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烏兎怱怱(うとそうそう) [インド巡礼]


みなさん、こんにちは。

今回の旅で多くの住職さんとお話ができて、私としてはとても
幸運でした。 だって、住職さんというと、ふだんは敷居が高い
・・というか、こっちも御行儀よくしないとイケナイみたいな雰囲気
ってないですか?

まあ、私はアホを自認しているので気軽に質問できましたが。
でも、やっぱり波長の合う人とそうでない人っています。
なんというか、波長の合いそうな人って話す前から雰囲気で、
なんとなくわかる気がします。
(私が一方的にそう思っているだけかも)

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(場所はネパールの和式ホテルです。深夜)

簡単に言えば、こやつ出来るな!・・と感じる人っていますよね。
身体からオーラが出てるような人。一見、すごく柔らかそうな
雰囲気だけど・・う~ん、どう言ったらいいんだろう?太陽の
暖かさと、稲妻の鋭さを併せ持っているような心優しい人と
いいますか。
(まあ、これも私が一方的にそう感じるだけかもしれませんが)

で、今回の旅で、そう感じた方が何人もいましたが、特に強く
感じた方がこの方。名前を書いてもいいかしら?
いや、やっぱり了解も得ていないので止めましょう。
東京の某寺の住職さんです。

(仕上げはニューデリーのホテルで、同じく深夜)
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あ、和紙の一部を手で破いていますが、これも上手くいかなかった
場合の処理法というか技法の一種だそうです。なるほど。
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実物でないと、その迫力がお伝えできないのがとても残念。
すごくいい感じの仏跡を描いた見事な墨絵です。
あ、これは今回の旅の記念の「寄せ書き」に添えるための
もの。後で表具にするんだそうです。完成したらきっと素敵だ
ろうなあ~。

この方は中国人の超一流の女性墨絵画家に15年も師事した
ことがあるとか。融通無碍の筆致というか、絵心のないアホな
私にもその凄さは充分伝わってきました。とにかく、とっても
感じがいい線というか絵です。その場に立ち会えて良かった!

やっぱりね、只者ではないな・・と思った私の勘は当たっていた
と内心、思いました。しかも、お酒が入ると興趣が湧いて筆が
スラスラ・・なんて、まるで酔拳みたい、違うか(笑)

近くに住んでおられれば、もっともっと話を聞きたいと思いました。
私には、なぜか気になるお坊さんでした。お寺の仕事の合間に
某大学院も出られたとか。

で、最近、その住職さんから自著と寺報を送っていただきました。
それが下の写真です。実は「蛇足」という寺報の名前がいいなあ~
と思っていましたから興味津々。

IMG_0001.jpg IMG_0002.jpg

「蛇足」と「烏兎怱怱(うとそうそう)」という自著。

しかし、どこでどういう出会いがあるかほんとにわからない。
良い出会いに遭遇するためには誰にも偏見をもたないこと。
自分をアピールする前に全ての人を好きになること。

・・とかなんとか、ふだんは実行もできていないことを改めて
肝に銘じるのでした。 まあ、自分がアホであることを恥じない
で、ありのままに人に接する・・たとえ笑われても・・が、一番
手っ取り早い、良き出会い方じゃないかなと思うのであります。

1305.jpg

世間では、日本の仏教は葬式仏教と揶揄される面もありますが、
(正直に言うと、私にもそのような偏見がなかったとは言えません)
しかし、仏教にメチャクチャ詳しく、且つ拳法家でもある学者的?
な住職さんや、仏教を(ほんとに真摯な生き方として)「生きて」
いる方とか・・・ユニークな住職さんもいました。ほんとの意味での
宗教者といいますか。 どーせなら、このような方に葬式をお願い
したいなあ~・・とか思いました。

まあ、正直に言うと、私の中では仏教=葬式仏教・・というイメージ
で、なんかリアルじゃない・・という気がしていましたが、今回の
数多くの住職さんとの出会いで、仏教を「生きるための思考法」
というか、モノサシというか・・とにかく、今までよりもリアルに感じ
られるようになりました。

●●導師、ほんとにお世話になりました。この場を借りて心から
お礼申し上げます。
(私が導師なんて言葉を使うのはおかしいのかしら?)

