上手に付き合えばとっても有効です。
少しでも参考になったら幸いです。 それではみなさん、ごきげんよう。

最後までお付き合いくださってありがとうございました。
心からお礼申し上げます。


ジョーク>  ・・・と魔法のランプ

浜辺に打ち上げられた古いランプ。
その男は,何の気なしにそのランプを袖でこすった。
もちろんのこと,ランプから煙と共に現れ出でたるは,ランプの精。
ランプの精は助けてもらったお礼に何でも一つだけ願い事を叶えて
くれると言った。


しばらく考えていた男は,やがてこう言った。
「前々からずっとハワイに行きたいと思ってたんだ。でも,ボクは
飛行機恐怖症でね。だからハワイまでつながる橋を出してくれないか。
車で行けるように」


「だめだ!だめだ!」ランプの精は大声をあげた。
「いいか。ここからハワイまで何千キロあると思っているんだ。必要な
鉄骨やコンクリートの量を考えてみろ。それに,太平洋の底に届く
橋脚の強度の設計が・・・いや,とても無理だ!別な願いにしろ」


男はまたしばらく考えていたが,ついにこう言った。
「妻ともう二十年も連れ添っているが,どうしても気持ちのすれ違いが
あって口喧嘩をしてしまうんだ。きっと,ボクが女性の気持ちが分から
ないせいだと思う
んだ。だから,女性はどう感じるのか,何を思って
いるのか,なぜ泣くのか,何を望んでいるのか,どうすれば幸せにして
あげられるのか・・・」


「待った!」ランプの精は鋭く男の言葉を遮った。
「さっきの橋の話だが,四車線と二車線どっちがいい?」

 


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kurizo

最近の記事で、toyoさんの炭に対する並々ならぬ思いが伝わってきます。
田巻邸、子供のことなどあり、まだ行けてないんですよ(^_^;)

by kurizo (2009-11-14 23:56) 

福智山

今回も無知な私にはとても有り難い内容でした。

微生物の話、面白いですね。
前回の記事の補足的なコメントにも詳しく書かれていて、
興味をひかれます。
とても小さく無数の彼らに人間が助けられるのですね。

炭がなぜ体に良いのか、
はっきりわかっていない面もあるけど、たとえば
こんな所に秘密があるのだよ、

という感じで、
他では少ない、明確でまともな説明だ思います。

そしてまた、
「万能ではないければ上手につきあえばとても有効です」
――たとえばこういった書き方が、うそ偽りのない、
このブログらしい信頼できる姿勢を現れていますね。

このブログは、本当に良い仕事をされていると思います。

それから、今回のジョーク、
私が読んだ中ではベストと感じました。
笑いながら身につまされました。

今後も学ばせていただきます。 宜しくお願いします。
by 福智山 (2009-11-15 01:05) 

小父蔵

 炭自体が空気中の物質と反応しているのではなくて、炭に住みついた微生物が作用している。なるほどですね^^
 以前、NHKの番組で、微生物がいなければ人間は生きていけないという内容を観たことがあります。やっぱり微生物の力は偉大だと改めて思いました。目に見えないモノが偉大な力を持っているということを普段は忘れてしまいます。顕微鏡がない時代の人のほうが、炭を通して微生物を活用していたというのがとっても面白いと思います。
by 小父蔵 (2009-11-15 07:02) 

kido_azusa

炭の多孔質構造の優秀さがよくわかりました。脱臭、除湿に絶大な効果があることの科学的な裏付けですね。土壁も炭ほどではありませんが、多孔質構造なので、面積も大きいことで脱臭・除湿に目立った効果があると感じています。
by kido_azusa (2009-11-15 20:23) 

かなりあ猫

炭に消臭効果があるのは、炭に住んでいる無数の菌やバクテリアが活躍してくれているからなのですね!
長年の疑問が解けたようです。
by かなりあ猫 (2009-11-15 21:04) 