1311.jpg

ちなみに烏兎怱怱(うとそうそう)とは、「月日の流れるのは早い」
・・という意味だそうです。烏兎はカラスとうさぎで、中国の伝説
では3本足のカラスは太陽に棲み、うさぎは月に棲んでいること
から、カラスは太陽、つまり「日」を、うさぎは「月」を表しているの
で、兎烏=月日・・ということだそうです。怱怱(そうそう)は、あわ
ただしいさま。こんな難しい言葉、知りませんでした。


今日は個人的で勝手な内容でごめんなさい。
おそらく皆さんにも、このような強いインパクトを与えられた人との
出会いって、過去に何度かあったと思うのです。そして、これからも。
出会いって不思議ですよね。これも因縁なのかしら?

私は、膨大なブログの中から偶然にしろ私の稚拙な記事に、お目を
止めていただいた方も、それは出会いじゃあないかなあ~と思って
います。 だから、メール相談していただく方にも何か因縁を感じて、
私なりに精一杯のアドバイスをさせていただいています。
きっと、的外れなアドバイスも多いと思いますが(笑)

最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
どうか皆様にいいことがありますように。


{補足}
今回の記事で紹介させていただいた住職様から了解を頂いたので
住所・お名前を紹介させて頂きます。安達様、ありがとうございました。
http://www.tesshow.jp/toshima/temple_snagasaki_zensho.html
IMG_0004.jpgIMG_0005.jpg


ジョーク
 頭のいい男が、占い師を困らせてやろうと一計を案じた。
 
「喜びそうなことばかり言ってくれるのはいいから、
  今度は俺がどういう人間なのか当ててみな」
 
「そうですか、それでは……。まず、あなたは三人の子の
  お父さんです」 

「ほれみろ、間違いやがった」頭のいい男は言った。

「俺は四人の子の父親なんだ」 

 占い師は静かな声で言い返した。

「それは、あなたがそう思ってるだけです」



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hisa

もともと仏教は葬送儀礼を重視しない宗教だったのに、江戸幕府が戸籍管理のために檀家制度を作ったこと、明治政府が神仏分離、廃仏毀釈を行って僧侶の肉食妻帯が進んだこと、戦後一般人も戒名を付けるようになって寺が戒名に布施を求めるようになったこと、という3つの転機を重ねることで、現在のような状態になったのですが、いま日本の仏教界は、核家族化による檀家の減少と、優遇税制に対する批判や葬儀への民間企業の参入などによって、4度目の転換期に直面しています。だから、心ある僧侶の活躍が目立ち始めたんですね。これからますます混迷していくであろう日本において、僧侶の役割は大きいと思います。そんな中で、尊敬できる僧侶と出会えたということは、それこそ貴重なご縁。大切にしてください。
by hisa (2012-04-05 13:14) 

楽しく生きよう

心で書いていらっしゃるんでしょうか。
凄いですね。
by 楽しく生きよう (2012-04-05 21:34) 

toyo

hisa 様

「蛇足」は昭和58年が創刊だそうです。ちなみに、そのとき「創刊ににあたって」という文を割愛紹介させていただきますと・・

「今や情報化社会、正確な情報と誤った情報とが入り乱れております。坊さんも、お経を読んで、般若湯をいただいているだけの時代も、そろそろ終わりを告げようとしています。お経だけを聞くのであれば、カラオケこそありませんが(みんな同じです)、良い宗派別のカセットもあるのですから。下手上手は兎も角として・・。
本来、世の中の軌道を修正し、オブザーバー、アドバイザーたる役目が、宗教者には課せられております。正しい情報には裏付けをし、誤った情報には、それを是正する義務があるわけです。仏教は・・(略)・・その布教活動は、キリスト教より数段劣っております。」

・・と、まさに仏教が、hisa 様のご指摘の「4度目の転換期」にあること・・と、符合するような一文が書いてありました。また「烏兎怱怱」にも葬式仏教であってはならない・・とか、お坊さんには珍しい歯に衣着せぬ文章が多数見受けられ、こんなお坊さんもいるんだ・・と個人的には大変感動を覚えました。
おっしゃるように「これからますます混迷していくであろう日本において、僧侶の役割は大きいと思います」・・ということを自覚、活動実践している住職さんだと思います。

いつも鋭く、適切なコメントをいただいて有難うございます。
私はhisa 様も只者ではないと思っております。ほんとうに駄文に毎回、お付き合いいただいて心から感謝しております。
どうかhisa 様にいいことがありますように。

by toyo (2012-04-06 08:26) 

toyo

楽しく生きよう 様

心で書く・・とは、ほんとうに適切な言い方で、まさにそのとおりだと思います。だから、多少のお酒が入ったもスラスラと描ける・・なんでしょうね、きっと。
その描く雰囲気から私は酔拳を連想してしまいました(笑)。
もっともそれが可能なのは、15年という墨絵経験というか凄い師匠さんの薫陶を受けているからこそなのかもしれませんね。誰でもできることではない気がします。

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
どうか、楽しく生きよう 様にもいいことがたくさんありますように。ありがとうございました。



by toyo (2012-04-06 08:36) 

kuni

「ありのままに人に接する・・たとえ笑われても・・が、一番」これとっても共感します!
by kuni (2012-04-06 12:45) 

わ~い、お茶

こんばんは、一言で言うと「融通無碍」と言う事でしょうか?
by わ~い、お茶 (2012-04-06 20:11) 

toyo

kuni 様

ありがとうございます。
はじめからガードを固めたり、鎧を着て、本音を見せない人・・
そのような人はとても窮屈だし、第一、本人が一番、生きづらいんじゃないかな?と思います。それに仮面をかぶっていると怖いのは、いつの間にか仮面の奥の実体も不分明になること。自分で自分がわからなくなる・・これが私には一番怖いです。
だから、いつでもどこでも本音でいるのが一番、楽ですよね。当然、無防備でいると傷つくことも多々あると思います。でも、それでも得るもののほうが多いと思います。他人から馬鹿にされたり誤解をされても、それを最初から覚悟さえしちゃえばいいんですから。簡単にいえば、ありのままの裸の子どもになる・・ということですよね。
もっとも私は昔、とても生きづらい時期があったので、特にこんなことを強く意識するのだ・・と思っています。

だから、このような瑣末な部分に共感していただいて、とても嬉しいコメントでした。ありがとうございます。
いつもお付き合いいただいて感謝しています。
どうか kuni様にもいいことがたくさんありますように。

by toyo (2012-04-07 08:42) 

toyo

わ~い、お茶様

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
融通無碍・・まったく、そのとおりです。
でも、これってとっても難しいと思っています。
「アホになる」まではなんとかできても、融通無碍というと更に
その上のレベルじゃないかしら?と勝手に思っています。
もっともっとアホにならなければ・・と思っています(笑)

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
どうか、わ~い、お茶様にもいいことがたくさんありますように。
ありがとうございました。
by toyo (2012-04-07 08:50) 

ぞぴー

記事とは直接関係ないことなのですが、toyoさんのプロフィール画像がなぜモノクロなのか?って、前から気になってるんです。
カラーの方がよいのでは?(笑)
by ぞぴー (2012-04-08 10:01) 

toyo

ぞぴー 様

おはようございます。
写真写りが悪いので、写真は嫌いなんです。
(ほんとは写真も使いたくなかったけど)仕方なく昔の写真を
なるべく目立たないようにモノクロにしただけなんです。
目立つのは嫌なので・・ぶつぶつ(笑)
ブログを始めなかったら、きっと写真にも興味をもてなかった
と思います。

いつもお付き合いいただいて感謝しています。
どうか、ぞぴー様にもいいことがたくさんありますように。
ありがとうございました。


by toyo (2012-04-09 08:24) 

dasocks

お米とCDありがとうございました。身に余るお褒めのお言葉、お恥ずかしい限り。穴があったら入りたい。あなかしこ、おっとこれは真宗だった。全世界共通かも…?
同室の和尚と馬が合います。十年前、中国旅行で初対面。すぐ仲良くなりました。馬が合うけど、互いに巳年です。
そうそう、名前を公開してもいいよ。インド旅行記搭載蛇足、気をよくして送ります。乞うご期待。
by dasocks (2012-04-15 22:32) 

toyo

dasocks 様

おはようございます。
さっそくのご連絡をありがとうございます。

そして、勝手に記事にしたにも関わらず大きな心で
お許しをいただいてほっとしております。
また名前の公開のお許しもありがとうございます。

市川公淳様とは私もとても馬が合いました。
渡辺様が、市川様とならばと部屋割りを配慮していた
だいたので感謝しています。そうですか、中国旅行で
面識があられたのですね。いいなあ~(笑)