組チョー

こんにちは、
いつも参考にさせていただいております。

非常に分かりやすい内容、文章、勉強になります。
また1つ炭への理解が深まりました。

そこで恥ずかしながら、ちょっと思ったのですが、
例えば、室内への置き炭以外にも、脱臭などの目的で冷凍庫に入れたり、
飲料水ポットの中、電気ポットの中へ入れて使用してる場合でも炭の恩恵は受けられますが、一見過酷に思える、低温や水中、煮沸温度など、そのような環境では微生物はどうなんでしょうか?
それぞれの環境にあった微生物がやはり棲んで働いているという考え方でいいでしょうか?
by 組チョー (2009-11-15 21:27) 

toyo

kurizo 様

おはようございます。
田巻邸は逃げませんからお暇なときに
いつでもどうぞ(笑)

nice! &コメント、いつもありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。
by toyo (2009-11-17 08:52) 

toyo

福智山 様

ジョーク、気に入っていただいて良かったです。
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
駄文ですが参考にしていただければ嬉しいです。
ていねいなコメント、いつもありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-17 08:55) 

toyo

小父蔵 様

おはようございます。

>目に見えないモノが偉大な力を持っているということを普段は忘れてしまいます。顕微鏡がない時代の人のほうが、炭を通して微生物を活用していたというのがとっても面白いと思います。

ほんと、そうですよね。
目に見えないモノ・・に助けられている事実に謙虚にならないとダメだと思います。人間同士でもそうだと思います。
nice! &コメント、いつもありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-17 09:13) 

toyo

kido_azusa 様

おはようございます。
うちも土壁なんです。土壁はいいですよねえ~。ね(笑)
nice! &コメント、いつもありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-17 09:16) 

toyo

かなりあ猫 様

おはようございます。
参考にしていただいて嬉しいです。
nice! &コメント、いつもありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-17 09:17) 

toyo

組チョー 様

おはようございます、そして、わーっ困った!
というのが正直な気持ちです。
というのは御質問の・・
>一見過酷に思える、低温や水中、煮沸温度など、そのような環境では微生物はどうなんでしょうか?

・・については私も無知なんです。
で、慌てて私の炭のお師匠さんに聞いたら・・
「50度以内なら生き残る微生物はいるけど、それ以上の高温だと
ダメだろうね。でも、陰干しをすればまたいろんな菌がすぐに棲みつくよ」と言っていました。

慌てていたので低温の場合はどうなるのか?聞き忘れて
しまいました。ごめんなさい。今度ちゃんと調べておきますね。
というか、そういう点に言及したデーターって見たことないので
調べてもわかるかなあ~と、頼りない答えですみません。
すっかりボロが出た思いです(笑)

高度で鋭いコメントです。私ももっと勉強しなっくっちゃ(笑)
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-17 09:29) 

toyo

わかって建築家様
yanasan様
みかんママ様
takemovies様
ぶすねこ様
ほりけん様
ホタルの館様
そら様
前太様
plusgate様

皆さま、いつもお付き合いいただいて心から感謝しています。
ほんとにありがとうございました。nice! お礼申し上げます。
お礼が遅れてごめんなさい。



by toyo (2009-11-17 09:36) 

toyo

みぞれ様

おはようございます。そして初めまして。
拙い記事にお付き合いいただいて心から
お礼申し上げます。
ちょっとでもみぞれ様の参考になりますように。
nice! ありがとうございます。

by toyo (2009-11-17 09:39) 

しゃくとりむし

ランプの精も女心にはお手上げっていう事でしょうか。
夫が妻の気持ちがわからないって言うことは多いのに
何で妻が夫の考えていることがわからないって言うことが
少ないのは何でなんでしょうね。
by しゃくとりむし (2009-11-17 21:00) 

たいせい

 顕微鏡写真を見ると、生きているときの細胞構造がそのまま炭になっても保存されているように見えますね。
 ミクロの世界は新鮮であると同時に、自然の作り出すモノは美しいですね。
by たいせい (2009-11-17 21:48) 

toyo

しゃくとりむし 様

いつもお付き合いいただいて、ありがとうございます。

>何で妻が夫の考えていることがわからないって言うことが
少ないのは何でなんでしょうね。

そうですねえ、う~ん、う~ん。
よそさまの場合はわかりませんが、うちの場合はたぶん
粗大ゴミの考えなんて眼中にないわよ・・でしょうかねえ(笑)
nice!&コメント お礼申し上げます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-18 16:45) 

toyo

たいせい 様

>生きているときの細胞構造がそのまま炭になっても保存されているように見えますね。

そうなんですよね。しかも縮小されているなんて凄いですよね。

>自然の作り出すモノは美しいですね。

同感です。自然の造りだすものにはかなわないですよね。
まったくおんなじことを私も感じました。

nice! &コメント、いつもありがとうございます。
お礼が遅れてごめんなさい。

by toyo (2009-11-18 16:49) 

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