では、お許しを頂いたのでお名前を公開させて頂きます。
早速、次回、烏兎怱怱をネタにして記事を書かせてもら
おうかしら?実は、一般の方にも知っていただきたいこと
が烏兎怱怱にたくさん書かれているので私だけが知って
いるのは勿体無い・・という思いがあります。
もし、脇道にそれたら遠慮なくご指摘くださいね。

それでは、ほんとうにありがとうございました。
心から感謝とお礼を申し上げます。
どうか、dasocks様にいいことがありますように。
失礼いたしました。


by toyo (2012-04-16 09:07) 

kobarin

いやいや、、、実に丁寧なインド巡礼。(紀行文)

墨絵を描く時間なんぞが、良くあったものです。
いやいや時間は作るものと方丈さんから、怒られそうです。

やや総花的ですが、これもまた、清々しい文章で良し!

今度のインド巡礼は、是非ともお供させていただきたいものです。

  <本当に ダメな いつまで経っても ダメな私で・・・
   すいません。>                    合掌
by kobarin (2012-04-16 21:06) 

dasocks

交盃しながら描きました。終わったら、なんと!3時過ぎていました。翌々日素面で改めて見たら、驚くなかれ?われながら下手なこと。あなかしこ…。直しました。実は油絵と違い直すのは難しいのです。正に済み絵、済まないねえ。「お父さん。おかゆができたわよ」ご存知?
by dasocks (2012-04-16 23:23) 

toyo

kobarin様

駄文にお付き合いいただいて心から感謝申し上げます。

ほんとに私の書くインドの話なんて野次馬的、発作的、
興味本位の記事なので、後で読み返して密かに赤面して
います。アホな欠陥だらけの文章で恥ずかしいです。

修正しようかとも思いましたが、いやいや、現時点での本音
は本音なのでアホをさらすことにしました(笑)
どうか、どうか大目にみていただけますように。

ほんとに駄文にコメントまでいただいて恐縮しております。
深謝いたします。
どうか、kobarin様にもいいことがたくさんありますように。
ありがとうございました。



by toyo (2012-04-18 01:03) 

toyo

dasocks 様

またまたコメントをありがとうございます。

それから、今日、蛇足NO114号が届きました。
心からお礼申し上げます。早速読ませていただきました。

しかし、インドの記事を拝読して、私の知らないことが
たくさん書かれていて目からウロコでした。
また、無駄のない的確な文章にも、う~ん、と唸って
しまいました。きっと、dasocks 様からすればふつうの
文章なのでしょうが・・・。

たしかに、墨絵は一発勝負で書き直しが効かないので
大変だったかも?とお察しします。でも、私から見れば
決して済み絵・・じゃないと思っておりますので。ほんとです。

田舎者なので「お父さん。おかゆができたわよ」・・は、
存じ上げなかったので、早速調べたら・・
「それは言わない約束でしょ」・・ですよね?

あー、これは野暮というものかしら?(笑)
失礼しました。

どうかdasocks様にも、ますますいいことがありますように。
ありがとうございました。

by toyo (2012-04-18 01:24) 

toyo

dasocks 様

今回の蛇足のケーサリア・ストゥパーの墨絵。
いい感じですねえ~最高です!
いや、やっぱり、済み絵・・じゃないと確信しました。
深謝です。

by toyo (2012-04-18 01:31) 

dasocks

ケーサリア・ストゥーパの墨絵はまあまあでした。二枚目です。もう一枚描けばもうちょっとよくなるかも…。kobarinに原画を上げました。
おかゆはシャボン玉です。
by dasocks (2012-04-18 22:13) 

toyo

dasocks 様

>もう一枚描けばもうちょっとよくなるかも…。

もう一枚、機会があったらぜひ描いてください(笑)

シャボン玉・・ですか、なんにも知らなくてごめんなさい。
失礼しました。

しかし、こういうタイプの寺報は始めてなので、とても興味深かかったです。ぜひ、長く続けて欲しいと思います。大変でしょうが。
烏兎怱怱も、思い切ったことが書かれているのでビックリしました。異端的というか・・でも、それが気持ちいい・・。
あ、余計なことを・・。失礼しました。

どうかdasocks 様にいいことがありますように。
もし、これからも私の書くことに間違いがありましたら遠慮なくご指摘いただくと有難いです。ありがとうございました。



by toyo (2012-04-19 12:38) 

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